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『TAKEOFF』2007 Take2 ツンデレなシナリオ

小林賢太郎の作品を批評するについての俺のやり方は、
まず、この作品は本来どう作られるべきか、もしくはどう作るのが普通のやり方かということを論じて、次に、なぜ小林はそうしなかったのか、ということについて論ずるという手順で行うことにしている。
今回もこの手順に従う。


まず、本来どう作られるべきかということだが(これは、初演版の方の批評と重なる部分がある)、
自転車-アビル、スクーター-オリベ、フライヤー-シノダ、という3本並列が基本だと思う。
これがもっともテーマが明確になるからだ。

 やりたいことが見つからないまま、かっこだけの自分探しの旅をしているアビルは、現状打開のために何かを成し遂げたいと考えている。
そしてそのために飛行機を作り、離陸には「鉄パイプ」が必要なので、やむなく大好きな乗り物である「自転車」を差し出すことにする。

 Going my wayなオリベは、奥さんが息子を連れて実家に帰ってしまってからは、自分の家族に対する態度に疑問を持ち始め、現状打開のために今の自分に何が出来るのかを確かめたくなる。
そしてそのために飛行機を作り、それには「エンジン」が必要なので、やむなく大好きな乗り物である「スクーター」を差し出すことにする。

 リクツばかりで実践が伴わないシノダは、会社をクビになったが一流会社の肩書きにまだすがっている。現状打開のために、彼は自分のリクツが実地で通用するものであることを確かめたい。
そのためには彼のリクツで作ったフライヤーを飛ばす必要があり、離陸には「仲間が3人」が必要なので、やむなく大好きな乗り物である「フライヤー」を盗み出すことをあきらめ、差し出すことにする。

「物事の前進のためにはある程度の悪が必要」というのは、何かを成し遂げるためには何か切り捨てるものが必要、という意味だ。

話として、押さえるべきなのは、これだけだ。
あとはもうアドリブだろーが、なんだろうが、どんなに遊んでも、この3つを押さえてさえいれば、話に筋が通る。
そうであるはずなのに、この3本立てがはっきり理解されないのは、これはもう、ほぼシノダのせいである。
アビルとオリベについては、作者ははっきり意識して同じパターンで作っているが、
シノダに関しては、同じパターンでは作っていない。
しかし、シノダがフライヤーを盗み出すことをあきらめることにより「仲間が3人」得られる、というつながりがあることだけは、はっきり打ち出している。

小林はなぜシノダだけ別の扱いをしたのか。




乗り物との関係で、アビル、オリベとシノダとの違いは、シノダは総じてフライヤーに対して素っ気ないと言うことだ。
シノダは飛行機全般が好きであることは公言しているが、フライヤー「HAE」はやはり他とは違う特別な飛行機であるはずだ。
そうであるのに、それを思わせる台詞はない。
フライヤーを盗もうとする動機についても、「金が欲しかったから」と「フライヤーが壊れるのが嫌だったから」で、なぜ壊れるのが嫌かと言えば、「好きだから」ではなく、それが自分の理論を実現してくれるものだから、壊れることは失敗を意味する、と述べている。
この素っ気なさは初演版よりも2007年版の方がよりはっきりしている。
初演版の方では、フライヤーに「HAE」という名前を付けるに至るやりとりが2007年版よりも長く、そこでシノダは、自分はあまり名前なぞに興味がないように振る舞いながらも、「『HAE』が『うまい棒』か、どっちかだ」と、最終的に自分が発案した名前になるように巧妙に場をもっていっている。
この辺、小林賢太郎らしいと思ったのだが、2007年版では、これがばっさり切られていて、あっさり名前が決定している。

シノダがフライヤーに特別な思い入れがないのなら、それは「大好きな乗り物」ではないのだから、アビルやオリベと同列にあつかえない、と言うことになろう。

しかし、シノダがフライヤーを好きではない、というのは、いかにもおかしな話だ。
好きでないわけはないのだ。
つまり、これはどういうことかと言えば、ひらたく言って、
シノダはツンデレなのだ。
しかも、シノダだけならばともかく、作者までツンデレに振る舞ってしまったのだ。

シノダがフライヤーを盗もうとする動機は分かりにくくて言い訳めいている。
金だと言ったり、壊したくないと言ったり、しかも金は金でも、生活費ではなくて、「世界一周を実現するため」とか唐突な理由を持ち出している。
これは、「好きだ」の一言が言えない、いや、シナリオに書けないためなのだ。
言い訳のために、ごちゃごちゃいろんな理由を持ち出し、成り行き上、金持ちのバイヤーとかいう人まで出してきた。だから、バイヤーの存在感が希薄なのだ。
フライヤーが自分の理論を実現してくれるものだということと、フライヤーが好きだと言うことは何ら矛盾するものではない。
シノダは飛びたかったが、失敗が怖かった。この「怖い」というのは2007年版で初めて出てきている。
怖いがために、シノダは裏切ろうとした、という方向で作者は話を固めることにしたらしい。
失敗が怖いのは事実だが、しかし、怖いなら一人逃げだせば良い話で、なにもフライヤーを盗む必要はない。なにより、それだと、アビル、オリベとの3本立が成立しなくなる。

作者はアビル、オリベ、シノダの3本立を頭に置いていなかったわけではないと思う。
頭にあったから、わざわざ自転車とスクーターを出して乗り物づくしにしたのだ。
ただ、シノダについては、フライヤーへの「好き」がはっきりではなく、ほのかに香る程度にとどめておきたかった。
ツンデレらしい思考だと思うが、あいにく、初演版ではほのかに香る恋心は読み取ってもらえなかった。
そこで、2007年版ではほのかに香る恋心までも全削除してしまったのだ。
はっきり「好き」というよりもその方がましと考えたのだ。
てゆーか、「好き」なんて、もう、ありえなーい!って感じ?
・・・まあ、ツンデレらしいことだが、決して賢い選択ではないと思う。
実際の恋のやり方としても、シナリオ作りとしても。



シノダとフライヤーが他の2人のようにうまくいかない理由はもう1つある。
自転車とスクーターは、お別れの際にそれぞれお願いをする。
自転車は「僕の一部を身につけて」、スクーターは「母さんを、頼む。」
これを言っているのは実際はもちろん乗り物達ではなくて、アビルとオリベなので、これらのお願いは、乗り物に仮託した、人間達の望みだ。
2人は「離陸したい」わけだが、離陸によって、最終的に何を望むのか、という、より具体的な望みだ。
自転車(アビル)は「僕を忘れないで」。スクーター(オリベ)は「家族を守りたい」。
乗り物達の願いは、最後のシーンで叶えられる。
アビルはナットのペンダントをもらう。オリベには軽トラが息子を乗せてやってくる。
では、シノダは何を望むべきなのか?
初演版では全くはっきりしないのだが、2007年版では「飛びたい」と言っている。
ならば、HAEは「僕は飛びたい」or「僕を離陸させて」と願うべきであり、そうすれば、最後のシーンでのありえねーテスト飛行一発合格の理由にもなる。
この話においては、乗り物の望みはかなうべきものだからだ。

しかし、結局HAEは語らないで離陸だけする。
結果、お話にしてもちょっと出来すぎだなあ、という印象になってしまう。
なぜシノダだけこうなってしまうかというと、アビルとオリベの場合は「離陸して、ここを目指したい」という飛ぶ次の段階について言っているのだが、シノダは「飛ぶ」段階で止まっているためだ。
飛んでどこを目指したいのか、シノダは実はわかっていないし、作者もわかっていないのだ。
分かっていないものは書くことができない。
(その意味でシノダの「世界一周したい」は嘘ではない。目的地が分からなければ飛び続けるしかない。)

初演版では「飛びたい」すら言っておらず、2007年版ではオリベがシノダに「あんたはどうしたいの?」と尋ねていることからして、作者がシノダがどこを目指したいのかについて考えを巡らせたことは間違いない。
しかし、結局分からなかったのだ。
何でわからないかっていうと、ツンデレだからだ。
自分の「好き」を認められない者には、シノダの飛びたい理由も分からないということだ。



なお、シノダのモデルは小林賢太郎自身であると考えているが、それと同時にアビルもオリベもモデルは小林賢太郎自身と考えている。
従って、シノダは小林賢太郎であるが、小林賢太郎はシノダではない。

3人は俺に言わせれば、シノダの告白のシーンまで仲間ではなくて、「単にたむろっている人達」であるが、作者がそれで問題を感じていないのは、3人は所詮同一人物だからだ(初演版では、盗みがばれたシノダは謝罪の言葉すら口にしていないのにまた仲間として受け入れられている)。


以上、ざっと駆け足であるが、この作品のシナリオのあるべき姿についての考察をした。
公演を観て納得いかないものを感じておられる方々の理解の一助になればいいと思う。
Commented by せっきー。 at 2007-11-11 02:28 x
今回も鋭い分析、面白かったです。
素晴らしい会場の空気を味わった余韻に浸っている現在、分析記事を書くのが難しいので私は未だ考え中なのですが・・・
確かに私もこの記事の事が気になっていました。
なるほど・・・ツンデレですか。
なんだかこれを読んでいて、コバケンはシノダを観客それぞれに置き換えても見られるようにしたかったのかなと思いました。
得意の説明不足です。
だからあれだけ観客は盛り上がれるのかなと。
けど、私の本心はツンデレに近いものを感じています。賛成です。
HAEは飛んだけど、踏みきり線一歩手前で幕が降りた感があるのは
コバケンが自信とまだ戦い中なんだと、戦いの過程が見えた気がして、そこは良かったと思います。
次回に期待です。
Commented by k_penguin at 2007-11-11 17:35
せっきー。さん、お久しぶり。
公演を楽しまれたようですね。

>だからあれだけ観客は盛り上がれるのかなと。

思いっきり水を差しますが、
観客が盛り上がったのは、それが最初から盛り上がるつもりで見に来た人達だからです。


>コバケンが自信とまだ戦い中なんだと、戦いの過程が見えた気がして、

確かにコバケンはよく闘っています。ワタシもそう思いました。
特にオリベの進化に、彼なりに外に向かおうとする意思が見られます。

しかし、世の中、頑張っていればいいというものではありません。
普通の客は、バニーのがんばりを見るよりも、
ちゃんとした作品が見たいと思うでしょう。
そのためには演出家1人入れれば済む話です。

一人には限界があります。
離陸には「3人」必要なのです。

3人で1月の作業でフライヤーが飛んだあたりに、ワタシは彼の甘さを見ます。
本当は、26人が5年半かけても飛ばすことはできないくらい難しいんですよ。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/kagoshima/20070925/20070925_003.shtml


・・・なぜかせっきー。さん相手だと、ワタシは説教っぽくなりますねえ・・・。
なんか自分でもヤだなー。
おっさんくさ。
Commented by せっきー。 at 2007-11-12 01:49 x
色々書き込みしたいことがあったのですが、公演が終了してからにしようと思っていましたので、お久しぶりとなってしまいました。すみません。
>バニーのがんばり
確かに。KKPって正直微妙で(笑)あれは小林賢太郎を甘やかす会・「祭」なのだと思っています。それはカテコでコバケンが「初めて観た人も、何度も来ている人も・・・」と言っていたように、自信も認識していることなのでしょう。
でも、解っていても、同じアホなら踊らにゃ損で見てしまう私です。コバケン、昔より丸くなったなーと。
しかし、そこが弱点ですよね。おっしゃる通り。
こちらはお金を払って観に来ている客なので、料金に見合うものを提供してもらえればいいわけで。主催者側が苦労しようが何しようが、こちらは知ったことでないし、見せてはいけないと思います。
で、一度完全に役者として使ってもらっても・・・と思いますが、以前にやって失敗しているので難しいんだろうなと。(大王&G2なんてムリなんでしょうねぇ 笑 向いてない。)
Commented by せっきー。 at 2007-11-12 01:50 x

k-penguinさんが私に説教くさい・・・??のは、たぶん私がコバケンに似ていると発言してしまったせいで、姿がだぶって見えているのでは?(笑)おっさんくさいなんてことはありませんよ。私に可愛げがないだけです。
ホント、キモくてすみません。
Commented by k_penguin at 2007-11-12 21:07
KKPが小林賢太郎を甘やかす会になってしまっているのは、あくまでも結果であって、
コバケンは「おいらを甘やかす会」として作っていません。
彼は「TAKEOFF」を、客が立ち上がって拍手するのにふさわしい作品として作っています。
それが結果、小林賢太郎を甘やかす会になってしまい、
それをコバケン自身が認めているのであれば、
端的に言って、それは「失敗」です。
Commented by k_penguin at 2007-11-12 21:09
役者にしても、そして、演出家を入れるにしても、うまくはいかないだろうな、とは思っています。
コバケンはコバケンしか演ずることはできないし、「現時点での小林賢太郎」しか表現することができないからです。
小林賢太郎の作品は例外なく純粋です。
ワタシが「TAKEOFF」を観るのは、
笑うためでも、クラッピングするためでもありません。
小林賢太郎の心が現時点でどの位置にあるのかを聞き取るためです。
つまり、小林賢太郎のリアルタイム自伝を見に行くのです。
現在でなければ意味がないのでDVDではなく劇場に出向きます。

