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『グレートラビット』は和田淳の短編アニメーションで、銀熊賞(審査員賞)受賞。
仕事が一段落して、ちょっとアートアニメーションを見たくなったので、見てみた。





Aプログラム
『グレートラビット』と最近の若手アニメーターによる作品。どれも何かしらの賞を取っているので、ざっと見ておこうと思って、見たんだけど、
Youtubeで見るのに適している作品が多く、大画面では無駄に疲れた。

『エクスターナル・ワールド』
2ちゃん型中2病的作品で、17分は長い。「すべてが表層的な現代社会を告発する」と書いてあったけど、むしろ作者が表層的なとこしか見えてないという感じがする。
例えば、タブー無しという割にピカチュウがちゃんと(ミッキーマウスっぽい)お面をかぶって顔をかくして登場するというオトナのジジョーを心得ているとこ、それでいて暴力とSEXは全開でいるとこ。
今では暴力より、無許可のピカチュウの方がよりタブーだったりするとこに気がついてないらしいあたりが「表層的」だと思う。


『ハウス』
空間構成は好み。話はよくわかんない。


『マダガスカル旅日記』
米アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネートにふさわしい作品。見やすい。
技術のデパート。
♪マダガスカルの首都はアンタナナリボ♪


『おなか』
雰囲気が良い作品なので、何となく分かったような気分にはなるが、ちょっと詰めると説明不足が気になる。
オスカーと「友達」の別れに焦点を当てすぎて、なぜそこでそのとき別れなければいけないのかが不明。
「友達」はなぜお兄ちゃんを助けようと言ったんだろう。自分がかわりに犠牲になるだろうことは分かってたろうに。
もうちょっと話をわかりやすくしてもいいんじゃないかって思った。
個人的にクジラさんが好き。


『ホリデイ』
上手だけど。世界の雰囲気は出来てるけど。
でも、
心の弱さをこれでもかとアピールされているようで、生理的にダメ。
個人的にあわない作品。


『MODERN No.2』
Youtubeでなら楽しめたろうが、大画面でちかちかやられると、気分が悪くなる。
手描き感は大画面の方がよく分かるので、残念なんだけど。
『ホリデイ』とはまた別な方向で生理的に苦手。


『オー、ウィリー』
これは良い作品だった。
ウールの質感が細部まで映せるデジタル技術のうえになりたつ作品で、多分ブルーレイ画質じゃないとダメだろうと思うけど、主人公がどんな状況になっても暖かい質感が救い。


『3月11日のかけら』
しりあがり寿の映像作品は大体こんな感じ。


『グレートラビット』The Great Rabbit
Youtubeでは「わからない」の1言で片付けられていた作品だが、
別に分からなくても良いやつなので、分からなくても良い。
すりすりの気持ちよさ、捕まっちゃった網の中でばたばたやる気持ちよさ、ひな鳥につんつんされる気持ちよさ、なんかをたんのーすればそれでよし。
テーマの「不服従」はやっぱり分からなかった。



Bプログラム
『グレートラビット』と和田淳全作品

初期作品は、音源とか解像度とかがアレだが、それは当時の自主制作アニメの状況からして仕方がないことなので、文句は言わない。
『そういう眼鏡』あたりから急激に上手くなっているのがびっくり。
尼子実沙のカラーデザインでさらに良くなっている。
『わからないブタ』が良い。『グレートラビット』より良いと思う。
ブタが前で寝ているので開かないドアをぐいぐいやる感じ、口紅の匂いを嗅いでぐるぐる回る犬を見る。子豚をぎゅっ。
1つ1つの動作をするときの感覚が伝わってくる。
で、奥さんが口紅を引いて唇に紅を馴染ませて、ぽん、ってやるのをハムで止めた旦那はやっぱり嫉妬なのかなー。
『春のしくみ』もかわいい。
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東京オペラシティ、対極に位置づけられるような展覧会が2本開催中。
片方は、アナログで野暮ったくて、1300円。
もう片方は、デジタルでスマートで、無料。

「BEAT TAKESHI KITANO 絵描き小僧展」

東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の、アナログで野暮ったい方。
何を見せられたんだかよくわかんなかったが、後悔はない。
いろんな意味で「アートって何?」と思える展覧会。

まずこれは、ビートたけし(北野武)の展覧会である。
彼が美術においてはいわゆる「素人」であることはみんな知っているし、フライヤーの絵も退屈な授業中にいきなり閃いた中学生が教科書の裏に描いたような絵だ。
ふつー金払ってまでして見ない。
ということは、金払うとなったら、完全に騙されること覚悟で行かなければならない。ちょうどお祭りの見せ物小屋に行くように。

実際、展示の最初の方は見せ物小屋仕立てで、展示物のほとんどがTVコント番組の、それもビートたけしのコント番組の小道具大道具みたいないわゆる「作り物」だった。
往年のひょうきん族などコント番組の映像も各所で流されている。(犬田ワン、懐かしい~w)
1つ1つはバカらしく「アート」とは思えないのだが、次から次へとまくし立てるように見せられると、楽しくなってきて、だんだんアートとかどうでも良くなってくる。やはり「見せ物小屋」商法か。
ギャラリー2を進むと、だんだん作品がアートっぽくなってくる。後の方の《ムッシュ・ポロック》《偶然の確率》などは、現代美術にあってもおかしくない。

そして、ギャラリー2を出てコリドールを進むと、パリで開催された展覧会の記事や映像の展示。
そう、これは2010年にパリで開催された展覧会の日本凱旋展覧会でもあるのだ。
バックにはカルティエ現代美術財団。
私たちの目には、ひょうきん族に尾ひれがついたものにしか見えないのだが、これは一応「パリでお墨付き」のアートなわけだ。
 フランス人はバカだなあ。簡単に騙されて。
と、言うのは簡単だ。
でも、振り返ってみると「お墨付き」で展覧会を見に行くことは多い。
私たちもまた簡単に「アート」に騙されているときがあるのかもしれない。

なお、展覧会グッズの種類、選択が良いとは思えない。
おフランスでやったとき売った、フランス人が好みそうな作品をグッズ化したんだろうが、俺的にはダルマのストラップより、カバらんちゅう(カバと金魚のハイブリッド)とかの方が欲しかった。
あと、動物花器のペンギンね。あれは欲しい。


ICC「オープン・スペース 2012」

こちらはスマートでデジタルで、無料。いやー、いろんな意味でホッとするわ。

ついこの前「オープン・スペース 2011」に行ったと思ったのだが、もう今年のだ。つか、会期が長いんだよね、単に。
今回は2355でおなじみ、ジョン・ウッド&ポール・ハリソンの作品がたくさん見られる。《10×10》は良かった。
藤木淳《ゲームキョウカイ》は他人がやるのを後ろから見るだけにする。
何か見てるだけのが多いな、今回。

シルパ・グプタ《シャドウ#2》成瀬つばさ《リズムシさんの部屋》は参加した方がお得。

こちらも果たして「アート」なのかなって思うときがあるけど、
ハイテクとデジタル感とオシャレ感で疑問がスルーできる。
こういうのも騙しのテクニックの1つなのかもね。
まあいいけど。
こちらとしては、面白ければそれが何であっても良いのだから。
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