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誰も語らない政教分離の問題点

夏なので、怖い話を一つ・・・。
いっとくが、これは本当にあった話だ。

俺はご幼少のみぎり、100年以上の歴史を誇る公立の小学校に通っていた。
学校の校庭には、小さな祠だか碑だかがあって、榊が飾られていた。確か単に「弁天様」とだけ呼ばれていた。

ここで憲法を習ったことのある人は「ん?」と思うはずだ。
そう。公立の学校には憲法20条3項、政教分離原則が適用される。敷地内にお社とか祠があってはいけないはずなのだ。
しかし現実にそれはあった。由来はこうだ。

戦前、小学校で流行病があって、たくさんの犠牲者が出た。
学校で御祓いをして貰ったところ、「校門の下に御神体が埋まっている。それを掘り出してしかるべきところにお祭りすればよろし。」
そこで掘り出され、お祭りされたのが「弁天様」だ。
おかげで病の犠牲者は出なくなった。
戦後、新憲法施行に伴って、進歩派の先生方の主張により、「弁天様」は1度取り壊された。
ところが、その直後、不審火が出て、学校は全焼した。
おかげで当時としては珍しい鉄筋の校舎が建ったわけだが、それはそれとして、火事は「弁天様」のたたりだという噂が広がり、いたしかたなく「弁天様」は現在の場所に復活した。
そして現在まで平穏に至る。どつとはらい。


この「弁天様」の由来話は俺が在学中にPTAの会報にちょっとしたこぼれ話として記事になった。誰も憲法なんて気にしちゃいなかったから、軽い読み物程度の意味だった。
ところが、それからしばらくして、某大手新聞が地方版に政教分離と絡めてこれを取り上げた。
俺の母親はかんかんだった。
それは政教分離とは関係なく、つまり、PTAの会報のその記事をを書いたのは俺の母親で、某大手新聞の記事はそれをほとんどパクっていたからだったが。

俺はもちろん小学生で、しかもかなりボケた方だったから、記事をバクられた母親の怒りに興味はなく、また、政教分離なんてわからなかった。
尋ねてみると、法律が「弁天様」を置いていてはいけないと言っているらしい。
そして、驚いたことに、そう言っているくせに、取り壊した後、祟りがあったとしても、誰も責任を取ってくれないらしいのだ。
俺はボケた小学生だったが、祟りは怖かったので、法律というものの無責任さに驚いた。
かくして俺は若くして現実と法の理想の間のギャップを知った。
それは別に俺に何の変化ももたらさなかったが。


いまも俺は、政教分離原則を貫いた結果、祟りが起きた場合の責任の所在について述べられた文献を見たことがない。
だが、その理由は知っている。
祟りというものは法律の守備範囲の外にあるのだ。
法は総てを律するものではない。カミサマとか祟りとかに法律はタッチすべきではないのだ。
これは実は政教分離のいくつかある目的の1つでもある。
この場合、たまたま祟った相手が公立の学校だったため、変な形で2つがバッティングしてしまったのだ。


えーと。
結局あんま怖くなかったな。
ま、ホントの話ってこんなもんだよ。うんうん。
by k_penguin | 2005-08-24 00:56 | Trackback | Comments(27)

ラーメンズ(その1) Stage or TV?

以前新聞で昨今のお笑いブームについてのコメントを読んだら、舞台中心のお笑いとしてラーメンズがあげられていた。それをきっかけに、最近ラーメンズのビデオを立て続けに見ている。

ラーメンズは何年か前のオンエアバトルで知った。そのころのオンエアバトルは面白かったのでよく見ていた。
そのときのチャンピオン大会で230キロバトルほどしか取れなかったラーメンズのネタに俺は大爆笑した(チャンピオン大会はチャレンジャー全員のネタがオンエアされる)。
なぜあのネタの評価が低かったのかまるでわからず、それから何となくあまりオンエアバトルは見なくなった。ラーメンズもそれからオンエアバトルに出ていなかったような気がする。

