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植草先生、一段落   

まあ当然のことですが、植草先生の痴漢事件の上告が決定で棄却されました。懲役4カ月の実刑です。
先生はまだ収監されていなくて、ブログを更新しているようですが、今後、異議申し立てをする→認められない→実刑確定、収監
流れをたどる予定です。

最高裁で痴漢冤罪による無罪が認められるなど、痴漢に対する厳しい審査の流れの中で気の毒なほどあっさり有罪でしたが、まー、これが無罪になれば、痴漢は事実上野放しになってしまう、と言えるほど典型的な痴漢の事例でした。

経済学者であることが幸いして、陰謀厨が支持してくれているようで、本人も尻馬に乗って
もとより政治的な背景のある事案であるから、公正な裁判が行なわれるとは考えられなかった

なーんてブログでは言ってます。
決して法廷では言いませんでしたけど。
実刑といっても、ちょっと刑務所で夏休み、ハクがつく程度のものだし、
出てきてからも、まあ、陰謀厨の需要と供給があるアクアリウムのような小さい世界でこつこつとやっていけるんじゃないかな。

こういう陰謀脳って、刑事手続の勉強をしなくても刑事事件の真相がわかった気分にさせてくれるので、そのお手軽さから常に一定の需要はあるのではないかと思います。
ちょっとマジメに考えてみれば、ある刑事裁判の結果の妥当性を理解したいなら、刑事裁判手続を理解しなければならない、ということに思い当たりそうなんですけど、
やっぱめんどくさいですからねー。無意識で避けちゃうんですね。

陰謀論の人はよく
マスコミに踊らされてはいけない、マスコミを信じてはいけない
とか言いますが、そーゆー人も結局ネットの一部の言説に踊らされているだけだったりして、
結局踊っていることには変わりなく、
要するにみんなと違う曲で踊って、それで踊っていないと思っているだけなんじゃないかと思います。
基本的に踊りたいと思っている以上、曲がかかれば、踊っちゃうんですね。


マスコミと言えば、サンデー毎日との民事訴訟の方も、最高裁で負けが決まったそうで、これで今回の痴漢騒動は1段落。

・・・次回はあるのでしょうか・・・?


追記 7月10日

品川事件から植草さんを支持してきたゆうたまブログが更新を止めることにしたようです。
植草さん本人含め、擁護派内部ではいろいろごたごたがあったようです。
最後に「植草氏には耳障りの悪い言葉も含まれると思うが、はっきり書かせてもらう」と息巻いていたのですが、
結局お別れの言葉のみとなりました。
ただ、コメント欄でこんなやりとりが。

ゆうたまブログより
NAME: Bent Brandy
植草先生の本読みました。ブログも見ました。
もちろん、アンチの方の記事も意見も読みました。
しかし、どうしてももやもやして釈然としない
ものが残るのです。
このブログでは、品川の手鏡の事件は言及しても
良いのでしょうか?
自宅でいろいろなものが見つかったとか、デジカメ
写真とかの報道は全くの「作り」なんでしょうか?
もし、そうならこんな事実無根の記事で人生を
台無しにされた植草先生はなぜ怒らないのでしょうか?
この辺の話も言及してもよろしいのでしょうか?

2009/07/07(Tue)17:52:55 編集
[ゆうたま] Re:ご教示願います。
何それ?
丁寧に書いた新手のアンチ?(笑)

見つかったポラも何もかも本当に決まってんじゃん。
本人否定して無いでしょ?
みっともないから言及しないだけ。
【2009/07/07 17:56】
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by k_penguin | 2009-06-27 21:42 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(15)

『TOWER』3F 小林さんとお客さん   

小林さんにとってお客さんとは何か。
 という話を1度書いてみたかった。
ここで「お客さん」というのは、客席に座ってる不特定多数の人たちという意味もあるし、
作品を発信する宛先、という意味もある。
普通、この2つは一致するものなのだが、小林賢太郎の作品においては一致していないのではないか、と俺はずっと思っていた。
なぜなら、作品が発信するテーマ(っぽいもの)が、客が聞いても仕方がないような個人的な心情とかで、しかも心情に共感する糸口も与えられていないからだ。
では、宛先は自分自身か、というと、そうでもないような感じで、というのは、自分自身に対するものにしては客観的に説明されていたりするからだ。

