のまネコvsのまタコ

概略はこちら。
のまネコについては記事を書くつもりは無かった。本当は。
別に法律的な引っかかりは無いからだ。例のフラッシュも俺は1度しか見たことが無い。

エイベックスのやり方には特に問題はなく、この手のことの処理としてはフツーだと考えていた。のまネコは確実にモナーを写したものであるが、フラッシュ作者のわた氏が自分で描いた絵でもある。つまり、モナーとわた氏オリジナルが渾然一体となっているブツがのまネコだ。
エイベックスとしては、以前からあるモナーについては何ら権利主張はする気は無いが、自分が売り出す映像や曲が勝手にデジタルコピーされることは避けたい。
つまり、酒をがぶ飲みしているそいつの「モナーパート」には手をつけず、「わた氏パート」のみに権利を設定したいのだ。
しかし、そのようなことは今の法制度ではできない。そこで、類似の制度を利用するしかない。
大は小を兼ねる。
モナーに似たそいつを「のまネコ」と名づけ、オリジナルとして扱って全体に商標権なりを設定する。ただし、「モナーパート」には自主的に権利行使をしない(純理論的には権利行使できない)。
このようなやり方は、サンヨー電気が商標登録している「デジカメ」という言葉についても採用されている。家電売場などの「デジカメ売場」標記のように、デジタルカメラ全般をさすことが明らかな場合にはサンヨーは文句をいわない。ただ、他のメーカーが「当社のデジカメ」と言う場合は文句を言う。
パワーシャベルで砂遊びをするようなやり方だが、これしかやり方が無いのだ。

エイベックスはタカラギコ事件を知っているはずだ。
タカラがギコを商標登録しようとしたおかげで抗議メールにF5アタックの集中砲火を食らったこの事件はネット発の素材の取扱の難しさを語っている。
タカラとしても、おそらくギコの使用権を独占する意図は無かったであろう。ただ、ビジネスである以上、最低限のコピーは防ぐ必要がある。
AAが公共の知的財産であり、誰でも使用できることを前提としても、誰でも使用できる以上は、タカラが商売に使用することもできるはずである。そう考えただけだ。
しかし、「金儲け」や「抜け駆け」に敏感なネット住民は強い拒否反応を示した。
この分野は法律が整備されていない。法律だけでは問題は解決しない。事実上のケアが重要だ。タカラギコ事件はそれを示した。
では、エイベックスはのまネコについて何らかのケアをしたのか。
早い話が、管理人たるひろゆきとの取引だ。
俺は多分何らかの金銭を伴う取引が存在したと考えていた。今日「のまタコ」を見るまでは。

「のまネコ」に法的な問題は無いのと同じ限度で「のまタコ」にも問題は無い。
ただ、俺に言わせればそのやり方はスマートじゃない。子供の嫌がらせレベルに過ぎない。言いたいことがあるなら、はっきりと言えばいいのに。
それはともかく、俺は「のまタコ」の公開質問状の文章に興味を持った。
この文章は言わんとする内容と、その体裁との間にギャップがありすぎる。まるで何かの雛型にそって言葉だけを置き換えたようだ。
説明文にはエイベックスのコメントを参考にしたとあるが、参考にしたのは、果たしてそれだけであろうか。もう1つ、エイベックス―ひろゆき間の取引の文章も「参考に」されているのではないだろうか。
「勝手ではございますが、7日以内でお返事が頂けない場合は黙認されたと解釈させて頂きます。」
これでエイベックスはのまネコの「モナーパート」の処理を済ませようとしたのではないだろうか。
だとしたら、事実上の紛争処理という観点からは、ちょっと妥当かどうかは疑問がある。
でかい企業のエイベックスは勝組だから、強気に出ても大丈夫という計算があろう。いや、逆になるべく出費を抑えたい事情もあるのかもしれない。いろんなことに手を出してるし。あそこ。
しかし、もう少し慎重にやるべきではなかったろうか。
ネット相手は難しいのだ。

追記 9月30日
その後の展開。
もう十分稼いだから、良いよね、ってとこか。
こーゆー勝ち逃げみたいなやり方が定着すると、逆に良くないと思うけど、対応能力がない奴相手だと仕方がないかもな。

*ついでのおまけ*
126 名前:名無しさん@6周年 投稿日:2005/10/01(土) 03:26:37 YitB/Ejs0
最近のエイベックスの件でもそうだが、2ちゃんねらーを敵に回すと怖い典型の一つだな。

しかし何でちゃねらーは味方としては頼りないんだろう・・・


130 名前:名無しさん@6周年 投稿日:2005/10/01(土) 03:28:13 uBUulJ8M0
>>126
藻前はイナゴの大群が頼りになると思うか?
by k_penguin | 2005-09-26 17:59 | エンタテイメントと法 | Trackback(2) | Comments(2)
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Tracked from ペンギンはブログを見ない at 2005-10-30 13:05
タイトル : のまネコ騒動、多分終結へ
エイベックスは著作権料を受け取らず ひろゆきの見解 一応前にちょっと記事書いたから、その後の展開ってことで書いとくけど、なんかもう、話になんないくらいの低レベル戦。 謝罪した上に著作権料を受け取らないエイベックスは、「新人類」におろおろするおっさん丸出しだし。何やったって燃料投下の意味しかないのに。 おそらくもうどうすればいいか判らなくなって、ひろゆきにお願いしたんだろうな。 このままだと、CD売り上げまで放棄しなくちゃかもしれないしな。 手みやげの1つも持っていったかな。 ...... more
Tracked from 闇 ノ 覇 者 at 2005-12-30 14:05
タイトル : のまネコ問題、未ダ解決セズ -X-
TB先を探して検索して回っていると、「のまネコ問題は終わった」とか「終結した」と 大法螺を吹いているブロ グやHPを見るが、2005年10月12日に犯罪企業エイベックスで出 された、的外れな公式見解の何処が解決したと勘違い出来る所なのだろうか? 元はと言えば....... more
Commented at 2005-10-06 23:02 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by k_penguin at 2005-10-07 01:54
のまタコは商標法と著作権法との関係において問題となり得ます。元のマークは多分商標登録されてると思うから。

商標法的には、需要者(一般の買い手)がこの2つを混同してしまったり、シリーズ商品だと思ってしまったりするかどうかが問題ですが、名前も違うし、多分あゆの兄弟とは思わないだろうから、いーんじゃないかなっと。

著作権法的には、第1に元ロゴが著作権法の保護の対象になるかが問題となります。かなり単純な図形だから。
保護の対象になるとして、のまタコは「引用」として許されるかが問題となります。最高裁判例からすれば否定されるふいんきですが、争う余地はあるところです。
一言で結論を言えば

ビミョー。

でももし実際に裁判になったら勝つ気はしませんが。


法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


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