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   注意:この記事は全然面白くありません。

自招防衛事例。東高H8.2.7と同じ論理立てと思われる。

自招防衛は急迫性の要件と防衛のため要件の2つで問題となる。
毎日の記事は急迫性の問題としているが、判決で急迫性に触れているかどうかは明示していない。
相手の攻撃は被告の暴行に触発された一連の事態であり、被告は自らの不正行為により侵害を招いた」と指摘し、報復攻撃を予期していたかどうかにかかわらず、原則として正当防衛は成立しないと判断した。

急迫性の要件
東高H8.2.7は「被害者による反撃は自ら違法に招いたもので通常予想される範囲内にとどまるから急迫性にも欠ける」
今回は、「通常予想される範囲内」とは言っていないが、「相手の攻撃の程度が最初の暴行を大きく超えるような場合でない限り、原則として正当防衛は成立しない」という記事からすれば、やはり急迫性要件としているのかも。

防衛のため要件
前田は東高H8.2.7を、自招行為と防衛行為を一体と見て客観的に「防衛するため」の行為ではないとする論理立てとしている。

しかし、今回、自招行為と被害者の反撃の密接性は東高H8.2.7よりもずっと弱い。
東高H8.2.7は「被告人が暴行を中止さえすれば被害者による反撃は直ちに止む」程度の強い関連があったが、
今回は被告人が走り去った後、被害者が自転車で追いかけて反撃している。
自招防衛は防衛のため要件ではなく、急迫性の要件にするということ?


ついで
正当防衛が成立するには危険が差し迫っていること(急迫性)が必要。最近の裁判例はこうしたケースでは、相手の攻撃を予期できたかどうかで判断しており、

これは間違い。
侵害が予期できただけでは急迫性は失われない。
「単に予期された侵害を避けなかったというにとどまらず、その機会を利用し積極的に相手方に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだとき」に初めて急迫性が否定されるというのが判例だった。
ここで「積極的加害意思」という主観的要素を排して、自招行為と相手の攻撃の程度のバランスという客観的要素を出してきたところが「裁判員制度を控え、客観的行為のみで判断する枠組みを示した形」と評価される。
# by k_penguin | 2008-05-23 12:40 | 裁判(判決評) | Comments(2)
プライバシーにもいろいろあるとかゆーことを前の記事のコメントに書いていたら、折良く三浦アメリカじゃ容疑者がプライバシー侵害で監視システム開発・販売会社とコンビニを訴えた(注:「アメリカじゃ容疑者」の部分は三浦さんの呼称ね)。

朝日は「プライバシー」といっているが、主張内容からすれば、
私的領域に対する侵害としてではなく、むしろ財産的侵害を訴えている。

映像はコンビニの防犯カメラの映像だから、個人の家を隠し撮りしたとかいうのとは違う。コンビニの店内なんてオープンだから、個人の私生活を乱したという「平穏のプライバシー」の使い方ではない。
そして、三浦さんが問題にしているのは、映像をマスコミが大々的に公開したという点ではなく、「販売促進用DVD」や会社の「ホームページ上で公開」して、警備会社の宣伝に使ったということなのだ。
これは、「金もうけの道具にされているのは許し難い」という三浦さんのコメントからもわかる。
三浦さんは、この問題を個人の私生活の侵害ではなく、オカネの問題としてとらえているのだ。
これはプライバシーというよりか、「肖像権」というのがより正確かと思う。

「肖像権」というのは、法律用語ではないから、定義が固まっていないところがあるのだが、ゲーノージンが言う場合と、フツーの人が言う場合とでは権利の性質が変わる。
フツーの人が言う場合は、純粋にプライバシーの一種で、みだりに個人が特定できる写真を撮影されたり公開されたりしないことをいう。
しかし、芸能人の場合は肖像権は財産権でもある。芸能人は顔で商売をしているからだ。

つまり隠し撮り写真をネットで公開した場合、それが隣のねーちゃんである場合と仲間由紀恵である場合とでは損害賠償額は違うのだ。写真の価値が違うから。
そのかわり、芸能人は私生活でのプライバシーの保護される範囲は一般よりもやや狭い。有名税ってやつね。

三浦さんが財産権的な主張をしたということは、
俺はそこらのじじいじゃない。俺の映像には財産的な価値がある、と主張したということだ。
でも、三浦さんがゲーノージンなのかどうかはなかなか難しいところだ。
とりあえず日本じゃ「元社長」という肩書きであって、タレントとかそーゆー肩書きではない。

今回の訴えは、三浦アメリカじゃ容疑者日本じゃ無罪元社長だが今は何だかわからない、が、自分をどうとらえているかの一端を垣間見たような気がする。


追記
この記事を書いてから他の記事を調べてみたら、三浦さんが主張しているのを共同通信は「肖像権」としていて、毎日は「名誉」としている。
どうも被侵害利益が何かについては記者が独自に認定しているらしい。一体どーゆープレス発表をしたんだろう。
主張内容からすれば、警備システム会社に対しては肖像権侵害で、コンビニに対しては名誉侵害、というところだと思うが(TV局を相手にしてないとこがみそね)。
# by k_penguin | 2008-05-20 21:58 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(2)
俺の母親は、親父が亡くなるまではほとんど住んでいる市内から出ない人で、電車に乗るのは数年に1度という割合だった。
昔は現金で切符を買い、改札ではさみを入れてもらって乗っていた。
あるときからオレンジカードという物が出たので、それを買った。
ところが、ちょっとしたら自動改札にイオカード、ということになっていて、そしてその次に乗るときはスイカでタッチアンドゴーだ。
改札の通り方が乗るたびに変わっているのだ。
毎日のように改札を通り、システムが変わることになれている俺にはどうってことないのだが、電車に乗るたびに改札の前でおろおろしなければならない母親には世の中の変貌はすごい負担らしかった。