今回の『TOWER』もそんな感じだ。
今回のテーマは「共同作業」であり、共同作業を通じて理解し合うことだ、と前に書いたのだが、そうだとすると、作品の宛先は理解を求めている人であり共同作業をしている当の相手方、ということになる。観客は基本的に関係ない。
・・・いや、関係はある。観客がいなければ、舞台は成立せず、公演完成に向けた共同作業が成立しない。

共同作業をするためには作業内容を決める必要がある。
本当はそれは何だって良いのだが、これを公演を行うこと、と設定した場合、舞台が必要になり、観客が必要となる。
観客に見せるために舞台があり、共同作業を行う、という通常の順番とは逆だ。
しかしそうなると、真の客(作品の宛先)は共同作業の相方であり、観客は舞台という装置を完成させるために必要な大道具の1つ、ということになってしまう。

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by k_penguin | 2009-06-21 14:25 | エンタ系 | Trackback | Comments(50)

『TOWER』 M2F タワーマニアの野望   

前回、かなり長い評論を書いたのだが(しかも最後収拾がつかなくなった)、『TOWER』を再度観て、タワーマニアの話って、もっと簡単にまとめられるんじゃないかなって思った。
つまり、
 偽物が本物になろうとしてばれちゃった話。
でいいんじゃないかなって。
そこでM2Fとして追記することにした(2Fから下りてしまった・・・)。

偽物の「僕」が本物の「つるちゃん」になろうとして、結局ばれてしまい、平謝りしましたとさ。
というだけの話。
この際、「本物」とは何を指すのかにはあまりこだわらない。
人の個性は他に代えがたいってことを指すとしても良いし、もっと即物的に「片桐」ってことでも良い。

そうすると、この作品の問題点は、本物のフリをしている偽物を、本物であるべき人(片桐)が演じてしまっている、と言うところにある。
偽物は本物にはなれないという話なのに、本物と偽物の区別がつかなくなってしまうからだ。
とすると、この話は価値観の混乱の話になる。本物でも偽物でも違いはないじゃん、ということになるから。
(ちなみに「本物」を人の個性ととらえるなら、これは「レストランそれぞれ」と同じテーマになる。)

しかも、そうなると、「僕」がつるちゃんに謝る理由が
「つるちゃんをキャンプに行かせまいとしたこと」であって、決して
「つるちゃんになろうとしたこと」ではなかったということは
この偽物君は実は本物になろうとしたことを謝る気はないということになって、
それなりに頷ける結論となってしまう。

「僕」は卑屈にみっともなく謝りまくっておいてその場をしのぎ、次の反乱のチャンスをうかがうつもりなのだろう。

「僕」が全く反省していない、という点でまっとうなお話とは言えない代物なのだが、
これはこれで筋が通ってしまうので、とりあえず載せておく。

なお、話自体は前回観たときとほとんど変わっていないと思った。
「僕」がつるちゃんに変身するシーンがあっさりしたものに変わっているので(前見たときは「僕」が変装を解こうとするときやった巧妙な人の入れ替わりを、変身するシーンでも行っていたと記憶している)、
前の評論で「片桐に変身すること」に作者の思い入れがあるって書いたけど、それは今回感じなくなった。
その代わり、全体的に冷淡な印象に。

『TOWER』3F 小林さんとお客さん
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by k_penguin | 2009-06-17 20:53 | エンタ系 | Trackback | Comments(39)

足利事件と取調の可視化   

足利事件の再審が通るらしい。
この事件については、語るほどの知識を何も持ち合わせていないので、記事は書かないつもりでいた。
だって、
「DNA型鑑定で一致しているって出たからやっている」と言われれば、素人としては、「はあ左様ですか、ならそうなんでしょうね」くらいしか言えないし、
「再鑑定したら一致してなかったのでやっていない」と言われても「はあ左様ですか、ならそうなんでしょうね」くらいしか言えないからだ。
科学の神話に騙されないように、と言われても、ならDNA型鑑定のどこを注意してみればいいんだよ、っつーことになる。

で、再審請求中にも関わらず、早くに釈放された菅家さんも、
DNA型鑑定で無期懲役になり、再鑑定(DNA型鑑定)で釈放されたのて複雑な心境、と、似たようなことを言っていた。
このインタビューでは、
鑑定の精度を高める必要性と、取り調べの録音・録画(可視化)が主な主張としてあげられている。
このインタビュー記事にどの程度共同通信の編集が入っているのかよくわからないが、俺の印象としては、冤罪の当事者としてはちょっと無難な主張だなと思った。
どちらの必要性も既に捜査機関側に認識されていることだからだ。