演出家を入れれば、他人の手が入るので、作品の純度は落ちるでしょう。
でも、もうそれでいい、いや、その方がいいと思います。

ワタシは劇場で観た小林賢太郎の作品のDVDを購入しません。
一度観たものに用はないからです。
「現時点での小林賢太郎」なんてその程度の価値しかありません。
所詮赤の他人のことですし。

でも、ちゃんとした作品を作って作品が「小林賢太郎」から切り離されて独り立ちできれば、
繰り返し見たいと思うようになるかもしれません。
そういう作品を作る方が小林賢太郎にとっても、
問題の解決になると思います。
Commented by S at 2009-07-10 02:58 x
TAKEOFFの記事全部読みました。一言。
穿った見方ですね。ツンデレおじさん?
Commented by k_penguin at 2009-07-10 12:08
Sさん
TAKEOFFの記事、読んでくださってありがとうございます。
この作品は、一番手こずりましたが、なかなかの収穫もありました。
穿ったかいがあった、とワタシ的には思っています。

他の作品についての記事も良かったらドゾー。
Commented by K☆SAKABE at 2009-07-30 14:34 x
今ごろこちらですみません。
あちら(まったり用のエントリ)にコメントするのは、少々気が引けるものですから。

いたるところで「TAKEOFF」についてのコメントを拝見したもので、これは見なければ、と思い立ち、ようやくDVDを購入し(田舎のツタヤにはレンタルされていなかったんで)、先日初見となりました。
KKPにはほとんど興味がなかったもので。

参りました。
降参ではなく、「参ったな」です。
「3,500円返せ!」とも、「見なけりゃよかった」とも言いませんが、このなんとも言えない違和感は何?。
彼は何を見て、どんな芝居に影響されて、これを作ったんでしょう。
この、お金のかかったできそこないの高校演劇みたいな芝居(芝居と言っていいのかな?)で、舞台を語るな!!!!(怒怒怒怒・・・)
な、気分です。
「全国高校文化祭」見て、演出の勉強して下さい。
ベタですが、別役とか鈴江とかの戯曲集読んで下さい。
「そこから?」は、こっちの台詞です。
やりたいことだけやってりゃいいってもんじゃないぞ!
これじゃ「演劇の世界」で、鼻も引っかけてもらえないはずです。
他のKKPも、やっぱり似たり寄ったりですか?
Commented by K☆SAKABE at 2009-07-30 14:35 x
内容云々の前に、もっとお勉強しようよ。
「航空力学」語る前に、「芝居とはなんぞや」ということを、誰かに語ってもらいなさいよ。
だいたい、自分のファンだけ集めて「どーだ、ありがたいだろう!」ていうその態度を改めなさい!
「駄目だこりゃ。」っていうのが、本当正直な感想です。

テレビで、第一線で活躍しているタレントや俳優が、年に何度か演る舞台ならこの程度でも、客乗せて楽しんでも良いとは思います。
でも彼には、後にも先にも「ここ」だけがフィールドなんでしょ。
KKPだけじゃなく、ポツネンにしてもラーメンズにしても、はっきりこちら側の買いかぶり過ぎなんだと確信させないでください。

誰に向ってコメントしてるんでしょう?
Commented by K☆SAKABE at 2009-07-30 14:35 x
セットも照明も、音響(オリジナルなんですよね)も、ふんだんにお金かけられて、それに見合ったものが作れなければ、やめた方が身のためだと思います。
舞台だけで生きていくつもりなら、なおさらです。
「いいもの」が作れなければ、落ち目になった時、誰も付いて来てはくれません。
そんなに甘い世界じゃないです。
今は商業として成り立つから、周りの大人達がつきあってくれているだけです。

ここで言ってても、一文字も伝わらないんですよねぇ。
Commented by k_penguin at 2009-07-30 21:07
K☆SAKABE さん
コメント一読して、吹き出してしまいました…。ごめん。
 てか、ふつー怒るよなあ、あれ見せられたら・・・。

これが小林さんの実力なんですよ。ラーメンズが特別です。
(「愛」おそるべし!)
KKPの出来は、
#1は普通(3Fは面白い)、#2は1番良い出来、#3は疑問だがギリギリセーフか、#4以降は駄作です。(『TAKEOFF』は#5)
ただ、解析的には『TAKEOFF』は一番情報量が多くて興味深く、私もたくさん記事を書いています。
小林さんの中の「愛とお金の関係」についても今のところこの作品が一番核心に近いことを喋っていると思います。
まったり用エントリを読んだなら、この記事に直接書かなかったけど、全力で匂わせていることもわかるかと思います。

>今は商業として成り立つから、周りの大人達がつきあってくれているだけです。

 採算が取れている以上、周囲は危機意識を持たないと思います。
最も危機意識を持っているのはむしろ小林さんかも。
Commented by k_penguin at 2009-08-13 16:16
再演版で初めて加えられたオリベの台詞
「俺が誰かをゆるさないと、俺は誰かにゆるしてもらえないんだ。」
について、みなさんどう解釈されているでしょうか。

この台詞を聞いたときワタシは驚きましたが、その理由は
これまで小林さんの作品には、「自分が誰かに許してもらおうとする」話はあるのですが、「自分が誰かを許す」という概念は出てこなかったこと。そして
「許してもらわなければならない罪」をかぶる人は必ず小林が演じなければならないはずなのに、久ヶ沢さんが演じるオリベがこれをいったと言うこと。
そして、オリベが許してもらいたい人とは、奥さんであり、奥さんに対する謝罪ということは今までの作品には見られなかったこと、の3点です。
全部「深読み」ベースの話です。

ところが、改めてふつーに考えてみると、
オリベがシノダを許すことと、子供の教育をめぐって衝突してきた奥さんがオリベを許すことには何の関係もありません。
仮に「俺はシノダを許したんだから、俺のこと許してくれよ。」と奥さんが言われたら、「はあ?!出直せよヴォケ!」になること請け合いです。
Commented by k_penguin at 2009-08-13 16:17
(つづき)
すごーく緩く考えて善意解釈しますと、
他人を許せるほど心が広くなれば、もっと素直になれるから、(別の他人に)素直に謝ることが出来て許されるきっかけが与えられる。
と解釈できなくもないですが、
だから他人を許そうぜ、というのは、本末転倒と思います。
そーゆー理由で他人を許しても、心が広い人とは言えないからです。

しかし、も1度深読みに戻って更に考えてみますと、
小林さんに必要なのは、まさに「許すこと」であって、「許されること」ではないのです。
裏切られたのは彼なのに、彼は「自分は裏切ってきたのだから、自分に何か言う資格はない」というスタンスです。
裏切られたことを認めないことによって、許すこともしない。
これこそが悪循環に陥った最初の原因なのではないでしょうか。

そうすると、結局オリベの言葉は正しい方向を示唆していることにはなります。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-13 17:28 x
個人的な好みとしてはこんな風に許されるよりも、「殴る蹴るの次元」で事を進めてほしかったんですよね。
怒鳴りあって、罵倒しあって、泣き叫んで、ドロドロのグチャグチャになって、最終的に笑って解決するみたいな。(昭和の青春ドラマ?てな感じで)
その方がずっと、説得力があると思うし、カタルシスも得られるし、見せ場にもなるはずなんですけどね。(昭和の少年少女にしかウケないかもしれませんが)
でもそれをする為には、心を開く必要があるんです。
役柄的にも、役者自身も、すべてをさらけ出す必要があるんです。それを期待できないのは重々承知で、そんな風に思ったりしています。

「俺が誰かをゆるさないと、俺は誰かにゆるしてもらえないんだ。」

この台詞の前に、
「何故そんなに優しいんだ。」
と、シノダがオリベに問いますよね。
これ、作者が「許す=優しさ」と感じているのと同時に、オリベの向こうに人間久々沢の大きさを感じて言わせた言葉のようにも感じるんです。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-13 17:28 x
オリベのキャラで、作者が何も言いたくないなら、「一発殴らせろ」「ごめんなさい」で事足りると思うんですよね。
ある意味、シノダが心を開いた?開こうとした?開いてもいいかな?って感じが見えるのは、小林自身が心を開こうとしている(?)のかな・・・
なんだっけ?
確か最後の最後(千秋楽の前の日?)に、オリベの台詞を変更してたなぁ。
確認します。
それほど、お兄ちゃんに思い入れがあるってことなんだと思います。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-13 19:40 x
なんか答えになってないですね。

小林自身が自分の「小ささ」を自覚できた言葉、「こんな風に、人を許すことができる」と悟った言葉なのかなぁ。
多分自身の中ではわかっていたことなんでしょうけど、それを目の当たりにしたとか、現実に許された経験をしたってことなのかもしれません。
それはやっぱり、オリベ(=久々沢さん)の存在があってのことなのかなぁ。
久々沢さん持ち上げすぎですかね。
それがラーメンズに反映してくれればいいのですが・・・
Commented by k_penguin at 2009-08-13 21:26
>「何故そんなに優しいんだ。」
 うーん、
初演版にはこの問いかけはありませんでしたが、そのかわりオリベはもっと優しかったです。そりゃもう有り得ないくらい。

初演ではシノダがごめんなさいって言っていないことは記事で指摘しましたが、
オリベはフライヤーを金持ちに売ると聞いて、自分は分け前はいただけるのか的なことを言い出し、アビルにつっこまれながら、最後まで未練がある様子でした。
シノダは謝らないでお金が世界一周が云々言ってる。オリベは最初はかっこよく登場しますが、お金ときいたとたんに態度が軟化する。アビルは1人でキーキー怒ってる。
これで次の朝3人そろって「さあ飛ばしましょう」。
最早ぐだぐだの域。

作者的には「ばれる」がヤマで、ばれて正直に自分の気持ちを語った以上「許す」のは疑問の余地のない確定事項だったんですね(あれでシノダは正直なつもり)。
で、再演のときに初めて、「なぜ許すの?」という疑問と向かい合ったのです。
かなり自問自答した跡がありますが、それでもわからなかった。
3人が同一人物だという認識を引きずっていることに気がつかなかったのでしょう。
Commented by k_penguin at 2009-08-13 21:26

久ヶ沢さんに小林さんは確かに頼っているようです。
また、あのお兄ちゃんは小林さんが抱える事情の少なくとも一部に気がついているのではないかとも、私は考えています。
ただ、きついことを承知で言えば、
初演版でシノダが謝っていないことを指摘しないで演じ続けた、という点から、あのお兄ちゃんは余りあてにできないとも思っています。
少なくとも、他人の個人的事情に余り踏み込む気はないようです。
Commented by yuma at 2009-08-14 09:20 x
 あ、こっちでも話が進んでる。

>SAKABEさん
あっちに書いちゃいましたが、私も「殴る蹴る」の展開の方が好みです(笑

>ペンギンさん
「許さないと、許してもらえない」
初見の時は、正直(゚Д゚)ハァ?と思いました(笑
そんな「寛容の輪廻」みたいな思想に基づいた許しってどことなく功利的だし、大体それで奥さんが許してくれる訳ないだろー、って。

でも、許す相手にそう言ってるってことは、「だからお前も許してやれ」ってことなんだろうかと思い、ハテ、シノダは一体誰を許さないといけない?としばらく悩みました。
乗せてくれないHAEか?裏切ろうとした自分自身か?
よく分からないのでそこで止まってました。

