公衆浴場vs検索連動型広告
2006年 01月 07日
ヤメ蚊さんとこに記事があって、で、なんかまただらだら会話したりして、で、面白いかなって思って、記事かいてみようと思ったんだけど、書いたら、書くの大変なわりにあんま面白くないってことに気が付いたんだよね。
面白いかなって思ったのは、この2つが意外と似てるってこと。
むしろ似ているところを探す方がつらいように見えるけど、実は両方とも、私企業による顧客に対する不平等な取り扱いが平等原則(憲法14条)との関係で問題となる事例。
まず私企業に対する憲法の適用があるかが問題だけど、私人の行為により他の私人の基本的な自由や権利が具体的に侵害されており、かつ、それが社会的に許容しうる範囲を超えていると評価される場合には、憲法の規定は、私的自治に関する一般的制限規定(この場合709条)を通して、私人間の法律関係にも間接的に適用されるというのが判例。
したがって、私企業が社会的に許容しうる範囲を超えて不合理な差別をすれば違法と評価される。
よーするに、やりすぎない程度なら良いけど、やりすぎはダメ。おかんのような理屈だな。
次、「不合理な差別」の内容。平等原則の平等は相対的平等。14条列挙事項は形式的に厳格に解する。
公衆浴場は「人種」にあたり、検索連動型広告は「信条」にあたる。
だからどっちも厳格な判定基準が妥当する。
実は判定基準も同じなんだよね。この2つ。
違うのはここから。具体的適用シーンね。
私人に対する適用って、一般規定を介したり、「社会的に」どうこうっていうのが間に入るから、ここでけっこう匙加減が大きく変わるのね。
公衆浴場の場合は判例がある。
公衆浴場法上、都道府県知事の許可を受けて経営される「公共性を有するもの」であり、「その利用者は、相応の料金の負担により、家庭の浴室にはない快適さを伴った入浴をし、清潔さを維持することができるのであり、公衆浴場である限り、希望する者は、国籍、人種を問わず、その利用が認められるべきである。」(札幌地裁 平14・11・11)。
よーするに、前半は、公衆浴場は知事の許可制である以上、全くの私企業じゃなくて、地方公共団体も経営に口出すよってこと。
後半は、「400円かそこら出せば大きなお風呂に入れるってキチョーなことだし、「公衆」浴場なんだから誰でも入れるはずじゃん。」ってことね。
この後半の論はそのまま検索連動型広告に流用できる。
インターネットはみんなのもの。
2ちゃんねらーあたりが好きそうな言葉だが、表現する場については、この「みんなのもの」は「パブリック・フォーラム」と呼ばれる。
本来道路とか公園とかを予定した言葉だが、ネットだってパブリック・フォーラムにあたるといえよう。
ヤメ蚊さんが強調してるの、この辺ね。「公衆」つながり。
ただし、前半の論は検索連動型広告にはあてはまらない。許可制じゃないし。
公衆浴場の「公共性」とネットの「公共性」は意味が違う。
次に、公衆浴場だって、他の利用客に迷惑をかける利用者に対しては、利用を拒否し、退場を求めることが許されるのは当然である。ただ、安易にすべての外国人の利用を一律に拒否するのが「不合理な差別」になったのである(さっきの札幌地判)。
広告掲載拒否はある特定の言葉を「一律に拒否」したものではない。
この辺が違う。(逆に言えば、特定の言葉を一般の検索対象から外すことは表現の自由侵害の問題となる可能性がある)
そいから「パブリック・フォーラム」もそれ自体が何か表現の規制を禁止する理由になるわけではない。
公園から図書館まで、「みんなのもの」もいろいろだから、結局ケースバイケースになる。
ネットなんて比較的新しいし、検索エンジンそれ自体じゃなくて、広告の部分だけだからその禁止が即パブリックフォーラムの使用の制限になるともいえないし。
えーと、結局、
検索エンジンは許可制でないぶん、公衆浴場より、公共性が薄い。
一律禁止型の禁止ではなく、具体的な話し合いがなされている。
平等原則違反に関してはこの辺が相違点かな。
言うほど「表現の自由」って出てこないんだよね。
これ出すと、逆にネット全体の観点で考えるべきなんじゃないかって話になって、広告が載せられないくらい、パブリックフォーラムの使用の制限とまではいえないんじゃないかって流れになりやすいと思う。
まー、今回の訴訟の主目的は、世論の喚起だから、「表現の自由」っていっといた方が食いつきは良いよね、きっと。
って感じ。
ほらね。面白くないでしょ。なんか記事書くだけ、クマーみたいだよね。
ま、訴訟当事会社名入れなかったから、検索には引っかかりにくいけど。
・・・あ、でも、ヤメ蚊さんとこTB撃つから関係ないか。
面白いかなって思ったのは、この2つが意外と似てるってこと。