自分でも気がつかないうちに意識って、変わってきている。

<ウイルス流出>大阪電通大大学院生に有罪判決 京都地裁

<虫男>女性の体触った筑波大院生、暴行容疑で逮捕

さて、この2つのニュースには共通していることがある。
適用された刑罰と、やったこととがちょっとずれてるような感じがすることだ。

前者のウイルス君は、ウイルスを流したことが問題なのに、適用されたのは著作権法違反と名誉毀損。逮捕時なんて、著作権法違反のみの容疑だった。
著作権法違反はウイルス中にアニメ画像を無断で使用したからだし、名誉毀損は同級生の名前や顔写真が表示されるようにしたから。
でもどっちもウイルスそれ自体とは関係ないよね。
一方の虫男は、女性に「触った」のに「暴行」。
ま、触るのと殴るのは、程度の問題だから、暴行といっても嘘じゃないけど、
ふつー、こーゆー場合、「わいせつ」とか「迷惑」とかがつく罪が出てくるもんだ。
なぜに「暴行」?

答えは、両方とも、直接に行為を処罰する法律がないから。
ありそうな感じがするのに意外とないのは、実は両方とも、最近になって処罰感情が生じてきた行為だから。
ウイルスについては、特定のコンピュータに向けられたものならともかく、作成、頒布自体を直接処罰する法律がない。
おさわりについては、逮捕の対象となった行為が個人のアパートの玄関先で行われたため、公然性が要求される公然わいせつとか、迷惑防止条例が適用されず、かといって、強制わいせつになるほどの強い暴行は使っていない。
しかし、両方とも「法律がないから」と放ってはおいては世間が納得しないので、とりあえず使えそうな法律を見つくろって適用させてタイーホしたのだ。

虫男の方は、路上でもやっているようなので、後でそっちの容疑を固めて刑法犯なり迷惑防止条例なりに切り替えるだろう。
いわばつなぎとして暴行を使っているから、適用法律が全くないウイルス君とは別の使い方なのだが、それでも路上であろうと玄関先であろうと、女性の胸に触る行為は処罰されてしかるべきだ、という考え方は社会にかなり浸透していると思う。
で、それは多分「性的自由」というよりも「プライバシー」という観点から考えられていると思う。
プライバシーに関する考えは、個人情報の保護の必要性が言われるとともに近年急速に変わってきている。
これというのもネットによる情報流通の発達のおかげであって、
んで、ウイルスはネット社会に関する領域の話なのだ。

つまり、ネットの発達が社会の意識を変え、法律はまだそれに完全には対応していないのだ。

対応しきれていないのは国会のせいとばかりもいえないのだが、とにかく、対応できる法律がないのなら、現場は今までの道具でやりくりしなければならない。
おかげでなんか変な感じに見える捕物帖になるわけだ。

自分でも気がつかないうちに意識って、変わってきている。
# by k_penguin | 2008-05-18 16:06 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(6)
この前、偶然お昼時にテレビをつけたら、斉木しげるが裸でベッドに入っていたので、俺は驚いた。

・・・斉木しげるが、仕事をしているっ!

と、ゆーわけで、シティボーイズだ。
当たり外れがあるシティボーイズ。
公演の前半だと、台詞を憶えていてくれるかが心もとないので、なるべく後半のチケットを取ることにしているシティボーイズ。
できればいとうせいこうみたいなしっかりした人とやってくれればいいなーと思うけど、今回はピエール瀧で、本人はしっかりしてるけど、やんちゃな初老の男3人を仕切るほどではなさそうだから、大丈夫かなー、と、ちょっと心配だったシティボーイズ。

礼儀
# by k_penguin | 2008-05-03 01:35 | エンタ系2(ライブレビュー) | Trackback(1) | Comments(4)
第3 なぜこのように作られたのか


公演の作り手側が、チケットの高額な転売を抑制したい場合、大きく2つの方法があることを前述した
手間も金もかからないが、事実上「お願いするだけ」の効果しかないエコノミー方式。
事実上も強制力をもつことができるが、多くの手間暇がかかるし、運営の舵取りもしなければならないファンクラブ方式。

小林賢太郎やラーメンズの公演に対して、エコノミー方式は以前から採られていたし、この方式のオプションである枚数制限もなされていた。
また、TBSイベントダイヤルに電話して尋ねてみたところ、ファンクラブ方式の採用も検討されたそうであるが、とりあえず今のところ見送られているそうである。
見送られた理由は余り詳しくは聞かなかったが、俺個人としては、キャパが余り大きくない劇場で公演をしている小林賢太郎の場合、この方式で転売規制と新規客参入のバランスを図るのは難しいのではないかと思う。
(劇場規模が大きくないのは、客席との距離感を重視する演者の意向だそうである)

とにかく、ファンクラブ方式は今回採用しない、と。
しかし、転売屋には何かをしておきたい。エコノミー方式をとる以上、「お願い」するしかないとしても、何かをしておきたい。
そこで、今回の措置となったわけである。

・・・と、いうのが、TBSイベントダイヤルの中の人の説明であった。
まあ、それで納得する人がいるのならそれはそれで良かろうと思うのだが、
俺個人としては、どーも、腑に落ちないのだ。
これは、本当に、「お願い」なのか?

マニア
# by k_penguin | 2008-04-23 18:00 | Potsunen Dropチケット問題 | Trackback(1) | Comments(8)

法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


by k_penguin