彼らが作者の脳内の3側面であると考えると、より興味深い言葉だなぁと今は思います。
Commented by yuma at 2009-08-14 09:25 x
>裏切られたことを認めないことによって、許すこともしない
んー、それって何か「仲直りの仕方を知らない子」みたいですね。
1回のケンカが関係の終焉を意味するから、ケンカ自体を巧妙に「なかったこと」にする、ような。

でも、見ない振りを続けても事実は変わらないんですよね。
瓦解していることを一旦「認め」、その上で「許す」手続きを踏まなければ前には進めない。

・・・うーん、結局彼にとって裏切りって何なんでしょう。
何となく、裏切った当人には自覚すらないんじゃないかという気がしてきました。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-14 11:46 x
>初演ではシノダがごめんなさいって言っていない
>最早ぐだぐだの域。
ということは、許すとか許さないとかっていう件も無かったんですか?
何となくですけど想像できます。
それで次の朝「飛ぶ」?
ありえない!!
多分、初演のアンケートではそこのところ突っ込まれてるんだろーなー。
特に東京の公演では顕著に。
(再演版では、東京に帰ってきてから何度か「ここ」手直ししているようなんです。地方では観光三昧って、飛行日誌には書いてありました。)
シノダが許される理由が必要だっただけなのかもしれません。
penguinさんも、yumaさんもおっしゃるように、許されることは決定事項であって、本来作者の中では許される理由なんか必要なかった。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-14 11:47 x
アビルが嘘をつくシノダに向かって、「あんたむいてないよ。」って言いますよねぇ。
「本当のこと言え。」でも「嘘つくな。」でもなく。
これって後に許されるであろう期待感を含んでると思うんです。
「正直に言ったら許してあげるよ。」的な。
それでオリベは有り難いくらいに優しいんでしょ。
シノダは「最初から許されてる」わけですよ。
そりゃそうですよね、すべてが小林賢太郎なわけですから。
(あーら身もふたも無い)
夕べpenguinさんのコメント拝見して、頭抱えて自分なりにたどり着いたのが「これ」です。
作者の考える「優しさの定義」とか、「許される理由」とかいっぱい考えてみたんですけど、どれもしっくりこなかったんです。
「誰かを許さなければ、許してもらえない。」
自分が裏切られて傷を負って、自分が裏切って負わせた傷の痛みを理解して自分の愚かさに気がついた。
だから「俺が悪かった、ごめんんさい。」と言うオリベの言い分?と解釈すればいいのでしょうが、いかんせん小林賢太郎の書いた「言葉」ですからね、そこに何らかの意図を含んでるとは思うんですが、なにぶん「TAKEOFF」自体これだけのものですから。(あ、言っちゃった)
Commented by k_penguin at 2009-08-14 12:44
おー。
「殴る蹴る」支持を集めてますねえ。
ワタシは「おめーらケンカしても何やってもダメだよ」と最初から投げてしまいました。
なんかケンカの仕方も知らなそうなんですよね。
シノダなんていきなりナイフ持ち出しちゃう手合いのような気が。

yumaさん
「許さないと、許してもらえない」も
オリベとシノダが混じったような言葉なので、
作者が考えすぎて脳内で3人が混乱した挙げ句、出てしまったノイズのような言葉かもって思います。
でも、そういう言葉だからこそ、心の奥底の何かを指し示しているような感じもあります。

>結局彼にとって裏切りって何なんでしょう。
 何なんでしょうね。
 大まかに、あいつが絡むアレだぞっていうのはわかるんですが、具体的に詰め出すとわからなくなります。
外部情報が少ないですし、『椿』あたりで1回、『STUDY』前に1回、計2回の波があるというのもよくわからないです(2回目の方は時期から思い当たることはあるけど)。

>裏切った当人には自覚すらない
 ワタシはも少し意地悪な見方で、
 自覚すると面倒なことになるから、自覚しないように無意識にコントロールしてる。
だと思います。
Commented by k_penguin at 2009-08-14 13:01
K☆SAKABEさん
シノダが許される理由は、作者的にいえば「離陸には3人必要だから」なんですよね。
でもって、この劇には3人しか出ていないんだから、
とーぜんシノダが不可欠なわけで。
なんだかなー。

>自分が裏切られて傷を負って、自分が裏切って負わせた傷の痛みを理解して
 そこなんですが、
 オリベは別に奥さんを裏切っていないんですよ。まあ、こっそり息子と相撲観戦に行きましたが、そーゆーのってシノダと比べられるような裏切りではないです。
「オリベは」奥さんを裏切っていないけど・・・。

SAKABEさんのような解釈をするとなれば、
今まで追ってきたストーリーとはまた別のストーリーが生じてくるのではないでしょうか。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-14 14:20 x
今日はお盆で、なんにもやることないので仕事もせずにこちらにお邪魔三昧です。

penguinさん
>シノダと比べられるような裏切りではない
個人的な意見でごめんなさい。
作者がどう思っているかは別として、私個人として言わせていただくと、オリベの行為は妻にとっては大きな裏切りです。
息子の将来を期待して学習塾(でしたよね)に通わせているつもりが、その月謝で夫と息子が相撲観戦している。
夫は妻に「嘘」をついていたわけです。
お金もうそうですが、妻の期待(夫も同意しているはず)は裏切られたんです。
それで腹いせにスナック「潜水艦」でしょ。(これも個人的に言わせてもらうと、女の自立=水商売 なのかが今ひとつ理解できない)
確かに取り返しがつかないとは言いませんし、話の流れとしてオリベの妻に感情移入することもないので、たいした裏切りではないように思いがち(だって書き込みがないんだもん)ですが、私個人としてはシノダの裏切りと同等と解釈しています。
オリベが嘘をつかれて傷ついたのは確かだし、妻に嘘をついていたのも事実です。
ですから別のストーリーは(面白そうですけど)考えにはありません。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-14 15:54 x
ごめんなさい、もうひとつ。
私の書き込んだ「裏切られて傷を負って、自分が裏切って負わせた傷の痛みを理解」なんですけど、オリベはシノダに裏切られる前から自分の非を認めていますから、この解釈ではオリベの言い分としては成立していません。
すみません。
じゃあ、なんなのか?
わかりません。
卑怯な言い方かもしれませんが、わからないです。
Commented by k_penguin at 2009-08-14 16:53
K☆SAKABE さん
お盆ですねえ。
ワタシも明日からネットのない環境に旅立ちます。

>相撲観戦
言われてみれば、そうですねえ。
あれって1度見るのも高いんでしょ。裏切り度高いかもしれないですね。
子供の独占をめぐる父vs母と考えれば、フライヤーと並行に考えることができますし
(でも、子供の教育って、どっちが独占するかって話じゃないと思うんだけどな。)

>オリベはシノダに裏切られる前から自分の非を認めていますから、
 あらら、そうですか。
『TAKEOFF』DVD持ってなくて、記憶だけで書いているので、オリベ家の事情についてほとんど忘れてるなあ。
頭では非を認めてるけど、心では認めてなくて、奥さんに歩み寄れない状況
 っていうので成立しませんか?
成立すればSAKABEさんの先の解釈でも通りそうですけど。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-15 16:14 x
penguinさん
>ネットのない環境に旅立ちます。
うーらやーましぃー!!!
私は「法事」から帰ってきたところです。

>オリベ家の事情
私も通しては、初見一回きりしか見ていません。
5幕(裏切り)のみ、数回みたかな。
(あれを繰り返し見られるほど、我慢強くありません。て言うか、エンディングは二度と嫌。)
なので、はっきりそうとは言い切れないんですけど、「大人のなのにすっごい怒られた」とか「いろいろと云々」と言っていたのでそうなのかなぁ程度です。(重ね重ねすみません。)
>奥さんに歩み寄れない状況
男の立場から言えば、そうなんですかね。
子供の誕生日プレゼントのフライトの日に、連絡しないこと自体「?」なんですけど。
これはオリベの事情というよりは、作者の事情なのかな?
アビルが気をきかせなくても、オリベ本人が連絡してもストーリー的には問題無いと思うんですけどね。
Commented by k_penguin at 2009-08-17 11:21
帰ってきました。
ネットもテレビもないと、自分は寝てばかりです。

オリベ本人が連絡しないのは、
ワタシの記憶の限りでは、
奥さんが息子を連れて実家に行ってしまったので
息子と話すには奥さんに連絡せざるをえず
それが出来ないために音信不通状態になった
という事情だったように思います。
オリベは「最初は息子のためだったけど、今は自分のため」にフライヤー作りをしたので、
フライトの日に息子がいなくても、まあいっか(でも本当はいて欲しいなあ)
的なスタンスだと認識しています。

>「大人なのにすっごい怒られた」
 ああ、ありましたね。思い出しました。
小林さんらしい台詞で微笑ましかったです。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-17 20:59 x
penguinさん
おかえりなさい。

>「最初は息子のためだったけど、今は自分のため」にフライヤー作りをしたので、フライトの日に息子がいなくても、まあいっか
私としては、子どもと家族を取り戻す(帰ってきてくれーの)手段だったんじゃないの?と思ったんですけどね。
ま、飛ぼうが飛ばまいが、誕生日プレゼントの飛行機はできてるわけだし、壊れても(飛ばない)飛行機なら作り直せるし。

「俺が誰かを許さないと云々」もそうなんですけど、鍵になる(なりそうな)台詞が、言い放しのままで拾われてないんですよね。
「意味のある遠回り」なんて、アビルの自分探しにかけてると思うんですけど全然効いてない。
それとも、思いつきで書いた「ちょっと気の利いた台詞」なんでしょうかね。
Commented by k_penguin at 2009-08-18 00:30
オリベに限らず3人とも「現状打破のきっかけ」のためにフライヤー作りをしているので、
第1次的には、自分を変えたいっつー、内部的ジジョーのためです。
「帰ってきてくれー」は自分を変えた後の将来的な目標だろうと思います。
いろいろ面倒くさ…じゃない、繊細な方のようです。

>鍵になる(なりそうな)台詞が、言い放しのまま
 フライヤー作りの動機が不明のままで作品が進行しているので、
動機らしい言葉に注意して観ていたから
「最初は息子のためだったけど、今は自分のため」
を拾えたのかもしれないとは思います。
それでも理由をちゃんと述べているのって、オリベだけなんですよね。

>「意味のある遠回り」
だって、ゴール見つかってないんだもの。アビルにしてもシノダにしても。
ゴールにたどり着かない遠回りは、道に迷っているのと同じですよ。
そりゃ説得力無いって。
本人的には、ここで「遠回り」が無駄だと認めたら心が折れちゃうから
意味があるんだと虚勢の1つも張らなくちゃならんだろうけど。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-18 12:10 x
訂正します。
>>「意味のある遠回り」
「価値のある遠回り」です。
て、いうか価値ねぇ・・・
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-19 16:22 x
>自分を変えた後の将来的な目標
段階を踏まないと駄目ってことなんですえね。
なんかいちいち面倒だなぁ。

>虚勢の1つも張らなくちゃなんだろうけど
飛んだことでゴール、すべてOKなんでしょうか。
普通飛ばないもんなんですけどね。
失敗して、そこからそれぞれのゴールが見えてくる(それこそ価値のある遠回り)、てのがセオリーだと思うんですけど、小林先生は飛ばしちゃって大団円。
画面に向かって「飛ぶか?」って突っ込みましたからね。
Commented by k_penguin at 2009-08-19 20:27
段階踏むこと自体はまあいいと思うんです。
何か大きなことをするには心の準備が必要ですから。

問題は、このエントリ記事にも書いたんですが
アビルとオリベの場合は「離陸して、ここを目指したい」という飛ぶ次の段階が
一応は提示されているのに対し、
シノダには離陸の後がないんですね。
アビルとオリベの場合も自分を変えた次にどうなりたいのかについての描写が
暗喩的に過ぎてわかりにくいです(自転車とスクーターのお願いという形で描写されてはいます)けど、
シノダのフライヤーはその「お願い」すらしない。
つまり、自分を変えたいとは思っているが、じゃあどうなりたいのかはわかっていない。
とにかく「変わりたい」の一心で話を作ったので、とにかく飛ばさなくてはならなかったのでしょう。
この話の世界の因果律からすれば、
フライヤーがシノダに飛びたいと言わなければ、離陸は出来ないはずなのですが・・・。