今回舞台のビデオを何本か見て、なんとなく、あのときのネタが受けなかった理由がわかったような気がした。
そのネタは、友人の家にビデオを返しに来た男と友人が、交互に突発的にいろいろな映画の形態模写や即興芝居をしていくというもので、小道具をまったく、それこそビデオテープ1本も使わずにやっていた。
2人の映画バカが生息するピデオが山積みになった下宿部屋の情景がすぐさま頭に浮かんだ俺は勝ち組で、腹を抱えて笑ったが、その情景を思いつかなかった人はまるっきり訳のわからないままであったと思う。
テレビというのは、どうしても時間が細分化されるし、何というか、全体的にざわついていて、集中しづらい。わからないものはそのまま放置されてしまう傾向にある。情報は始めに全て与えておかなければ理解されない。
そのような中でネタをやるには、あらかじめ下宿部屋だとわかる最低限のセットは必要だったかもしれない。
しかし、それではやっぱり面白くないと俺は思うのだ。
何もない中で、2人の映画バカを想像し、その上で2人がやっている映画にありがちな即興芝居のシーンも想像する。情景と、登場人物の頭の中と、2重の想像をするところが面白かったのだ。

ラーメンズはボケとツッコミが固定されていないし、舞台も簡素なものが多い。見る側の作業量がどうしても増える。5分の持ち時間のテレビには向いていないと言えるだろう。
ただ、見る側の作業量は多いけれど、手際よく整理されているから負担にはならない。理解するうえで必要な情報が的確なタイミングで与えられている。
高い技量の持主と言うことだ。ちっ、うらやますぃ。

テレビだろうが、舞台だろうが、俺のように、見てるだけの側からすりゃ、笑えりゃ何でもいい。テレビ向きのお笑いだけがお笑いじゃない。強いてテレビに出る必要はない。ピタゴラスイッチに出てるしな。
でも、何だろう、これでいいのかなって気もする。
完結しすぎている。そういう印象がある。
なんか外部の者をはじくような、コントという枠の必要十分条件さえ満たしていれば、後は何やろうと勝手だろって言ってるような・・・。
まあこれは単なる印象の問題なんだけど、やり方変えれば、もっと何か別のものが出てくるような、いやそんなこともないような・・・。

まあそんな欲張ることもないか。
見てるだけの側からすりゃ、笑えりゃ何でもいいんだからねえ。
by k_penguin | 2005-08-22 03:59 | エンタ系 | Comments(0)

小泉の郵政解散は不当か

「小泉」って言葉、このブログで初めて出てきたんじゃないか?
・・・ってくらい政治に興味がない俺だ。法律にはあるけど、政治にはないのだ。
だから今さらになってやっとこんな問題について書くのだ。

「不当」という意味にはいろいろある。例えば政治的に妥当でないという意味、法律的に妥当でない、という意味。
この場合、政治的に不当かどうかは俺の興味の範囲外にある。
法律的に妥当でない場合には、法の明文に反する場合、つまり違法と、明文には反しないけれど、法の趣旨からすれば望ましくはない、という程度の意味がある。
今回の解散が、法(この場合憲法)の明文に反するかについては、学説によっては反することになる。
この説は69条限定説という奴だが、これによれば、今回だけでなく、今までの衆議院解散の大半が違憲になる。
だからあまり採られていない。
今回を含めた大半が7条を根拠として解散されている。
7条を根拠としても、内閣が無制限に解散ができるという説は聞いたことがない。
少なくとも、議会と内閣の間の悶着がでかくて、国民に改めて信を問う必要が生じた場合に限定される。
郵政民営化が、国民に信を問う必要があるほどの重大な問題かと言えば、俺的には、どーかなーって思うのだが、小泉さんは国民に信を問う必要があるほどの重大な問題だと言うだろう。

