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『黒執事』の作者のブログを読む

うちのブログは小林賢太郎をよくあつかうのだが、小林さんのファンで『黒執事』を見る人が多いような気がしている。
そういう理由で『黒執事』はちょっとだけ興味を持っていた。
「ちょっとだけ」というのは、
本屋で1度手にとって表紙だけ見てまた置く、とか、
寝付けない夜にたまたまTVでやっていたので1話だけ見る、とか、
見たはいいが設定が全く分からず、「ぼっちゃん」と「執事」の関係もわからないので、行きつけの美容室の女性美容師に尋ねて
「さあ?私もタイトルしか知りませんねえ。」とあしらわれる、とか、
その程度だ。

そんなわけで、マンガやアニメを正規のルート以外で入手・閲覧し、そのことを悪びれもせずにファンレターに書く一部のファンに対し、『黒執事』の作者が苦言を呈しているというニュースを読んで
せっかくの縁だからと俺は本人のブログまで行って読んできた。
黒地に白字ですごく読みにくかったので、メモ帳にコピペして読んだ。

内容は、ニュース記事から期待したほどではなく、ニュース記事のほうがましだと思った。
しょっぱなの
アニメ黒執事、およびアニメ黒執事Ⅱの公式配信動画サイト以外での動画サイトによる閲覧は法律で禁止されています。

から、間違っていることで俺は引いてしまった。
改正された著作権法で違法とされたのは「ダウンロード」であって、閲覧そのものではない。

そして、DLも罰則はないので、刑事手続きにのる「犯罪」ではないから、
それは紛れもなく犯罪です。

万引きや無銭飲食と一緒です。

という部分も間違いである。

ロイヤリティで食べている人にしてはお粗末な認識だ、
というのが正直な感想だが、しかしまあ実際はこんなもんだろう。

ただ、ロイヤリティで食べている人の危機感は良く出ていて、その正直さには好感を持った。
その好感が、何かに似ている、と考えて思い出した。
後から出る若い子に追いつかれることに怯えて、つい番組で変な方向にがんばりすぎてしまい、好感度が下がりそうになる悩みを「ロンドンハーツ」で正直に有吉先生に語った上原美優に対して感じた好感と似ていたのだ。


本来作品を好きでいてくれるだけで作者はファンと認めるもので、
その出自が違法コピー品であるか否かは問題とはしないはずだ。
それが建前。
無邪気なファンレターで作者の神経を逆撫でしてくれる人達は、その建前を信じている。

しかし現実は
漫画やアニメを見て楽しむ権利は誰にでもあります。

が、それを作っている我々も人間なので何も食べないで生きていけるわけありません。

食べるためには「お金」が必要です。当然ですよね。

というわけだ。
これを現実からかけ離れた世界を描いている漫画家さんが言ってしまうあたりが面白いわけだが、
ある程度歳を重ねると、見る側もそのあたりは当然心得るようになる。

TVですませるもの、レンタルですませるもの、ソフトを買うもの、グッズまで買ってもいいと思うもの、と、自然にランク分けされる。
つまり、作品への投資というニュアンスも込められてくるのだ。
投資者という立場から見れば、自分の投資がどのように使われるのか知りたくなってくるが、その要望には十分には応えられていない。
ワタシたちは皆さんの娯楽を仕事として制作し、その対価として皆さんから有料動画の視聴料だったり、DVDやグッズ、単行本の代金を支払って頂いてその中からお給料を頂いて生活しているわけです。

民放のTVは無料で見られるが、それは良くて、見逃した回をYouTubeで見るにはなぜいけないのだろう?視聴率とやらが関係するのなら、視聴率を測定する機械が入っているテレビだけが問題なのではなかろうか?
レンタルの回数と作者の収入には関係があるのだろうか?レンタル用ソフトは買い取りなのか、ロイヤリティ制なのか。
作者のいう「お給料」の中には、雑誌掲載文に誤植をする編集の「お給料」も含まれると思うのだが、それについてはお咎めなしなのだろうか?ペナルティとして減額してその分アシスタントに回しても良さそうな気もするが。

俺としては、そのくらいまで答えて欲しかったんだけど・・・
 ま、無理だよね。
大人だからこそ無理って感じもするし。
by k_penguin | 2010-08-19 00:05 | エンタテイメントと法 | Trackback | Comments(0)

法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


by k_penguin