鑑定の精度を高める必要性については文句を付ける人はいない。
そもそも再鑑定の方が精度が高いと認められたからこそ釈放されたわけだし。
この件に関する問題は、鑑定の精度を高めるためには高額な機械がどうしても必要になるので、予算が確保できるかどうか、という現場の問題が主だろう。

もう1つの取り調べの可視化っていうのも、もう流れ的には導入の方向にあって、次の、何をどういう形で導入するか、という問題に移っているらしい。
可視化といっても、録音・録画という方法や、弁護人立会という方法もある。どれを導入するにしろ制度のメリットとデメリットを考慮しなければならない。
可視化のメリットは、無理な自白獲得の防止だということはこのインタビューからもわかる。
(面白いのは、菅家さんが取り調べ時に髪を引っ張られたけど、足を蹴られたのは1度だけだと言っていたことだ(動画の方)。
風のウワサで、取り調べ時の暴行は跡が残らないようにやるため、髪を引っ張るのが主だと聞いたことがあったのだが、それと合致する。)

デメリットについては今のところ余り語られていないようだ。
録音・録画と、弁護人立会でまた違ってくるし、いろいろ不確定要因も絡んでくるのだが、ものすごく大雑把に見てみよう。
まず、被疑者本人から語ってもらわなければわからない事というのは多い。自白が重要な証拠だということは科学的捜査が発達しても動かせない事実なのだ。
だから、被疑者取り調べに自白獲得という目的があること自体は否定しようがない。被疑者には黙秘権があるが、これは取り調べの目的の1つに自白獲得があることを否定するものではなく、むしろそれを当然の前提としている。
そして、真実犯罪を犯したものが、絶対に自白しまい、と、固く決意している、ということも又動かせない事実だ。
喋るまいと固く決意している者に喋らせるのであれば、何かふつーじゃないことをしなくてはならない。
それが「ねばり強い説得」とかならいいけど、それだけじゃ決め手に欠けるので、「利益誘導」とか、もっとてっとり早く「髪の毛引っ張る」が出てきてしまう。
自白獲得の手段が減れば、当然獲得できる自白も減り、犯罪の証明ができない場合も増えてくる。
今でもけっこう、「絶対あいつが犯人なんだけど、証拠が足りない」ケースがあるのだ。それが更に増えることになる。

このデメリットに対しては、他の自白獲得手段の強化、例えば司法取引の導入によって「利益誘導」の一部を適法化して強化することなどで対応できる、かもしれない。
「かもしれない」というのは、やってみないとわからないことだからだ。
録音・録画にしろ弁護人立会にしろ、それらの制度を導入している国では、何らかのデメリット対策も同時に行われている。
それらの対策を見ないで単に「他でやっているから」取り調べの可視化を、弁護人の立会を導入すべきだ、というのは、実用を念頭に置いた主張とは言えない。
デメリット対策を考えずに導入はできないし、またデメリット対策も、他の国ので上手くやれているからといって、必ずしも日本でもうまくいくとは限らない。
おまけに日本は裁判員制度という、これまた予測不能な制度を始めてしまったのだ。
もう、何がどーなるやら、俺にはさっぱりだ。
取り調べの可視化。
言うのは簡単だけど、実際入れるとなると、難しいのね・・・。


足利事件に関連して、
控訴審以降の弁護人、佐藤弁護士のロングインタビュー

実務家らしい具体的な分析、考察が淡々となされている。
押田鑑定書(菅家さんのDNA型と犯人のDNA型は異なる可能性があることの証拠)を得てからの、最高裁、宇都宮地裁、東京高裁各裁判所がした判断の分析がリアルでヘビィ。
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by k_penguin | 2009-06-07 14:42 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(3)

追記しますた   

モトケンさんとこの場外で、痴漢冤罪にあったらどうしよう
って話になって、「逃げる(そして捕まらない!)」以外にほとんど無いよねって話になっていたら、
警察の中の人から、「逆に自分から警察に通報してしまう」というコベ転なコメントが入って、感動したので、自分の痴漢冤罪関連記事に追記しときました。

痴漢冤罪にあったら・実用(の可能性ありそう)編

そいだけです。

最近法律関係の記事が無くてすいません。
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by k_penguin | 2009-06-03 00:23 | Trackback | Comments(2)