とにかく、郵政民営化が、国民に信を問う必要があるほどの重大な問題でもなければ、解散は違憲ってことになるはずだが、実際上ここで「違憲」ということと「明文には反しないけれど、法の趣旨からすれば望ましくはない」ということは大した違いはない。
なぜなら、解散権の不当行使は裁判の対象にならないからだ。
違法(違憲)であるということが重くとらえられるのは、民事であれ、刑事であれ、行政事件であれ、それが裁判に乗せられ、公権力によって何らかの強制的な執行の対象になる、という事実に支えられている。
裁判の対象にならなければ、強制執行の方法もなく、刑事制裁の術もない。
後ろ盾もないのにただ違憲だと怒鳴ることは「そいやそいや」と言っているのと変わらない。

解散が裁判の対象にならないのは、三権分立に基づいている。解散は高度な政治的判断だから、専門家ではない裁判所が口出しすべきではない、ということ。
じゃあ不当な解散は、どうすればいいのか、というと、政治なのだから民主政にのっとって処理すべきなのである。
つまり、選挙だ。
要するに、解散が不当であろうがなかろうが、結局選挙なのだ。
つーわけで、小泉の解散が不当かどうか、やっぱりどーでもよくて、で、この記事書くのもこんなに時機を失しているわけだ。

ただ、今回だけは久しぶりに選挙に行ってみよーかなー、とは思っている。
郵政民営化ではなく、解散が不当かどうか、の判断のためだ。

・・・でも、票を入れるとこ無いんだよねー、これが。
by k_penguin | 2005-08-20 02:30 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(0)

カンニング竹山から学ぶ個人情報保護の必要性

風呂上がりアイスを食べながらTVをつけたら、カンニング竹山が個人情報保護法について解説していた。よゐこと山口もえ相手に。
実は俺は個人情報の保護ってわざわざ法律でやる必要あるのかなー、と疑問に思っていたので、ラッキーと思って聞いたのだが、やっぱりなぜ保護する必要があるのかは判らずじまいだった。
だいたい竹山は個人情報の定義が示せていなかったのだが、まあ、それは置いといて。

民間相手の個人情報の保護の必要性の話になると、大概出てくるのが、名簿屋の話だ。
個人の住所なら1件いくら、とか、こんな情報まで売り買いの対象になっています、とか。
自分の情報で他人が儲けているとなると、むかつくのが人情だし、俺もむかつく手合いなので、住所の書いてある封筒を捨てるときもちゃんと細かくちぎっている。
しかし、そういうむかつきは法の保護の対象にはならないと思う。他人が儲けてもそれによって直接自分が損をしているわけではないからだ。
実際俺だって、「俺が直接名簿屋に売れば俺に金が入るのに!」とか思っているわけではない。

で、次は名簿屋の手を経由した後の使われ方について。
竹山はダイレクトメールしか挙げていなかった。
ダイレクトメールや勧誘電話の類といっても、ピンキリで、竹山のような債務整理を経験した方に対する街金のダイレクトメールなんかは怪しい香りがするが、まあ、そうでないごくふつーのやつなんかは、破って捨ててしまえばそれまでだし、場合によってはちょうど欲しい物がやってくるときもある(だってこっちの情報把握したうえで出してるからね)。こんなのはむしろ親切と言っていい。
今も昔もダイレクトメールがあるのは、それ相応の成果が上がっているということに他ならない。
それから、最近の使われ方としては、「振り込め詐欺」がある。
家族情報をつかんでいればもう「おれおれ」なんて言わなくて良いし、いろいろ手が込んだ細工も可能だ。
しかし、どちらにしても、取り締まるべきなのは「振り込め詐欺」や街金によるあくどい債権取立であって、個人情報の流通レベルで取り締まるようなことではないと思うのだが。

テレ朝の解説委員によれば竹山の解説はそれほど悪いものではなかったそうだが、俺には「なんか自分の知らないところで知らないことが行われているぞ」という不安感だけをあおっているような印象を受けた。だって、「振り込め詐欺」すら挙げていない以上、竹山の解説に基づけば、実際にやってくるのは結局ダイレクトメールだけだし。
まだおぎやはぎ矢作の郵政民営化の解説の方がましだと思ったのだが。