とにかくこの作品から後、小林さんはずっとこの調子です。
DROPの毛虫も「蛾にはなりたくない」と言うだけで、
では何になりたいのかについてはわからないままに、ただでっかくなっていましたし。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-20 18:50 x
>シノダには離陸の後がない
優しい見方をすると、教科書の知識だけをひけらかしていた「馬鹿ゴリラ君」に実態が伴った、ともとれなくはないのかな。
船だの潜水艦だの言ってるところを見ると、「味をしめた」ようにも思えるんですけど。

KKPのあり方そのものが、そんな風なんですかね。
「演ってみたら結構うまく行った(ように見える)から、また演りましょ。」みたいな。
Commented by k_penguin at 2009-08-20 21:36
>「味をしめた」
 「教科書の知識」と対立する「実体」って、
知識の使い方を決定するもの、つまりハートです。
フライヤーに好きとも言えない
「馬鹿ゴリラ君」に「実体」が備わったとは思えないです。

それに飛行機は最初から好きですが、潜水艦は別に好きなわけではないようだし、
潜水艦作る(しかも木で)って急に言い出されても、本気とは思えません。
(深読み的には潜水艦は奥さんを指すので、難度は今までより高いし。)

そういえば、
オリベがメロンソーダをたとえに出して、シノダを批判していましたが、
あれの意味がわかりませんでした。
知識だけであれこれいうことを批判しているらしいと言うことは何となくわかるけど、
でも、メロンソーダはメロンの味はしないと思うし。
メロンソーダは無果汁でメロン入ってないし。
そもそもメロンソーダはメロンの偽物じゃなくて、全く別の食べ物だし。
Commented by yuma at 2009-08-21 18:14 x
ペンギンさん
>メロンソーダ
あははははは。確かに。
でも無果汁の分際でメロン「味」を名乗る緑色の甘い液体をもって「メロン」を語るなら、「メロンの偽物」で語るより乖離が大きいからまぁ良いような気もしますが(笑)。なにせオリベのセリフだし。

あと今更ですが
>「裏切り」
そうですね、確かに意識的/無意識的に「見えない角度」に追いやることで「気づかない」ままやり過ごそうとしているのかも。何となく「アレ」。1つは広告批評でちょっと言及していた辺りですかねぇ。

SAKABEさん
>実態が伴った
シノダは確かにあれで味をしめている気がしますが、よく考えたらあの場合、「実態が伴った」のは彼自身でなく「教科書」の方のような気がしなくもなく・・・。
知識って「如何に現実に合わせて活用できるか」が腕だと思うのですけどね。だから最初は飛ばなくて、乗り気じゃなかったはずのシノダが最終的に一番ムキになって試行錯誤してても良かったのにな、と個人的には思います。
Commented by k_penguin at 2009-08-22 00:45
うーん
メロンソーダのやりとり自体を忘れてしまっている・・・。
オリベが折り尺でメロンソーダ作って、何か言って、
で、シノダが
「メロンソーダ飲んで、「メロンみたいで美味しいー」とか言うバカ」みたいな事言いかえして
で、最終的にゴリラの話になって・・・?

あれって、結局、メロンソーダは何を指していて、メロンは何を指しているんですかねえ?
Commented by yuma at 2009-08-22 09:02 x
ペンギンさん
〉メロンソーダ
何か気になったんでもっかい見てみました。
・・・オリベじゃなくてシノダの台詞でしたねあれ(汗) しかもメロン食べてメロンソーダ。色々勘違いですみません。

アビルが「ライト兄弟が戦闘機見たら」とか言うのに、シノダが「今の君はメロンを食べてメロンソーダみたいで美味しいって言ってるバカ女」「実態を知らないのにあまり語ってくれるな」って言って、オリベが「お前はメロンソーダを飲んでもいないのに感想言ってるバカゴリラ」ってシノダに言う流れでした。

あれ?ホントだ意味がよく分からない(汗) ポツネンの「絵みたいな風景」「MP3プレイヤーみたいに綺麗な音」の延長なんでしょうけど。
Commented by k_penguin at 2009-08-22 12:34
あーそうだ
「メロン食べて、メロンソーダみたいで美味しいというバカ」が正しいのか。
どっちにしろ、味は似てないからなー。
サッポロポテトバーベキュー味の方がまだわかるんだよな。
「実態を知らないのにあまり語ってくれるな」っていう流れで使っているのだから、
メロンとメロンソーダは格が違うから比較する物じゃない、ということですよね。

じゃ「メロンソーダを飲んでもいないのに感想を言う」ってどういう意味だろ。
メロンソーダにはメロンソーダなりの良さがあるってことなのかな?
でも、メロンソーダなりの美味しさがあっても、それはB級グルメというやつで、
メロンと格が違うとされることには変わりないですよね。

「絵みたいな風景」にしても、
絵は風景をただ模倣したものではなくて
風景に基づいてはいるけど、画家の内面をも表した
風景と別個の物で、その間に格の上下はないですよね。
でも、絵をメロンソーダ、風景をメロンととらえなければ、「絵みたいな風景」っていうギャグ(?)は成立しませんよね。

・・・なんか変ですねえ・・・。
Commented by yuma at 2009-08-22 20:38 x
 >メロンソーダと絵
確かに風景画を「偽物」にするのって「絵(画家)」に失礼な気がしますね。うーん、メロンソーダもサッポロポテトバーベキュー味も絵もMP3も、「本物を語るのに『偽物』を引き合いに出す」くらいの意味かと単純に思ってました・・・。
でもメロンが「実態」ってことは、メロンソーダは何でしょうね。オリベに「お前のは自分の意見じゃなくて教科書の知識」「少なくともコイツは自分の足で自転車こいでる」って言われてたし、「本物じゃないけど本物に届けと何かすること」なのかな。

ちなみに個人的には「バーベキュー味」って一体どの辺がバーベキューなのか日頃から謎です(笑)。
Commented by k_penguin at 2009-08-22 21:34
>「本物を語るのに『偽物』を引き合いに出す」くらいの意味
 そのくらいにざっくりとらえておけばいいんですかねえ・・・。
で、オリベの言うメロンソーダはそれまでのたとえと全く切り離して、
「メロンソーダを語るならメロンソーダ飲んでから言え」
くらいの意味、とか。
でもそれなら、シノダのいう「実態を知らないのに語るな」とさして変わらないですよね(つか、シノダもメロンソーダくらい飲んだことあるだろうし)。
オリベが言いたいことは
教科書の知識だけでわかったつもりにならず、現場で体験してみろ
っていうことになるはずだと思うんですが、
たとえが妙に悪すぎますねえ。
「本物とそれを真似る偽物」って小林さんのキーワードの1つだし、何かバニー的なノイズが入っているふいんき。

>「バーベキュー味」
 あれって、焼き肉のタレみたいな味しません?
その辺がバーベキューなのかなって個人的には思っていたんですけど・・・。
ちなみに、さっきスーパーで見てみたら表記は
「サッポロポテト バーベQ味」なんですね。
バーベキューとは別物だと言いたいんですかねえ、サッポロポテト的には。
Commented by yuma at 2009-08-22 22:44 x
>バーベキュー味
え、あれ焼肉のたれ味なんですか??
「バーベキュー」って、素材も味も結構色々だから。一体何の味を以って「バーベキュー」なんだろー、っていつも思ってたんですよね(^^;
そっか、焼肉のタレかぁ・・・なるほど。「焼肉のタレ味」じゃ味気ないですもんねぇ(笑

そして「バーベQ味」なんですか! BBQ味でもなく。

ていうかスーパーでわざわざ表記を確認しているペンギンさんを想像したらちょっとニヤニヤしてしまいました(・∀・)  すいません(笑
Commented by k_penguin at 2009-08-22 23:48
カルビーのHPを見てしまいました・・・。
以下商品説明から引用

うまさの秘密は“チキンと野菜”!
鶏肉を焼き、野菜と煮込み、生地に練りこむことで、
より素材のうまみやコクを引き出しました。

・・・チキン?
うーーん、この辺が「バーベQ」たる所以か?

あ、メロンソーダは調べていませんよ!
Commented by yuma at 2009-08-24 18:45 x
>バーベQ
調べたんですね(笑
え、鶏肉なんですか。何でバーベQ・・・?

>メロンソーダ
買いに行ってみたけど近所のコンビニにはなかったので、調べてみてしまいました。
・・・メロンソーダって、ホントに緑色なだけなんですね!
香料くらい入ってるのかと思ってた・・・あれー?前飲んだメロンソーダはメロンの匂いがした気がするんだけどな・・・。
Commented by k_penguin at 2009-08-24 20:49
メロンソーダの緑色も、メロン由来の緑とはとても思えませんよね。
まあ、メロンの高級イメージを借りているだけだということは理解できるのですが。

・・・えーと、何の話してたんだっけ?
あー
「メロン食べて、メロンソーダみたいで美味しいというバカ」
の話か。

そーゆー人って貧乏舌ではあるけれど、バカっていうのとは違うと思います。
今どきメロンってだけでありがたがって、メロンソーダ見下す奴の方がバカだと思うし。
せめて「桐の箱に入ってるメロン」とか限定つけてもらわないと。

で、仮に自分がメロンにうるさい奴だとして、その自分が絶対自信を持ってお送りした高級メロンが「メロンソーダみたいで美味しい」と言われたら
そりゃムカつくけど、それって「実態を知らないのに語るな」って思うからではなくて、
自分が伝えたいメロンのすばらしさが伝わらなかったからむかつくんですよね。
むしろポケモンジェットの方に似ています。
(飛行機がもつ流線美の良さが伝わらなくて、かわいいポケモンが支持を集めていることへのむかつき)
それに対して「お前のは自分の意見じゃなくて教科書の知識」(オリベ)と返すのは
やはり返答として間違いだと思います。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-24 23:55 x
「TAKE OFF」見なおしてる間に、ゴリラ君の話が何かえらい発展をとげてる・・・
そうかメロンソーダもバーベQ味も、偽物(実態じゃないもの)を言い表すには適当じゃないって言うか、この表現自体間違ってる?んですか。
どうも実態が伴ったわけでもなさそうだし。
作者的には、自身(説得力)あり気ですけどね。(自分の足で自転車こいでるってあたりとか)
もっと言うと「幻の図面」の件、「そこそこ説得力のある話」。
「ラーメンとチャーハンとギョウザのレシピで、レバニラ炒めが作れますか。」
「タイプの違う寄せ集めの図面で、飛行機なんかつくれない。」
って言いたいんだろうけど、それは何も「自動車とモーターボートとオートバイの製造工程で飛行機を作れ」って言ってるわけじゃないんだから、その台詞は説得力を持たないと思うんですけどね。
そこにあるのは、あくまでもそれらしい飛行機の図面なんだから。
それに対してアビルが「説得されそう」になるけど、これはラーメンズの演目でもよく見られる作者の中だけで成立している(作者の都合の良いように役柄に納得させる)状況と同じですね。
(「不透明な会話」なんかまさにそれ)
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-24 23:55 x
1ヶ月で「飛ぶ飛行機」を作る事もやっつけだけど、この本自体もやっつけっぽいんですよね。
練り上げられてないっていうか。
作者の実力なのかなぁ。
前後のスピンオフを画策してる、ってのも無理でしょうね。
これだけ書き切れてないんですから。
本当に、何に影響をうけて「TAKE OFF」書いたのか、本人に聞いてみたいです。
Commented by k_penguin at 2009-08-25 01:51
ゴリラ君の話は、発展しているというよりも、
道草している、という感じです^-^;

>メロンソーダの表現
 メロンソーダとか抜かせば、一応意味は通るんですよ。
シノダが「実態を知らないのに語るな」って言って
それに対してオリベが「教科書の知識だけで物を言うな」つまり、お前だって実態を知っているわけではないだろう
って言う。
観客も何となく、そういう意味だって理解して後はスルーしたと思います。
 
