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猫を間引く

日経に坂東眞砂子が書いたエッセーについて、ネット界では既に一祭りあったらしい。

「猫を間引く」という言葉があるくらいだから、育てる余裕がないために、生まれたての子猫を殺すこと自体は、珍しいことではないと思っていたが、今では珍しい部類に入るのだろうか。
などと、思いつつ、記事に目を通してみたら、どうも作者の書き方にも祭りの原因があるらしい。
母猫に避妊手術を施すのではなく、産んだ子猫を殺す、という選択の理由が「自分の育ててきた猫の『生』の充実を選び、社会に対する責任として子殺しを選択した」だから、わかりにくいのだろう。

作者の坂東眞砂子の作品は、『死国』の一部をざっと読んだことがあるだけだ。
女のジョーネンがどろどろで、男なんて何か女の自己主張のおもちゃになってるだけみたいで、
(´・ω・) カワイソス というのが感想。
映画の方は逆にヒロイン(名前忘れた。栗山千明じゃない方)がいい子ぶっていて、つまんねー、もっと正直に殴り合えばいいのに、と思ったけど。
とにかく、この作者の世界から推測すれば、「自分の育ててきた猫の『生』の充実」はつまり「出産」だろう。
要は、飼い猫に出産の喜びを味わわせてやりたいので、避妊手術は選択しなかったということだ。
「こんなことを書いたら、どんなに糾弾されるかわかっている。」と、最初からけんか腰にならずに、出産という行為の大切さをもっと丁寧に説明していれば、もう少し祭りにならずにすんだように思うのだが・・・。

猫を殺すガイドライン、については、赤毛のアンシリーズのどっかで、おばあさんが「猫にパーソナリティーが形成される前ならオケ、形成された後はダメ。」ということを言っていた。
もちろんこれは、避妊手術なんて選択肢がなかった頃の話だけど、人間と人間以外の生き物の共存は、どっかでこーゆー線引きをしなくてはならないのだと思う。
だって、人間は他の生き物食べて生きるんだもの。
スーパーなんて、死体パック詰めにして売ってるんだぜ。
Commented by せっきー。 at 2006-08-25 09:54 x
これ、私も読みました。
いきなり「わかっている」という文章から何やらありそうな空気は
察知していましたが・・・。
私は無類の猫好きで、実際に飼っているし、言いたい事は解るけど、書き方の問題なんですよね。
しかし、自分の事は棚に上げて、命の重みばかりを解く最近の傾向? 過敏になりすぎてやしないかと思っています。
Commented by k_penguin at 2006-08-25 13:17
せっきー。さんは猫が好きなんですか。じゃあ、猫の絵なんかも描くんでしょうか。
猫好きが描く猫の絵って良いものできるんですよね。
私は海の動物が好きです。特にペンギンね。

命が大切なのは確かなんだけど、「死」とか「殺す」ってことからとりあえず目をそらしておけばいーや的な考えは論点違ってると思ってます。
必ず死ぬからこそ生きるのが大切なんだと思います。
Commented by ぶう at 2006-08-26 19:21 x
「猫を間引く」にショックを受け
坂東眞砂子さんの記事を読んで、やはり嫌―な気持ちになりました。
私の家にも3匹の雌猫がおり子猫以外の2匹は、避妊手術をしました。子猫も時期が来たら当然手術をします。
「子種を殺すか、できた子を殺すかの差だ。」
その通りですが
「家の隣の崖の下がちょうど空地になっているので、生れ落ちるや、
そこに放り投げるのである。」
「獣の雌にとっての「生」とは、盛りのついた時にセックスして、子供を産むことではないか。
その本質的な生を、人間の都合で奪いとっていいものだろうか」

この人、イタすぎる。
子供を産んで育てることも「生」だろうが。
無節操に避妊もしないでセックスして、望まない子を産んで虐待して殺してしまう人間と同じになれと
猫を飼っている坂東氏にとても興味が湧きました。「死国」読んでみようかな。
Commented by ぶう at 2006-08-26 19:23 x
ところで、うちの3匹の猫は外へ出していません。理由は事故に遭ったり、他の猫から病気をもらったりするのが怖いからです。
が、網戸の内側から恨めしそうーに外を眺めている3匹の丸まった背中を見るたびに
野良猫みたいに自由にさせてやるのが、この子達の幸せなんだろうか。
それとも、えさも不自由なく無防備に寝られる飼い猫が幸せなのか。
悩んでおります。
猫に限らず、動物園、水族館などの生き物を見ていても「どーなんだい?」と問いかけたりしています。
野良猫の寿命は、事故や病気などで5,6年だそうです。飼い猫は10年以上生きますよね。
狭い檻の中で、長生きしても「意味ないじゃん!」と、うちの猫は外を眺め続けているのでしょうか?
Commented by k_penguin at 2006-08-27 00:22
ぶうさんコメントありがとうございます。
実は私、元のエッセイを読んでないんですよねー(読まないでカキコ)。

>子供を産んで育てることも「生」だろうが。
そこがまさに人間と動物の共存の線引きですね。
どうしても人間の勝手に線引きがされてしまうのです。人間の方がエライからですね。

「死国」は多分図書館にあると思います。買うほどの物ではありません。
・・・あ、今回のことで、人気出て、借りられてるかも。
映画は、栗山千明目当てで見ました。ホントは私はホラーは苦手です。

私は日当たりの悪いマンションに住んでいるので、動物は飼いません。
環境が悪くてかわいそうだからです。
昔1度だけ、スーパーで食用の上海ガニ(非正規品)を何気に買って飼ってみたことがあります。
どんなに早死にしても、スーパーに並んでいたほかのどのカニよりも長く生きられるだろうと思ったからです。
カニは1年生きて、脱皮に失敗して死にました。

で、茹でて食べました。

最初からこれを想定していたので、カニに名前は付けませんでした。

まあ、私はこんな感じです。
そういや、「海豹」(『FLAT』)に似たような設定がありましたね。
あっちは名前まで付けてたけど。
Commented by ペンギン666 at 2006-08-28 23:54 x
生の充実で出産させてやろうという主張はまあいいとして、
それじゃあ母猫の子育てや子猫の成長という生の充実は?
という疑問の湧く、なんとも奇妙な主張ですね。
「生まれた子猫を投げ落として殺すのが自分の好みだ」
「自分の飼い猫のことなんだからいいでしょ」
「公表することで叩かれても別にどうとも思いません」
と開き直るほうがまだ筋が通っています。

生命の大切さとかに説明を加わると、胡散臭い印象を受けます。
殺してもいいのか? どんな殺し方ならいいのか?

ペンギンは? 子猫は? クジラは? 牛は? 植物は? 
人間は? 障害者は? 健常者は? 犯罪者は?
投げ落とすのは? 刺し殺すのは? 絞殺は? 銃殺は?

基準は人それぞれの好みでしょうが、
ただ、感情を外に現す動物に、避妊という手段もあるのに、
わざわざ生を与えて、それを奪い取るというのは、
やはり残酷な気がします。
Commented by k_penguin at 2006-08-29 02:36
ペンギン666さん、毎度コメントどーもです。
ブログに書かれているお話では、わりと簡単に人やらなにやら殺しておられるので、ちょっと意外なコメントでした(いぢわる?)。

何が「残酷」で何が残酷でないかは、難しい問題ですね。
憲法上も「残虐な刑罰」とは何かで議論があるくらいですから。

ペンギンも昔はマッコーリー島にペンギン油工場があって、ジェノサイドされました。
今も環境破壊であまりいい目にあっていませんね。
by k_penguin | 2006-08-24 18:54 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(7)

法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


by k_penguin