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三上晴子 「欲望のコード」・「感じる服 考える服:東京ファッションの現在形」

東京オペラシティの展覧会、3本立て。

三上晴子 「欲望のコード」
4FのICCにて。
作品は1つっきゃないので、同じところでの「オープン・スペース 2011」展(無料)とセットで1つという感じ。
実は2回目の鑑賞。1度チケットを買うと、会期中に2回入れるのだ。

俺が高校生の頃、三上晴子はつなぎを着て、鉄の廃材を使ったでかい楽器みたいなもんを作って鳴らしていた。それを偶然覚えていて、名前は「はるこ」ではなく「せいこ」と読む、という誰にも自慢できるあてのない知識も持っていたので、というか、それだけの理由で、会期のかなり前の方に見に行った。
そしたら、客がほとんどいなかったのだ。で、この作品は会場内に客が数人歩き回る状態の方が絶対面白いのだ。

暗くてでかい空間にはいると、カシャカシャカシャ・・・と音を立てて、壁面いっぱいについてる、「未来世紀ブラジル」の迷惑な監視ロボットみたいな目が、白色LEDを光らせながら一斉にこちらを向いた。
こちらが動くと反応するが、動きを止めると、すぐに興味を失って前を向く。
空間中央には、これも動きに反応するカメラが数台。どれもびっくりするほど感度が良く、動きにすぐに反応する。
奥には、トンボの目のようなモニタに、カメラが撮ったらしい映像がめまぐるしく変化しながら映っている。どこか知らんとこの映像(世界中の公共空間にある監視カメラの映像のどれからしい)もある。
しばらく棒立ちになってつっ立ってたら、係員のおねいちゃんがやってきた(もちろんカメラや監視ロボットはカシャカシャ反応した)。
「えー、この作品はー、動きに反応して作動するようになってましてー。・・・」
一連の説明が済み、しばらく2人とも黙り込んだ後、俺は言った。
「・・・で、何が言いたいん?これ」
「・・・監視しゃかい・・・」
「・・・んー。・・・だろうな。」
俺は頭をかいて、監視ロボットの1つがカシッ☆と小さく反応した。

  と、いうのが1回目だった。
出直した2回目は、いくらか賑わっていたので、監視カメラ達が右往左往したり、目の監視ロボット達がなかなか上手い分業をして複数の動く人に対して反応する様を眺めることが出来た。
最新技術を上手に使いこなしていると思う。
でも、やっぱりイマイチ言いたいことがわかんないんだよね。
見た印象では監視社会がテーマかと思うんだけど、チラシや解説本にはそういう風なこと書いてなくて、作者はそーゆーつもりじゃないのかな?とかいう気もする。
「現在の情報化された環境と知覚に生きるわたしたちの新たな欲望とはなにか」を問題意識とした作品なんだそうだけど・・・「欲望」は関係ないような気がするけど。
まあ、普段は意識しないけど今の公共空間ってこんな感じなんだよ。というイメージ的解説、と思えばそれでいいか。


「オープン・スペース 2011」
常連にはおなじみの作品も混じってるけど、毎年面白い。
特に気に入ったのは、がそのもり、トランス・スケール 02 比率の部屋、など。


「感じる服 考える服:東京ファッションの現在形」
3Fアートギャラリー。ICCのチケットで200円割引。

これはNHKで紹介されていたので、予習済。
そうでなければ、単なるファッションショーの延長かと敬遠するとこだった。
もっと混んでるかと思ったが恐れるほどではなかった。服飾系の学生さんぽい人多し。
10組のブランドの展示で、ブランドの服そのものの展示をするとこもあれば、インスタレーションもあり。
テーマもいろいろで、コスプレの手の込んだようなゴスロリ服(h.NAOTO)から、テキスタイルに凝る派(SOMARTA,matohu)、服の型を見直すとこ(ANREALAGE)、バーコードでミュージック(THEATRE PRODUCTS)、なんかわからんけど、服そのものよりスケッチとデザイナーのキャラがバリ3に立ってるとこ(keisuke kanda)等々、
バラエティに富んでいた。
順路を決めないで作品の間に低い梁を設けて、会場を細かく分断した構成は正解だと思った。テーマにまとまりがなさすぎるので、続けてみると混乱してしまうところだった。

観て思ったのは、とにかく洋服作るのって大変なんだなー。ってことと、
作る側はお金よりも大切に思ってることがあるんだけど、買う側の大多数はお金が第1で実はそれほど「おしゃれ」について深く考えないし、考え出すと気軽に買い物も出来なくなるから今後も考えないだろうなってこと。
 でも、これって表現全般に言えることかも。

あとカタログがイマイチ。もっと写真入れてくれ。
by k_penguin | 2011-11-24 00:32 | エンタ系 | Trackback | Comments(0)

法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


by k_penguin