でもメロンソーダとかバーベQ味のたとえはそういう意味にはならないんですね。

>「そこそこ説得力のある話」
・・・あ、そこはワタシも「うーん、そこそこ説得力がある」って思ってしまいました。
「それらしい飛行機の図面」でも、図面の読み方がわかる人が見たら、
「自動車とモーターボートとオートバイ」くらいに見えるのかもしれないなー、こっちは素人なんだから、何とも言えないよねー。
 みたいな。
むしろ、そんな図面でも結局フライヤー作り始めてしまうシノダが謎。
タイプの違う寄せ集めって、嘘だったのかなー・・・。
Commented by k_penguin at 2009-08-25 01:51
>やっつけ
 再演までしているんだから「やっつけ」じゃあ済まされませんよ。
多分作者的には完璧なんだと思います。
作者の内面に必要な要素(観客総立ちの拍手とか)を完備しているという点で。

とにかく、普通の舞台と同じに考えてはいけません。
これは作者のためだけにある舞台だと割り切った方が良いです。

>何に影響をうけて
SAKABEさんのいう意味とは違うかもしれませんが
時期的に言えば、ボーイング747の引退のニュースにヒントを得たのであろうとは思います。
ついでに、初演の時期は、あびる優のカミングアウト事件の後でもあります。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-26 19:51 x
>結局フライヤー作り始めてしまうシノダが謎
ラーメンのレシピでレバニラ炒めじゃなくて、ビーフカレーのレシピでチキンカレーぐらいのノリだったのかなぁ。
だいたい飛行機を作る気に到る動機が「この飛行機をほかの誰かが作ったら悔しい」、ってこと?でしょ。
ラーメンでレバニラ炒めって言ってるシノダの気が変わる動機としては、納得いかないですよね。

>影響
何を見て何に影響うけてもいいんです。
ただ世の中には「よくできた芝居」ってたくさんあるんですよ。
そういうのを見られる環境にあると思うし、情報だって入ってくるでしょ。
周りにイエスマンしかいないのかなぁ。
それとも否定したりお説教したりすると、この作者は壊れちゃうんでしょうか。
Commented by k_penguin at 2009-08-27 00:59
>「この飛行機をほかの誰かが作ったら悔しい」
 多分小林さん個人的に意味のある動機なんだろうと思っています。
ワタシはこのシーンを
シノダさんはなぜフライヤーHAEとおつきあいを始めたのか。
という理由を語るシーンとしてとらえています。
HAEの図面にはそれほど興味あったわけではなかったし、うまくいくわけないとも思っていたけど、
他の誰かが先にやったら悔しい、と思ったから始めたのだ。
という具合。

この図面のシーンは破綻があり杉なんですが、
多分本人的には、ちゃんと全部が何かと対応しているのではないのでしょうか。

>壊れちゃうんでしょうか
 『微妙ハンター』には、
ときどき神経に負担がかかりすぎて倒れちゃって病院に担ぎ込まれている
というような記述がありました。
また、TVをやっていた頃
『完売地下劇場』の雪竹Pは小林さんにすごく怒られたとかで、びびったあまり
出演芸人のうちなぜか小林さんだけ「さん」付けで呼ぶようになってしまい、他の芸人達からブーイングが出ていました。
雪竹Pが何を言ったのか知りませんが、
新人芸人がプロデューサーにそこまで怒るとは尋常ではなく、
やはりいろいろ取り扱いが難しい方ではあるようです。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-27 22:08 x
>やはりいろいろ取り扱いが難しい方
見当はついてましたけど、やっぱり壊れてるんですね。
片桐仁の「賢太郎をいじめるな。」も、それなんでしょうか。

雪竹さんが「小林さんは嫌いです。」とか「怖いんです。」って言っていたのを覚えています。
Commented by k_penguin at 2009-08-28 01:03
むしろその「壊れている」部分と向き合おうとしている姿勢と精神力の強さにワタシは興味を持っています。
彼が彼なりに戦っていることはワタシなりに理解はできます。
まあ、どーゆーゲームのルールに則って戦っているのかは
いまいちわからないんですが。
性格としては、『天才の精神病理』という本で扱われている
ウィトゲンシュタインに関する記述が小林さんと似ていると思います。

『トライアンフ』以降の小林さんの動向は
自分と向き合うことを避けて、なんとか早く体面を取り繕おうとしているようで
あまり好きではありません。
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-28 02:12 x
>ウィトゲンシュタインに関する記述
昔「論考」(?間違ってたらごめんなさい)を何かでかじった覚えがありますが、あまりにも難しくて逃げ出しました。
「言葉にできないこと(?)は示される?」????
精神性とか、神秘現象とかではなくて?、真偽?として?何たらかんたら・・・
・・・すみません。覚えていません。
哲学は脳が拒絶反応です。

>体面を取り繕おうとしているようで
TVやってた20代の頃「大人の事情」が許せなかったのが、今は商業ベースで仕事をしなくてはならなくなって、「大人の事情」の中で生きなくちゃならない自己矛盾みたいなものを抱えてる・・・?
ユキタケさんが「小林さんは本当のことを言うので怖い」みたいなことを言ってたようなきがするんですよね。
その時「この人は大人の事情が通用しない人なんだ」って思った記憶があるんです。
ただ、30代も後半になって、それは無いかなって思いますけどね。

この時間にいろいろ思い出せなくて、眠れません。
Commented by k_penguin at 2009-08-28 12:13
ウィトゲンシュタインの論自体はワタシも理解不能^-^;
偉いのは彼よりも、むしろ彼を評価したバートランド・ラッセルだと思います。

>「大人の事情」
 TVやめたのは「大人の事情」嫌いが直接の動機ではないとワタシは思っています。
なぜなら、そーゆーTV的「大人の事情」に涙ながら従うのは、完売の他の芸人さん達もみんな同じ事だから、
仮にそれが嫌でTVをやめたとすれば、みんなが耐えていることに耐えられなかった「負け犬」ということになります。
負け犬であれば、「TVやめます!」なんて宣言したりせずに、
こっそりフェードアウトしていって、いつの間にかいなくなっているという方法を選ぶでしょう。
TVが嫌いなんてわざわざ宣言したということは、
それを誰かに聞かせたかったということです。

そしてその聞かせたい「誰か」は、「大人の事情」を作っている大人達ではあり得ません。
彼らが小林さんのことなぞ気にもしないことは小林さんも承知しています。
「大人」は初めから小林さんの眼中にないのです。
同じ芸人仲間でもありません。舞台だけで採算が取れない彼らがTVを選ぶのは分かり切っています。

ワタシには1人しか「誰か」の見当はつかないのですが…
Commented by yuma at 2009-08-28 20:21 x
〉「天才の精神病理」
あら、寄り道がいつの間にか病跡学にまで発展してる(笑)
ウィトゲンシュタインはかなり潔癖で気難しい人だったそうですねー

テレビ止めた経緯は茂木さんとの対談でぶっちゃけてましたね
微妙な気持ちになりました
Commented by K☆SAKABE at 2009-08-28 20:30 x
お盆の15日。
KKTVの再放送見たんですよ。(前回も見ましたけど)
そのとき「やっぱりこの人、テレビで育った芸人さんなんだ」って思いました。
テレビの事情、テレビのお約束をちゃんと心得てる。
そつが無い、って言うんですか。(ポツネンとしてではなく、小林賢太郎として)
ま、テレビに出てたことは事実なんでそつ無くこなして当たり前っちゃぁ当たり前なんですが。(最後のネタは違うかな)
でも以前と明らかにちがうのは、そのものさしが小林賢太郎だということ。
NHK側がどこまで譲歩したのかはわかりませんが、OKを出すのもダメを出すのも彼、編集するのも彼、小道具もカメラワークも彼。
そんな印象でしたね。
「テレビをやめた」のはそこだと私は思っています。

>誰かに聞かせたかった
だからお前もやめてくれ。ですか。
Commented by k_penguin at 2009-08-28 23:04
そろそろ『TAKEOFF』から話題が離れてきましたので、
これ以降、TV話とかは
ラーメンズについて語るエントリの方で話を続けたいと思います。
よろしくお願いします。

ワタシはツタヤのレンタル半額期間になったので、やっと『TAKEOFF』を借りてきました。
メロンソーダのあたりとか確認してみようと思います。
(『TAKEOFF』話はこっちのエントリに書きます。)

『LENS』に「好評につき再入荷!」とのPOPがついていたのでビクーリ。

yumaさん
>茂木さんとの対談
 それが載ってる広告批評は持っているんですが、印象無いなあ・・・。
読んだはずなんだけど。
茂木さんがよいしょばかりしていてつまらないと思ったのは覚えています。

K☆SAKABEさん
>だからお前もやめてくれ。ですか。
 いや、ワタシはむしろ自分を止めて欲しかったんじゃないかと思いましたが。
 まあ、よくわかりませんけど。
Commented by k_penguin at 2009-08-30 23:02
メロンソーダのシーンを確認しました。
思ったことのメモをコピペします。(読みにくいかも)

メロンソーダの件
アビルがライト兄弟が戦闘機の制作に関わっていたことを知らないまま
「ライト兄弟が戦闘機見たら(きっと悲しむ)」
と言うことと
「メロンを食べてメロンソーダみたいで美味しいと言うこと」
は、対応していない。
シノダは
実態を知らないくせに語る奴はムカツク、
という点で似ていると言うが、
アビルの感想にも「メロンソーダみたい」にも別に「語る」意図は見えない。
素人の無邪気な感想という方が正しい。
「素人の無邪気な感想」という点では両者は確かに似ているが、それを言いたいならもっと良い例がありそうなものだが。
シノダはそんなことになぜいちいちむかつくのかが疑問。

続いてのオリベの反論
「お前が言ってるのは教科書の意見であってお前自身の意見ではない。」
これ自体はシノダの一番の弱点の指摘なのだが、
シノダの言葉の反論にはなってはいない。
客観的に存在する実態とか事実の話をしているのに対して「お前には自分の意見がない」
と返すことはずれている。
Commented by k_penguin at 2009-08-30 23:11
「物事が前進するためにはある程度の悪が必要」
アビルとオリベの乗り物供出シーンでも使われる重要フレーズだが、
「飛行機は戦闘機、科学は爆弾、インターネットにはエロサイト、出世には袖の下。」ということと
フライヤーの完成のために自転車orスクーターを取り上げられる。
 は対応していない。
 戦闘機、爆弾、エロサイトについては、人類の欲望が技術の発展の原動力となったという意味だが、
フライヤーの完成のために自転車等を取り上げられることにはそういう意味はない。
「出世には袖の下」までくるともっと関係なくなってくるが、これがギャグなのかどうかもわからない。

ただ、理想を現実にするにはきれい事ばかりではなく現実との妥協が必要、という程度の簡単な意味にとらえれば、
全部を(袖の下まで!)統一的にとらえられる。アビルとのやりとりからも、このようにとらえるのが妥当らしい。
(ライト兄弟の心中は戦闘機を作りたくなかったと決めつけることになるが…)
でもそれなら普通に「妥協しろ」って言えばすむと思う。

乗り物の供出は、単なる「妥協」ではない。「妥協」で自分自身を差し出すことはできない。
問題を低い次元でしかとらえていないと思う。
Commented by yuma at 2009-08-31 01:44 x
おぉ、メロンソーダが続いてるw

>実態を知らないくせに語る奴はムカツク
シノダのムカつきは文脈から見ると浮いてるので、多分作者の投影が強いんでしょうね。(いつだったか、作者の「ムカついた話」を読んで「え?そんな細かいことで?」ってだいぶ引いた記憶があります・・・)

ただ、比喩に関してはアビルが「意味が分からない」って突っ込んでるし、作者としても何か引っかかってたのかもしれませんね。ムカつき自体か、比喩の破綻かは分かりませんが。

