ペンギンはブログを見ない

法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。
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埼京線内に防犯カメラ
痴漢対策として、いよいよ埼京線の通勤車内に防犯カメラが試験的に導入されるそうだ。
記事では痴漢対策としか書かれていないが、痴漢えん罪対策にもなると言うことで、痴漢えん罪を扱う当ブログとしてチェックしてみた。

果たして、手を離しても鞄が下に落ちないほどの満員電車内を、天井や網棚からのカメラでどこまで正確に捉えられるか、また、記事に書かれているような「抑止効果」があるかどうかはやってみなくてはわからないので成り行きは見守るしかない。

このような公共の場所での防犯カメラ・監視カメラには、プライバシーの侵害や他の犯罪捜査に利用される懸念があるとされていて、犯罪捜査でやる場合は決してフリーではなく、それなりの条件と制限の下で行われているのだが、一般にはあまりそーゆー意識はないようだ。
歌舞伎町の街頭カメラや、コンビニのカメラ(これは私人が設置している物なので問題は街頭カメラほど大きくない)などで、防犯カメラの存在自体が先行してしまっていることもあるだろう。
だいたいプライバシー権侵害というのは、「気にしなければそれで済む」というものなので、街頭カメラなぞ無視しておけばいい、ということで済んでしまう。
なにしろ世の中には、電車の中で0から化粧を始めたり、床の上に座ってくろついで物を食ったりというような強者もいるのだ。

そのかわり、そのようにして得られた映像の公開、と言うことになると、比較的敏感になると思う。
いい例がストリートビューで、同じ公共の路上からの映像なのに、ぼかしがたくさん入っている。
自分のうちが映るだけで嫌、という方の声も耳にする。

こうなってくると、防犯カメラの映像などについても
「自分が映されている」ということだけでなく、「その映像はどのように使用されるのか」ということも考えなくてはならないかもしれない。
裁判で証拠として使われるだけかもしれないし、何か別の役に立つことのデータとして使われるかもしれないし、
また、何か悪いことのデータとして使われるかもしれないし、映像がどこかに横流しされちゃうかもしれないし、
その際編集されるかもしれないしされないかもしれないし、
とにかく、映像が果たして何にどういう形で利用されるかわからないし、誰の目に触れるのかもわからない。
この辺のことって、個人情報の扱い方にも似ている。つか、顔が判別できればそれは「個人情報」にあたるしね。

今んとこ問題視されているのは「撮影時」の人権侵害だけだが、今後は「撮影後」の人権侵害についても問題になるんじゃないかと思う。


追記 2010年4月5日
JR東日本は防犯カメラ付き列車を6月以降順次増やし、全32列車の1号車に設置すると発表した。
痴漢防止に有効と確認できたとしている。
↑この記事に関するつぶろぐ

追記2
続・埼京線に防犯カメラ
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by k_penguin | 2009-12-12 22:00 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(2)
篠山紀信の家宅捜索と朝日のルーティンワーク
篠山紀信が2008年夏に青山霊園(東京)などの屋外で女性モデルのヌード撮影をしたことが、公然わいせつに問われて家宅捜索されたそうで、
で、それ自体には特に意見はなかった。最近の写真家はともかく、昔は写真家ってアングラな部分があったし、69歳の篠山紀信は確実に「昔の写真家」の部類にはいる。
家宅捜索くらいで芸術魂がゆらぐわけはなく、だったら大したニュースではないのだ。
ネットの反応も薄かった。篠山紀信の屋外ヌードは昔からのものだったから、「何で今さら」くらいのものだった。

そしたら1週間ほどしてから、朝日新聞の文化欄にこの件に関する記事が載った。
「表現の自由」関係に警察の捜査が入ると、とりあえず文句つけるのがマスコミなのは分かっていたけど、こーゆールーティンワークみたいな記事出されると、別の意味で表現の自由がヤバイかも、と思ってしまう。
東京都写真美術館の笠原美智子事業企画課長は「作品をわいせつと判断していないのに、それを写す行為をわいせつだと取り締まるのはおかしいのでは」と指摘する。

一読しておかしいと思うのは、撮れた写真のうちの1枚がわいせつではないから、撮影行為もわいせつではない、という理屈は成り立たないということだ。
撮影行為は、写真集に載せる1枚をとるためにシャッターを1回切って終了するわけではない。
いろいろなポーズの写真を撮って、その中のわいせつと判断されない1枚を写真集に載せた。
と考えるのがふつーだと思う。指摘は確実にずれている。

さらに(ノ∀`) アチャー なのが、篠山紀信へのインタビューから
「ロケ現場ではモデルにガウンを着せ、周りに見張りを立てたうえで、辺りに人がいない瞬間を見計らってガウンを脱がせ撮影した」
という部分を引用した上で
 
都市を背景に撮ろうとする以上、モデルを完全に囲って隠すことはできない。発言からは、人目に触れさせまいとの意識がうかがえる。

と、述べている部分だ。
仮に裁判になったとしたら、これはこのまま検察側の、篠山紀信は撮影行為をわいせつだと十分認識していた。という故意の証明に使える。
悪いことだと思っていたから見張りを立ててこっそりやったんだろう、ということになるのだ。
記者はどうも、一般の人に迷惑をかけないように注意を払ってやったのだから、公然わいせつにはあたらない、と言いたくてこの文を書いたらしいのだが、どうにも説明不足が過ぎる。
公然わいせつの成立は実際に人が見ていたかどうかとは関わりなく・・・なんて法律的な解説をする気にもなれない。それ以前の話だもの。
この人達、あんまり表現の自由を守る気がないんじゃないかなー。

唯一まともなコメントが、写真評論家の飯沢耕太郎氏のもので
90年には問題にならなかったのに今回は家宅捜索された。社会の空気の変化を感じて、ほかの写真家が自己規制しかねない

というものだ。

要するに、表現の自由の弾圧とかいう話ではなくって、社会の空気が変わったのだ。
90年と言えば、バブル全盛期。
ヘアヌードもそろそろブームになる頃だったかなあ。アートはもてはやされていて、「まあ、ゲージュツならばいいんじゃないの」って雰囲気だった。
それに比べれば、今は確かに、「芸術」というのは免罪符にはならない雰囲気がある。
店舗のシャッターや公共物を汚すストリートアートやダギングの類がこれに一役買っていることは間違いなかろう。
街の中で素っ裸の撮影なんて、慶応の学生だってやるようなことだし、発表の場も写真集から無料のネットに移っているし、もう芸術は特別扱いされることではなくなりつつあるのだ。

今回件が起訴になるかどうかはおいといても、篠山紀信というビッグネームへの家宅捜索が一般に対する警告の意味を持っていることは確かだろう(果たしてニコ動に投稿する人たちなんかがこれで抑制されるかは疑問だが、警察もちょいちょいやり方がずれているからなあ)。

ある意味アートが一般に浸透してきたと言うことかも知れないね。
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by k_penguin | 2009-12-04 22:25 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(16)


by k_penguin
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