そこでようやく首相官邸の当該法律に関するページにアクセスした俺だ。
目的は
高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大
→ 個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護
となっている。
「個人の権利利益」ってどの権利について言ってるんだ?まあ多分情報プライバシー権ととらえるべきなんだろうが、何で明記が無いかなー。
で、個人情報保護法制整備の背景、によれば、
外国でやってるところ多いから、という理由と、IT社会の発展によるプライバシー等の個人権利利益侵害の危険性・不安感増大、の2つがメインの理由らしい。
名簿屋は昔からあったが、IT化により今までに比べ遙かに大量の情報をやりとりできるようになった、ということはあろう。
スパムもひどいところはひどいらしい。
しかし、俺に言わせれば当人が不用意にメアドばらまいたりするせいも多分にある。
スパムも来るよりは来ない方が良いが、既に個人情報保護法以前にスパム対策はなされていたはずだ。
「プライバシー等の個人権利利益侵害の危険性・不安感増大」というのは、どうもはっきりしていなくて気にくわない。
「不安感」は法で規制さえすれば消えるというものではない。それは人の心の中にあるものだから、法による処理に馴染まない。
自分の情報管理をしていないという不安感の解消をお上に頼ったりしていると、いずれツケが回ってくると思うのだが。
by k_penguin | 2005-08-14 03:24 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(0)

裁判員は何のためにいるのか

いやもう暑くってさ。考えるのとかめんどくって。
このブログの総コメント数の半分超のコメントがついてるエントリーについて、なんか一言言っておいた方が良いかなー、とか思ってるんだけど、文章になるほど考えがまとまらなくって。

で、とりあえず、久しぶりの裁判員ネタ。朝日新聞に裁判員の模擬裁判の記事が載ってたのを斜め読みしたから。
こういう模擬裁判の事例って、まあ、ありがちな事例で、大体成立犯罪も、量刑もあらかた決まっている。
裁判においては、似たような事例では、同じ犯罪を成立させて、ほぼ同じ量刑にしなくてはならない。これは決まっている。だってそうしなきゃ不公平だからね。
だから、もう最初から、落としどころは決まっているのだ。
ところが、一般人の裁判員にはそれが見えていない。
殺人とはよっぽどのことであり、計画性のある犯罪だけを指すという感覚のある彼らに、衝動的であれ、腹から上を刃物の類でぷすっとやればまず殺人の故意は成立になるという感覚はなかなかなじめないだろう。
これを延々説明してなんとか殺意を認定させ、そして、「量刑」なんてまったく目星もつかないもののために、今までの類似事例の量刑をプリントした紙を渡し、当然それに従って量刑を引き出し、やれやれ一安心、となったら、裁判員側としては、結局何のために自分はいたのか、という話になってしまう。

一体裁判のどの部分に民意を反映させたいのか。どの様な議論を一般人に望んでいるのか。
俺的には、無罪推定原則の厳格な適用くらいしか一般人を入れるメリットを感じていないので、否認事件における証拠の吟味や証明の程度の検討の議論くらいしか思いつかない。
しかし、俺の知る限り今のところ、模擬裁判で否認事件は扱われていない(故意を争うものはあったような気がする)。否認事件の数自体が少ないから、まあ当然と言えば当然だが。
また、一般人は証拠の吟味まで考えないことが多いし、正直、吟味の仕方を知らないまま一方的に証拠能力を否定することをわめかれるくらいなら何も考えないでいてくれ、と思うくらいだ(裁判員制度は「しゃべり場」ではない)。

事実認定の場面、量刑の場面、そして法解釈の場面に民意反映はあり得るのかも含め、どの様な点の議論を望むのかを明確にしていかなければならないだろう。
by k_penguin | 2005-08-07 15:29 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(0)


法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


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