>ある程度の悪が必要
あー、私も気になってたんです、その表現。
「妥協」だとしても、特に乗り物の供出の理由がそれなのはよく分かりませんでした。

大体、オリベは材木だって無償提供してるみたいなのに、仕事に必要な足であるスクーターまで取り上げて、しかも理由が「ある程度の悪が必要」って何だそれ!?と思って。
シノダが「フライヤーを飛ばすにはどうしても必要なんだ、申し訳ないけど・・・」って懇願するならまだ分かるんですけど・・・
Commented by k_penguin at 2009-08-31 21:31
メロンソーダ、しつこく続きますw
メロンソーダは、なんだか変な比喩だったので、
実は二重の比喩になっていて、二つめの比喩が裏読みに入る糸口になるのではないか
と考えてしつこくしていたのですが、
どうも、単にシノダ(作者?)のムカつきが過ぎて、比喩が辛辣になりすぎただけだったみたいです。

>ある程度の悪が必要
 こちらは初演のときから意味がわからなくていろいろ考えていたのですが、記事に書くほどにもまとまらなかったので、
ブログには今まで指摘していなかったものです。
「トライアンフ」を見て、
・・・こいつ、こっちが思ってるより3倍くらい、物考えてないぞ
 と気がついて、
「単なる妥協」というものすごく雑な解釈を思い切って出してみました。
Commented by k_penguin at 2009-08-31 21:32
この人の場合、結論が先にあるみたいです。
フライヤーは離陸しなければならない。そのためには、シノダの裏切りがばれてシノダはフライヤーを諦めなくてはならないし、アビルとオリベは相棒ともいえる乗物を供出しなければならない。
以上のことは小林さんの中で確定事項であり当然のことであって、理由を問う余地なぞ無いことです。
理由を問う余地がないのに、台本には何か理由を書かなくてはならないので、
よくわからないまま雑にすませたのではないかな、と。

小林さんは「供出する理由」がわからないというよりも、
「なぜ供出する理由を説明しなければならないのか」が、わからないのです。
シノダにしても、「なぜ裏切ろうとしたのか」がわからないというよりも、
「裏切りがばれた後、なぜその理由を説明したり謝ったりしなければならないのか」がわからない。
だから初演版ではシノダは謝っていないのだと思います。
Commented by yuma at 2009-08-31 22:52 x
そうそう!そうなんですよ。
ペンギンさんが言うように、供出する理由が分からないのは彼でなく、私です。
分からないというか、腑に落ちないというか、納得できないというか。
「描きたい話の流れ」は分かるけど、「こっちの気持ち」というか情緒というか感情というかそういうのがついていかないんですよね(前も書いた気もしますけど)。

>供出する理由
うーん。お芝居の醍醐味って、まさにそれがポイントなのではないのでしょうか・・・?
もし本当に分からないんなら、彼はある種卓越したアイデアマンですけど、「お芝居の演出家」にはやっぱりあんまり向いてない気がします・・・
Commented by k_penguin at 2009-09-01 00:51
供出する理由については
彼は言葉で説明できないだけで、
わかっていないわけではないと思います。
彼が描く話のストーリー、世界観、キャラ設定自体は、
わかっていることをうかがわせています。

しかし言葉でちゃんと説明できない以上、「わかっていない」と見なされても仕方がないと思います。
でも多分、わかっていないと見なされても、
バニーくんはあまり気にしないんじゃないかなー、という気も。

彼がやりたいのは
自分はどう行動すべきかの決意表明をして(そして客に拍手してもらって)元気を出すことであって
なぜそう行動するのかの理由を説明するとかいう、テンション下がりそうなことではないっぽいです。
そもそもそんな個人的な理由、赤の他人に説明する義理はないしね。
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-01 01:29 x
脱線しました。
自重。

秋っぽい・・・

自分なりに読み解こうとしてる時に、「それはないよpenguinさん。」って感じです。
とは言え、なんにも書かれていない行間を読もうとするのですが、どこまで行っても「思いつき?」って言う書きようなんですよね。

>「物事が前進するためにはある程度の悪が必要」
これははじめ、冒頭でアビルの青臭い台詞に対してシノダの言う台詞ですよね。(途中端折ってますけど。)
それに対してアビルが、
「嘘も悪意もなく、前に進むことってできないんでしょうか?」
「今にわかる」とシノダ。
このやりとりって普通なら、後々答えが書かれてていいはずなんですよ。
だって、今にわかるって言ってるんですから。
それなのに、アビルは自転車と原付の件で何の抵抗もなくこの台詞を口にしている。
と言うことは、やっぱりギャグですかね。(そんな結論・・・)
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-01 01:29 x
アビルは決して素直で純粋なキャラクターとして描かれているわけではないので(世の中甘く見て自分探しの旅してるわけだから)、特に取り上げる必要もない台詞だと作者は思ってるのかもしれないけど(やっぱりpenguinさん的身も蓋もない見解)、そうゆうとこ中途半端だから話が薄っぺらで行間さえ読み解けない。
シノダの飛行機制作に至る動機は「裏切り」(売って金にする)の部分「悪意」だったわけですが、それが「今にわかる」なのかと言えば違うきがします。

yumaさん
>「お芝居の演出家」にはやっぱりあんまり向いてない
劇作じたい向いてないと思います。
ビジュアルありきで作っているようなので、芝居の作り方が、「アナグラム」でよくやってる、五十音を並べ替えてそれらしい文章にして、最終的に五十音に並べて拍手もらってる手法と同じだと思われます。
penguinさんのおっしゃるように結論が先というか、結論以外の表現は不要なんでしょうね。
普通は結論までの過程が、芝居(物語)だと思うんですが・・・
Commented by k_penguin at 2009-09-01 21:59
いやーSAKABEさん、
メロンソーダの件は、自分からふっといてすいません^-^;
DVDを見直したのですが、この作品、裏とかそーゆーめんどくさい仕掛けは無して、
ただの作者の頭の中で完結してる同人誌レベルの作品ってことで良さそう。
と、思いました。

作者としてメロンソーダのシーンで最低やるべきことは

シノダの「今にわかる」に対応するのは、多分自転車供出シーンでしょう。
少なくとも作者はそれを念頭に置いていたと思います。

シノダの製作参加のあたりもダブルスタンダードです。
最初からフライヤーを売りとばすつもりで制作に参加したのであれば、
当初は嫌がる→「他の誰かが先にやるかもしれない」と言われる→「それは悔しい」と参加を決める。
 という流れは不自然です。
この流れはフライヤーをマジメに作る気があったことが前提になります。

ちなみに「裏切り」は確実に「悪」だと思うのですが、
裏切りはしちゃいけないらしいから
「物事が前進するためにはある程度の悪が必要」の公式は当てはまらず、
だからシノダの裏切りのシーンは他の2人の乗物供出シーンとは別物と扱われたのかもしれません。
Commented by k_penguin at 2009-09-01 22:04
>結論が先
 とにかく「飛びたかった」だけだと思います。飛びたい理由は二の次三の次。
つか、彼にとっては自明のことです。

 "一般に分裂病の素質を持つ人が自立を求めるときには"垂直上昇志向"ともいうべき、即物的、全面的、超越的自立の幻想的願望が奔出してくるものである。
・・・彼らは自己の世界をささやかな局地から築き始め、漸進的に拡大、成熟させてゆく暇がないと感じている。したがって彼の世界全体にわたって今までの"猶予"が撤回されると、彼らは即時的、全面的自立を求めざるをえないのである。彼らは"飛翔"しようとする。" 『天才の精神病理』より

・・・長々と引用しましたが、要するに、
 心のよりどころを失ったら、もう飛ぶしかないのです。
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-02 01:00 x
penguinさん

読み解くべき行間さえ存在しない。
そんな感じです。
すべてが作者の中で自己完結しているというよりは、「こんなもんでいいんじゃない。」って言う次元なのかなって思います。

>とにかく「飛びたかった」だけ
そのことに対して、もっともらしい理由やその後の動向なんてどうでもいいことなんですね。

でもそれでこの芝居が公演として成立するのは、どうしても合点がいかないんですよね。
Commented by yuma at 2009-09-02 17:55 x
ペンギンさん
>結論が先
そもそも公演名が『TAKE OFF』ですしねー。
本当に単に「TAKE OFF」な話なのでしょうけど、うーん。
何か、意味ありげな小説を読んで、ところどころ意味が分からなくて、どういう意味なのかうんうん唸って考えていたら、「ページの最初の文字をつなげて読んだら『僕は離陸したいと心から思っています。飛びます』になる」というオチだった。みたいな拍子抜け感。

SAKABEさん
>劇作にむいてない
あー、確かに(笑
「腑に落ちない装置」を作ることは得意でも、「生き生きとした物語」を編むことは苦手というか・・・
レトリックというか言葉遊びは得意なのに、その骨組みを満たすべき何かが「ない」気がします。
「ある」と仮定すれば「深い」ですが、「ない」と仮定すると「浅い」のかもしれませんね。
・・・あ、また話がずれそうなのでこの辺でやめておきます。

>公演として成立する
需要と供給がマッチしてるなら、もう何をかいわんやって感じもしますけどね。前にペンギンさんが言ってらした、「KKPじゃ、仕方ないな( ´∀`)」で成立しちゃってるんですかねぇ・・・
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-02 18:36 x
yumaさん

>「生き生きとした物語」
やり方によったら『TAKE OFF』って、もっと面白くなる要素はあると思うんですけどね。
本当に飛ぶ飛行機を作って飛ばすなんて、男の子の夢ですからね。
なのになぁ・・・

>需要と供給がマッチ
それが問題なんですけどね。
多分作者には、絶賛の声だけ聞こえてるんだろうなぁ。
うーん、自重!
Commented by yuma at 2009-09-02 19:41 x
SAKABEさん
>もっと面白くなる
そう感じるからモヤモヤするんですかね。
でも、彼は精一杯「面白く」したつもりなんだろうなぁ、とも思うと、「これ以上」を望むのは実は酷なことで、こちらが一方的に期待を募らせすぎているだけなのかもしれないなぁとも思います。

>絶賛の声だけ聞こえてる
かもしれませんねぇ〜。
彼が「拍手で元気出す」と決めている以上、それ以外のことは彼にとって意味をなさないのかなぁ・・・。

で、結局脱線を抑えきれず書いちゃいますけど(笑)、彼は多分、色々なことについて何かしらの「危機感」を抱いているとは思うのですが、それは客観的な意見や感想からもたらされるものでなく、おそらくどこまでも主観的な思考から導かれるものなんだろうなぁと思います。
彼の世界にはあくまでも「彼」しかおらず、そういう意味では観客や論客の「絶賛」も「批判」も、真の意味で彼に「届く」ということは ない のかもしれないなー・・・なんて、ちょびっと思いました。
Commented by k_penguin at 2009-09-02 21:29
K☆SAKABEさん
>読み解くべき行間さえ存在しない。
 私は全部の升目が真っ白の虫食い算を思い出しました。
確か作者本人が「KKPだからこの程度でいいやとは思った」と言ってました。

yumaさん
>本当に単に「TAKE OFF」な話
 本当にそうだし、作者もそのつもりで作ったんだろうけど、
ストーリーとしての骨が抜けたことによって、逆に作者の頭の中のずるずるした要素があちこちで漏れてきているのが、私の興味を引きました。

シノダの裏切りの動機にしても、2つ語られているのですが
(My世界一周プランと、HAEを幻のライトフライヤーとしてコレクションルームに眠らせるため)
ストーリーとしては、動機は最初の1つだけで足ります(生活費はどうすんじゃい!というつっこみは飲み込む)。
シノダも最初の動機しか詳しく話していません。作者的にはどうも動機は最初の1つだけのつもりのようです。
しかし、2番目の動機の存在感が妙に強い。
どうしても「何か」が漏れ出てきているといった感じがあります。
何が漏れているのか、なぜ隠すのか、作者は本当は何がしたいのか。
そして、本当はどうすべきなのか。
私はそれが知りたかったのです。
Commented by k_penguin at 2009-09-02 21:35
SAKABEさん、yumaさん
>もっと面白くなる要素はある
 離陸したい動機をちゃんと書く(動機がないなら作る)とか、
そーゆーレベルのことなら
作者が独善に陥ってるだけだと思うから、
誰かが「そこちゃんと説明しなきゃわかんないよ」
ってちゃんと言えばわかるんじゃないかと思います。
それを指摘する「誰か」が居ないだけなんじゃないかと思われる間違いが多いです。