インターネット検索エンジンに広告掲載を依頼した者に対し、広告内容に特定の政治的立場からの主張が含まれていることを理由に掲載拒否することと、公衆浴場にきた客にその客が外国人であることを理由に入浴を拒否することの違憲性について比較。
むしろ似ているところを探す方がつらいように見えるけど、実は両方とも、私企業による顧客に対する不平等な取り扱いが平等原則(憲法14条)との関係で問題となる事例。
まず私企業に対する憲法の適用があるかが問題だけど、私人の行為により他の私人の基本的な自由や権利が具体的に侵害されており、かつ、それが社会的に許容しうる範囲を超えていると評価される場合には、憲法の規定は、私的自治に関する一般的制限規定(この場合709条)を通して、私人間の法律関係にも間接的に適用されるというのが判例。
したがって、私企業が社会的に許容しうる範囲を超えて不合理な差別をすれば違法と評価される。
よーするに、やりすぎない程度なら良いけど、やりすぎはダメ。おかんのような理屈だな。
次、「不合理な差別」の内容。平等原則の平等は相対的平等。14条列挙事項は形式的に厳格に解する。
公衆浴場は「人種」にあたり、検索連動型広告は「信条」にあたる。
だからどっちも厳格な判定基準が妥当する。
実は判定基準も同じなんだよね。この2つ。
違うのはここから。具体的適用シーンね。
私人に対する適用って、一般規定を介したり、「社会的に」どうこうっていうのが間に入るから、ここでけっこう匙加減が大きく変わるのね。
公衆浴場の場合は判例がある。
公衆浴場法上、都道府県知事の許可を受けて経営される「公共性を有するもの」であり、「その利用者は、相応の料金の負担により、家庭の浴室にはない快適さを伴った入浴をし、清潔さを維持することができるのであり、公衆浴場である限り、希望する者は、国籍、人種を問わず、その利用が認められるべきである。」(札幌地裁 平14・11・11)。
よーするに、前半は、公衆浴場は知事の許可制である以上、全くの私企業じゃなくて、地方公共団体も経営に口出すよってこと。
後半は、「400円かそこら出せば大きなお風呂に入れるってキチョーなことだし、「公衆」浴場なんだから誰でも入れるはずじゃん。」ってことね。
この後半の論はそのまま検索連動型広告に流用できる。
インターネットはみんなのもの。
2ちゃんねらーあたりが好きそうな言葉だが、表現する場については、この「みんなのもの」は「パブリック・フォーラム」と呼ばれる。
本来道路とか公園とかを予定した言葉だが、ネットだってパブリック・フォーラムにあたるといえよう。
ヤメ蚊さんが強調してるの、この辺ね。「公衆」つながり。
ただし、前半の論は検索連動型広告にはあてはまらない。許可制じゃないし。
公衆浴場の「公共性」とネットの「公共性」は意味が違う。
次に、公衆浴場だって、他の利用客に迷惑をかける利用者に対しては、利用を拒否し、退場を求めることが許されるのは当然である。ただ、安易にすべての外国人の利用を一律に拒否するのが「不合理な差別」になったのである(さっきの札幌地判)。
広告掲載拒否はある特定の言葉を「一律に拒否」したものではない。
この辺が違う。(逆に言えば、特定の言葉を一般の検索対象から外すことは表現の自由侵害の問題となる可能性がある)
そいから「パブリック・フォーラム」もそれ自体が何か表現の規制を禁止する理由になるわけではない。
公園から図書館まで、「みんなのもの」もいろいろだから、結局ケースバイケースになる。
ネットなんて比較的新しいし、検索エンジンそれ自体じゃなくて、広告の部分だけだからその禁止が即パブリックフォーラムの使用の制限になるともいえないし。
えーと、結局、
検索エンジンは許可制でないぶん、公衆浴場より、公共性が薄い。
一律禁止型の禁止ではなく、具体的な話し合いがなされている。
平等原則違反に関してはこの辺が相違点かな。
言うほど「表現の自由」って出てこないんだよね。
これ出すと、逆にネット全体の観点で考えるべきなんじゃないかって話になって、広告が載せられないくらい、パブリックフォーラムの使用の制限とまではいえないんじゃないかって流れになりやすいと思う。
まー、今回の訴訟の主目的は、世論の喚起だから、「表現の自由」っていっといた方が食いつきは良いよね、きっと。
って感じ。
ほらね。面白くないでしょ。なんか記事書くだけ、クマーみたいだよね。
ま、訴訟当事会社名入れなかったから、検索には引っかかりにくいけど。
・・・あ、でも、ヤメ蚊さんとこTB撃つから関係ないか。
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by k_penguin
| 2006-01-07 00:24
| ニュース・評論
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