ただし、シノダがフライヤー好きなのを認めないことは、
指摘しても作者は言うこと聞かないだろうとは思います。
小林さんはそれを意地になって認めようとしないから。

>絶賛の声だけ聞こえてる
 彼は観客にメッセージが「届く」ことを重視していますし、感想アンケートも欲しがります。
 しかし、実際に欲しいのは「届いた感」じゃないかと思います。
アンケートだって、多分クリムゾンメサイアのイラストで十分なんじゃないかと。
いわば、キャッチボールじゃなくて、テニスの壁打ちですね。
ただ、「届いた感」は確かに彼の支えになっているようです。
Commented by yuma at 2009-09-02 23:13 x
ペンギンさん
>漏れているもの
私はこの作品を観てて、何となく彼の「表現」へのスタンス(芸術表現だけでなく、意思表示とか「言葉で言う」こととかその他色々ひっくるめて)が感じられるような気がしていて、
だから、キーワードは「怖い」なのかなぁと理解してました。

>動機を書く
うーん、離陸したい動機を「設定する」ことはできる気がするんですが、「書ける/描ける」かというとまた微妙な気がします。

>「届いた感」「テニスの壁打ち」
発信に対して返信があることの嬉しさは、よく分かりますけどね。

・・・あ、「壁打ち」と「コレクションルーム」はちょっと通底するところがある気もします。
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-03 01:38 x
>それを指摘する「誰か」が居ない
ある意味、絶賛するのは身内なんじゃないでしょうか。
作者本人それを良しとしていないと思いますが、実際身内から批判や否定をされたとしても、きっと受け入れられないと思います。

彼の中にあるのは、どんなに間違っていてもオリベがシノダを優しく許すような、「甘え」なんじゃないかと・・・
その「甘え」の部分は、主役とされるアビルに顕著に見られます。
アビルは作者を投影しているようなので、アビルの「甘え」は作者の「甘え」なのだと思います。
で、もう一人の作者であるシノダがその「甘え」を否定している。
オリベはどこまでも優しい、作者の理想的な「甘え」の対象。

作者は群れることを望んでいたのでしょうか。
必要とされることを望んでいるようには思いますが。

夜中の文章なので、どっか思考が壊れ気味です。
Commented by k_penguin at 2009-09-03 18:47
>動機を書く
 潜在的な動機自体は3人とも既に描かれています。
 3人とも現状を打破する精神的な励みが欲しい状態にあるからです。
ただ、トライの対象が他のどれでもなく、なぜこのライトフライヤーなのか、という点が抜けているだけです。

例えば「恋愛もの」の主人公の女の家庭がほーかいしていて、友人も居なくて街をうろついていて、とても孤独だった、愛に飢えていたとしても
だからといって、その辺の通行人の男をいきなり捕まえたりはしません。
たくさんの似たような男の中からなぜその男を選んだのか、という理由が必要です。

これは「お話」だから必要なもので、現実は恋愛にさしたる特別の理由はないと思います。
運命の赤い糸があっても、最終的には「手近な人間♪」です。
でもお話を書く以上、赤い糸は書かなくてはダメです。
糸の内容はそこそこ説得力があればなんだって良いです。

…ということを
丁寧に説明して、相手も耳を傾けてくれれば、
動機を書くこともできるだろうと思うのですが…
…でもバニーボーイは人の話聞けないからなあ…。
Commented by k_penguin at 2009-09-03 18:49
>ある意味、絶賛するのは身内
 それはある感じですね。
「賢太郎をいぢめるな」とか「何かイヤな事でもあったんですか」
とかのおきまりのフレーズは、両方とも
相手の言う内容を総て無視して全否定する言葉です。
そういう言葉が流通する部分社会って、何だかなって思います。

>「甘え」
小林さんは「謝罪」がわからない。
何か失敗をしたら、無条件で許されるか(甘え)、存在を全否定されるか(甘えの否定)のどちらかしかなくて、中間の妥協点がない。
ライト3兄弟は、1つの目的に向けて結束した社会的な集団ではなくて、甘えで成り立つ「群れている人たち」に過ぎませんが
こうなってしまったのは、作者がそういう集団しか観念できないからであって
別に群れることを望んでいるからではないと思います。
そもそもあの3人の実態は1人の人だから、「社会的な集団」や「謝罪」が観念できないのも理にかなっていることになりますが…。
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-03 23:59 x
>動機
飛ぶ理由は何でもいいのかもしれません。
むしろ必要なのは、どう考えても無茶だと思われるな飛行機制作にかける、情熱とか、意地とか、こだわりとかなんじゃないでしょうか。
そうじゃなければ、夢みたいな突飛な理由で大まじめとか。
飛行機を作って飛ぶことじたい、突飛は夢なわけですから、物語を広げようと思えばいくらでも広げられたと思うんですけどね。

>3人の実態は1人
penguinさん、当初から言ってらっしゃいましたね。
私も、だからシノダは最初から許されていると解釈しましたし。
ま、KKPも作者の脳内世界なのですから、それ以上でもそれ以下でもないわけです。
スタンディングオベーションに満足気な笑顔を見せていても、これでは小林賢太郎はずっと一人ですね。
それもまた、「甘え」の一つであるように思います。
Commented by k_penguin at 2009-09-04 00:53
観客的には
飛行機制作への情熱とか、突飛な理由で大まじめとか、そういうものを期待するでしょう。(あと、そんなお馬鹿さん達を温かく見守る周囲の人も欲しいところです)
何と言っても飛行機製作ですからね。

しかし、作者はそういうものに興味がなかったのです。やれやれ。
あの作品において作者的に一番やりたいことは
自分の頭の中を一度整理して、次の段階にTAKEOFFすることに集中できる心理状態に自分を持っていくことですから
1ヶ月で作った飛行機が一発で飛ぶくらいでちょうど良いのでしょう。
Commented by k_penguin at 2009-09-04 00:53
そんな小林賢太郎を「甘えている」と非難しても、
当人はそれを「自分を全否定した」としか受け止めないだろうから、その非難にはあまり意味はないと思います。

私は別に小林さんと利害関係はないから、小林さんが駄作を連発して採算が取れなくなったとしても、知ったことではありません。
彼が内心に何か問題を抱えていてそれを芝居で解決したいのなら、それをやればいいと思います。
ただ、どうせやるならもっとちゃんと根本から解決して欲しいと思うし、
それに、なんとなくですが
面白い話を見たいという客の要求と小林さんの問題解決は、方向が一致するはずだ
という気がするんですよ。
客の要求と小林さんのやりたいことの方向がほとんど真反対、という今の事態は
どうにも私には不自然に感じます。
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-04 09:05 x
penguinさん
おはようございます。

確かになぁ、飛ぶことがすべてなわけで、情熱や突飛な理由は、エンディングのスイタンディングオベーションより大切じゃないんですよね。

>客の要求と小林さんのやりたいことの方向がほとんど真反対
客の大半が、小林健太郎が何か演るだけでありがたがる現象が、彼のやり方を彼が揺ぎ無いと肯定する理由になっているんでしょうか。(いつの間にそんなありがたい人になっちゃったんだろう。)

個人的には、いつまでも彼のことを好きでいたいと思うから、今のままで本当にいいのか疑問なんです。
「好きな人だけが熱狂的に好き」っていう状態が永遠に続くとも思えないし、「人気は水もの」、浮き沈みしているうちはいいけど今の状態では溺れてしまいかねない。
小林本人が一番理解してる、とするのも、私としては疑問ですね。
Commented by k_penguin at 2009-09-04 12:23
んー、
小林さんは自分のやり方を「揺るぎない」とは思っていないと思います。
むしろ「腑に落ちない」と思っているんじゃないでしょうか。
まさに最近の作品に示されているように。
ただ彼は他のやり方を知らないから、腑に落ちないまま今のスタイルを続けているだけで。

ただ、小林さんが今のままじゃ良くない、と思っている「良くない」の内容は
SAKABEさんの言う「人気は水もの」とかとはあまり関係ないと思います。
「良くない」の内容は、
自分の心が断ち切るべき過去にいつまでたってもとらわれていることです。

・・とまあ、知っているかのように書きましたが、
実際は小林さんもオトナなんだから、経済的なこと含め、もう少しいろいろ考えているかとは思います。
でも、そーゆーことは実際に話を聞いていない私にはわかりません。
私が知るのは作品だけで、
そして、作品を時系列につなげていくと、それは上記のようなことを言っています。
Commented by yuma at 2009-09-04 19:01 x
>ペンギンさん
彼の作品の中では、赤い糸は常に隠匿されている気がしますが、それって描く必要性の理解度からだけじゃない気もします・・・悲観的過ぎますかね?

>方向がほとんど真反対
うーん、どうしてそんなことに・・・。
ていうか、普通そうなったらあっという間に失敗しそうですけどね。興行的にも。
今は一見折り合い付いてるかのような状態に見せれてしまっているだけなのかな。
(だとしたら器用なのも善し悪しな気がします)
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-04 19:48 x
penguinさん

>他のやり方を知らない
だから、やっちゃいけないんじゃないのかなぁ。

「人気は水もの」、は私の勝手な言い分なので、そこ拾われるとちょっとこっぱづかしいかな。
スルーして下さい。

>自分の心が断ち切るべき過去
見てるこっちも、戻ってこない過去を追い求める事を、もう止めなきゃいけないのかもしれません。
Commented by k_penguin at 2009-09-05 01:29
yumaさん
>赤い糸は常に隠匿されている・・・描く必要性の理解度からだけじゃない
 うーん、どうなんですかねえ?その辺私にもよくわかんないです。
『TAKEOFF』だって、アビルがビルの屋上で飛行機の話をした次の日に偶然飛行機の図面見つける。
それだけで十分「赤い糸」になるそこそこの説得力があるんです。
あとはアビルがこれは偶然じゃない、運命の赤い糸だって力説すれば良いだけ。
それくらいなら出来るんじゃないかなとは思うんですが。
もうほとんど出来ているんだから。

>一見折り合い付いてるかのような状態に見せれてしまっている
 小林さんのごまかし能力は、悪魔的にスゴイと思います。
舞台も画的にきれいですしね。


K☆SAKABEさん
 バニー兄さんが他のやり方を覚えられるかどうかは、
これからのヲチ対象ですね。
過去を断ち切らなければ、新しいやり方は見つからないと思うのですが
断ちきれないなら断ちきれないで、
またそれも人生かなと思います。
Commented by yuma at 2009-09-05 14:12 x
ペンギンさん
>悪魔的にスゴイ
悪魔的・・・ホントにそうですね。色んな意味で。
それが故に成功し、それが故に苦しんでいるようにも、見えなくもないです。

舞台はいつも「画になって」ますね。あの美的センスはスゴイなぁと思います。
『TAKE OFF』も、美術的な演出は結構好きです。
逆に、そういう部分は隙なく仕上げてあるだけに、「お芝居」としての空虚感が迫って感じられるのかもですけど・・・
Commented by k_penguin at 2009-09-05 21:52
客の目を引きつけることについては細やかな気配りができていますね。
ただ、自分自身までもごまかそうとしているように見えます。

お芝居も、内容が全くないくだらなさを徹底した話をやるなら良いのですが
(映画「バーバレラ」のように、とってもきれいな絵でとっても下らない話というのは好きです)
なまじ、中途半端にもごもご何か言ってるからなー。
何か言うならちゃんと言って欲しいです。
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-07 18:23 x
>客の目を引きつけること
名だたる劇団をしても、小劇場レベルであそこまでの舞台装置はそうそうお目にかかれません。(大きなプロダクションでもかきわりっきりの時もあります。)
お金かかってます。
エンジン爆発したときの、漫画みたいな煙には感動すら覚えました。

脱線承知でコメントさせていただけば、先日「LENS」を見たのですが、舞台装置には驚きましたね。
さすがに美しかったです。

作者のこだわりと、優秀なスタッフと、収支の折り合いがついてるってことなんでしょうね。
Commented by k_penguin at 2009-09-07 18:43
「LENS」は綺麗でしたね。
若いし。

収支的にはKKPってどうなんですかねえ。
私はそういうことよくわからないのですが、
「TAKEOFF」でぎりぎり(「LENS」は赤字)なんじゃないかなって気がしますけど。
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-08 14:31 x
>収支
どうなんでしょうね。
ポツネンの衣装の仕立てがよくなってるには明らかですけどね。
仕込みやバラシに便利そうな「TAKEOFF」で、輸送費かけても全国回って何万単位の動員するのと、東京と大阪(神戸?)でだけ上演の「LENS」とでは、確かに「TAKEOFF」の方が儲かってそうではありますね。

舞台装置が綺麗なのもそうなんですが、小林健太郎の作り出す舞台ってどこかアナログな感じがするんですよ。
最近の舞台装置はPCで設計するみたいなんですけど、彼の場合は自分で描いて作ってるからなのか、手作り感って言うんですか?
丁寧な手作業(ふう)が随所に感じられます。
でも、決して野暮ったくない。
きっと張りぼてやベニヤ板でごまかすことを許さない、本物思考だからだとは思いますが。
そこら辺の才能というかセンスは、さすがだと思います。
Commented by k_penguin at 2009-09-08 20:20
舞台装置に関しては、ワタシは全くの素人だからよくわからないですけど
SAKABEさんのいう通りだとすれば
舞台の隅から隅までちゃんと頭に入れておきたいのでしょうね。
ラーメンズの簡素な舞台の作り方と基本は同じなのかも。

スタイリストの伊賀大介さんは良い仕事しますね。
teevee graphicsとか田中知之さんとか、
よく組んでいる方達の作品は私も好きです。
Commented by yuma at 2009-09-08 22:29 x
>バーバレラ
む、何でしょうか。検索してみたらR指定の映画が引っかかりましたが、これですか???

>「舞台装置」「手作り感」
ありますねー。実際、『Drop』の「瓶入りトランプ」は本人作らしいだったそうですし。そこまでやるか!(笑)とも思いましたが、そこまでやるからこその、あの「画になる」舞台なんだろうなー。
ちょっと『LENS』も観てみたくなりました。
Commented by k_penguin at 2009-09-08 23:33
>バーバレラ
それです(*゚∀゚)=3
カルト映画として、一部に熱いファンがいるらしい作品です。
R指定なんですか。昔の映画だから大したことないですよ。
ちなみに以下に感想なぞ。
http://shiropenk.exblog.jp/1517001

>『LENS』
ビジュアルを楽しむだけと割り切ればオケかと。
レトロな図書館でオカルト風味の推理もの、という設定に
ワクドキしてしまったら、
期待に反してがっくりする結果になります。
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-09 15:38 x
penguinさん
すみません。調子に乗って言い切ってますねぇ。
KKTVで、とりあえず絵にしてみる的なことを言っていたのでそうなのかなぁ、と思ったぐらいです。
確固たるビジョンができあがってるのは、確かなんでしょうが。

yumaさん
>『LENS』
美しいです。
あれを生で、正面から見たかったと心から思ってます。
あ、芝居は・・・
Commented by k_penguin at 2009-09-09 23:20
まあ実際舞台を設計したのは舞台監督でしょうが、
隅々まで小林さんの意図が反映されていると
解釈しても良いんじゃないかと思います。

世界観は確固たるビジョンがあるんだけど、
お話はへろへろ。という方は
マンガやアニメでも結構見るのですが、
KKPは、ストーリーテリングの能力が初めからないのではなくて
ストーリーは直せばもっと良くなるんじゃないかって感じがして
そこが残念ですね。

・・まあでも考えてみれば
仮に私が『TAKEOFF』を共同演出するとしたら、
絶対にシノダのフライヤーに対する態度を改めさせるだろうし(普通そうする)、
でも、小林さんはその点は絶対に譲らないだろうから、
結局ストーリーが直る見込みはないのかなー・・・。
Commented by yuma at 2009-09-09 23:57 x
SAKABEさん
生だとやっぱり迫り感が違うでしょうねー・・・
ともかく、今度借りてきてみたいです。

ペンギンさん
>マンガやアニメでも結構見る
そうなんですよねー。ありがちと言えばありがちなことなので、「ヘロヘロだな」と思ってオシマイにすれば良いのですが、どうも何かがひっかかります。
でも彼は多分寸分の妥協もなく作り上げているのだろうと思うと、どんなに「良くなる余地」があるように見えても、やっぱりそれは「ない」のかもしれない・・・と、思ったりします。
Commented by k_penguin at 2009-09-10 11:52
ラーメンズのように、1つの話が短いものであれば、
「おかしい」とひっかかるところでも、何か作者なりの考えがあるのかもしれない
と思う余地があるのですが、
KKPは単純ミスと思われる箇所が多いです。
特に『TAKEOFF』初演でシノダが裏切りのシーンで謝罪していないというのは
客前で演ずる前に気づいてしかるべきミスです。

このことに気がついたあたりから、私は
小林さんの「寸分の妥協もない作り」の構成要素には
少なくとも観客にテーマをわからせるという要素は含まれていない
と思うようになりました。

そこの認識を改めない限り、作品が良くなる可能性はないですが
認識を改めさえすれば、作品もすぐに良くなると思います。
Commented by yuma at 2009-09-10 17:34 x
ペンギンさん
>観客にテーマをわからせる
そういえばKKTVでは「視聴者に理解してもらうこと」に相当心を砕いてた気がしましたが(「そんなに説明しつくしてどうするw」という気がするほどに)、舞台ではなぜああなるんだろ。観客は察してくれるはず・・・って認識なのですかね?

ていうか、彼にとっては「他人の意見をきく」こと=妥協、なのかなぁ。

テレビに「妥協」が必要なことは割り切れても、舞台に「妥協」が必要なことは割り切れないのかもなーとふと思いました。

物事の前進にはある程度の「悪」が必要、って自分で言ってるのになぁ・・・
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-10 20:13 x
>ストーリーテリングの能力
着眼点や発想力は、非凡なはずなんですけどね。
10分、20分の「コント」なら、落としさえすればそれなり成立するし、オチがふわふわしてても、新しいとかって言われてきたんですけど、90分程度のお芝居で、起承転結をそれなり踏まなきゃいけないとなると、アダが見えるって感じでしょうか。
言葉が過ぎるかもしれませんが、「所詮、美大出」。
「好き」とか「やりたい」だけでは、こんなものなのかもしれません。
本人が苦しんでないとは言いませんが、世の中の作家と呼ばれる方たちは運や勢いで作家やってないですから。
Commented by k_penguin at 2009-09-10 21:19
yumaさん
>観客は察してくれるはず・・・って認識なのですかね?

 自分の作品が説明不足であることは『LENS』で言及していますが
「全部説明しちゃうと面白くないから」というにとどまり、
それ以上つっこんだ話はしていない・・・と、記憶しています。
『TAKEOFF』の「物事の前進にはry」にせよ、
いろいろ掘り下げが足りないバニー兄さんです。 
お客が拍手してアンケート出しさえすれば兄さんは満足するみたいだし、
「察すること」を客に求めていない感じがします。

KKTVでもラスト、機関車が来たのか来てないのかよくわかんないし
そもそも何でそんなに機関車にご執心なのかもわかんないし、
肝心なとこは説明してくれてない。

彼にとって、表現って誤魔化すこととほぼ同義のように思います。
 客を誤魔化す→客が拍手する→自分が受けいれられたと思う→安心する。
誤魔化して粉飾していない小林さんなんかに、彼自身は何の価値も認めていないようです。
Commented by k_penguin at 2009-09-10 21:19
K☆SAKABEさん
やっぱり長編と短編では、作り方も違ってくるのでしょうね。
KKPは不条理ものじゃないしなー。

でも、こういうのって、
放送作家みたいな誰かサポートしてくれる人がちゃんと居ればそれだけでかなり解決できると思います。
自分に能力がないことなら、能力のある他人にやってもらえばいいでしょう。
それが共同作業です。
そういう共同作業がちゃんと出来ていないっていうとこが
私はイヤですね。
Commented by yuma at 2009-09-10 22:28 x
ペンギンさん
>表現って誤魔化すこととほぼ同義
あぁ、「ない」ものを「ある」ように見せるのは彼の得意技ですね。
「察して」もらいたがるというか、敢えて説明しないことで、客が勝手に想像を膨らませるように仕向けている感じ?
とはいえ、長編たるKKPではそういう手法だけでは誤魔化しきれなくて、色々見えちゃっているのかなと思います。

おそらく彼の美意識としては、説明(=言葉)は少ない程良いのだと思うのですよね。
そしてそれは、他者を「他者として」存在させられないことと繋がってる気がします。

加えて、他人に「他者として」の協力を要請するには、自分が万能でなくても大丈夫。と思える必要があると思うんですが、彼は「向いてなくても頑張れば全体的に何とかなるかも」というところから動けずにいる感じが・・・
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-10 23:43 x
>サポートしてくれる人
多分今の彼のそばには、サポートと言う名の、都合よくよいしょしてくれるブレーンが居るだけのような気がします。(勝手な妄想)
ひどい言い方かもしれませんが、「金」でつながってる感じが否めません。
金ヅル(本当にひどいなぁ)である小林賢太郎にヘソ曲げられたら、とたんに生活できなくなる大人達がゴマすってる図が浮かぶんですけど。(どこまでも勝手な妄想)
すみません。救いがなくて。
もし彼が救われる道があるとするなら、penguinさんのおっしゃる過去との決別にあるように思います。
彼が今の現状に危機感を感じているのであれば、
無条件に受け入れられる熱狂的な客の前でなく、誰も彼のことを知らない客の前(テレビ?)で、新たにラーメンズをやり直すぐらいの覚悟が必要なのかもしれません。
Commented by k_penguin at 2009-09-11 12:49
yumaさん
小林さんは「客が勝手に想像を膨らませる」表現方法しかできないんですよ。
小林さんのメモに関するコメントがあるでしょう。(私がこき下ろしているやつ)
本来告知文として書くものですらあの調子の書き方になって、
おかげで「客が勝手に」メモは禁止だと「想像を膨らませる」結果になってしまっている。
ラーメンズやポツネンみたいな「余白に語らせる」タイプの作品であればそういう表現でも良いけど、
それをそのままより普通の作品であるKKPでやったのが失敗だと思います。

>他人に「他者として」の協力を要請する
 一番のネックは、バニー君が、他人と腹をわって話すことが出来ないところにあるのではないかと思います。
自分の中で会議してるだけ。
結局1人で頑張るしか方法がないから、
「向いてなくても頑張れば全体的に何とかなるかも」と考えざるをえない。
それって、彼が追いつめられているということでしかないと思います。
Commented by k_penguin at 2009-09-11 12:55
K☆SAKABEさん
テレビとは、何らかの形でケリを付けるべきだという気はします。
テレビを止めたことは結果として、彼の決別すべき過去の一部になっている感じがしますので。

ただまあ、テレビ抜きの現状で一応回転していますからねえ(自転車操業?)。
昔のラーメンズのDVDも出たし、このご時世でもそこそこやって行けてるんじゃないかなあ・・・。
そうだとすると、周りが見て見ぬふりの現状維持に走るのも仕方がないかと。
小林さん1人が危機感抱いていても動きようがないと思います。
現実を動かしたいなら、
誰かにちゃんと危機感を説明してわかってもらわないことには何も始まらないかと。

そうでなければ、何らかの形で小林さんの精神的な危機が現実化するのを待つことになりますが、
ところがバニーくんは舞台でうまくガス抜きして、
なかなか大爆発に至らないんですね。
実際ごまかし能力は大したものです。
Commented by K☆SAKABE at 2009-09-11 13:57 x
pemguinさん

商売ですからね。
利益につながりさえすればそれはそれで正解なわけですから、金ヅル(まだ言ってるし)大事にするのは当然といえば当然なんですよね。

>誰かにちゃんと危機感を説明
できないから、ぜーんぶ一人でやっちゃうんだろうなぁ。
そうすることで、自分もまわりの人間も「ごまかし」てるんでしょうね。
Commented by k_penguin at 2009-09-12 01:37
・・・気がついたら、コメントが100超えてました。
話も一応『TAKEOFF』に関しては一段落しているようだし(多分)
これ以降は
ラーメンズの作品とか語り合うエントリ その3
で続けようかと思います。

つーわけで、SAKABEさんへのレスは
あっちにつけます。
以降、よろしくです。
by k_penguin | 2007-11-07 18:50 | エンタ系 | Comments(111)

法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


by k_penguin