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今枝ブログと橋下ブログの類似点   

橋下VS今枝の弁護士「対決」 ブログで激烈場外戦 [ 09月28日 20時43分 ]
J-CASTニュース


橋下さんのブログがエキサイトブログだからか、エキサイトニュースが取り上げてくださった。
今枝さんとこは、モトケンさんとこ経由で知っていたし(しかしあまりの読みにくさとコメントの早さに早々に脱落)、橋下さんとこは前にも引用した。TVも見ないYouTubeもめんどくさい俺にとっては、橋下情報のソースはここだ。

で、「対決」っていわれている割にはこの2つは似ている印象があると思ったので、やじうまの俺としては、そこんとこを取り上げてみる。


 今枝さんのブログはまあ、いわゆる人権派ブログとして、想定の範囲内に収まるものだ。
文が固いので読みにくい。
 対する橋下さんのブログは、エキブロに頼まれて書いているのだと思っていたが、公式ブログ集には入っていないところを見ると、そうじゃないらしい。
文章は決して硬くないが、主張がほとんど結論だけの、書きなぐったような記事ばっかりなので読む気が起きず、別の意味で読みにくい。

で、2人とも基本的には、怒っている。
 今枝さんは、捜査機関側や、言い分をちゃんと発表してくれないマスコミとかに怒っているし、
 橋下さんは、弁護団と弁護士会に怒っている。

でもって、一般ピープルには2人ともやさしい。
 今枝さんは、ご理解をいただきたいと思っているし、
 橋下さんは、ご支持をいただきたいと思っているから。

そして、一番の共通点は、

2人とも、精神的にいっぱいいっぱいなこと。

 今枝さんは、橋下さん言うところの「世間」から風速30m/secの逆風を浴びているし、また、弁護団内部でもこの件についての論議がないとは思えない。
今枝さんの一般の方に対する対応は、愚直なやり方で、弁護人という職務を完全には離れたコメントがない。そのため、自己弁護に終始している印象がある。
まあ、今枝さんは現在弁護人の立場にあるわけだし、弁護団内部の事情やこの事件に関する諸般もろもろの事情からそうそうなんでもぶっちゃけられるわけではないが。

 対する橋下さんは専門家達から目一杯罵られている(人権派であろうと無かろうと、懲戒請求について橋下さんを支持する法律専門家はいない)。
橋下さんは「世間」がついている限りハイテンションで突っ走ることが出来る気分になっているようだが、「がんばってくださいね」と言うだけの「世間」は霞みたいなもので、食い物にはならない。それが何らかの形でしかるべき所を動かして、オカネにならなければやってはゆけない。
しかも「世間」は気体らしくて、風向きが変われば、あっという間にどっかに飛んでいってしまう。
風向きの件は橋下さんも気にしていて、「自分が懲戒請求をしないのはおかしい」という「世間」の声にお答えして、懲戒請求をするようだが、それをすれば、まず不法行為が成立する。
敗訴すれば、次は、自分が懲戒請求される、という流れが考えられる。
橋下さんが言うに、弁護士会は気に入らない弁護士は守ってはくれないそうだから、懲戒請求は認められることになるだろう。
民事裁判なんて、負けても金を払っておけばそれで済むことであるが、この場合はバッヂも関わる可能性が高いのだ。

「世間」という、漠とした塊を相手にして、2人ともいっぱいいっぱいなのだ。

「世間」ってコワイよね。


・・・ってことで、この記事を終了しても良いのだけれど、ちょっとだけその後。

いっぱいいっぱいになった後、2人はどうするのかな?とヲチ中なわけだけれど、
橋下さんについてはよくつかめない。
世間の皆さん、ありがとう、と、酔っぱらったような記事を書いたり、
FAXがどうだの、出廷がどうだのとブログに細かいグチを書き殴っているだけだし、ブログはコメントもTBもできない設定になっている。
この問題を扱っているTV番組は東京で放送されない(「世間」は大阪限定なのだろうか?)。
 これに対して、今枝さんは、ブログのコメント欄を閉じてしばらくべそをかいていたが、
記事は更新しているし、ちょこちょこモトケンさんのブログにコメントしたりして、しかも、件のたかじんの番組公式BBSに投稿したのに、反映されないと怒っていた。
なんか、芯の強さは今枝さんが勝ると思うのだが・・・。
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by k_penguin | 2007-09-29 16:16 | ネット(ヲチ?) | Trackback | Comments(4)

4000人の懲戒請求は不法行為を構成するか その2 通常人の普通の注意?   

今回は、本題である、4000人の懲戒請求は不法行為を構成するかについて書くわけだが、
繰り返しになるけど、これを論ずる実質的な意味というものはない。

一部のブログで、不法行為になるから、懲戒請求をしてしまった皆さん、今からでも取り下げましょう、とゆー運動をやっているようだが、実際に訴えられないものが不法行為になろうと何だろうと、実害はない。
これが懲戒請求祭り前だったら、俺も違法性を強調してブラフをかけ、祭りを防止しようとしたろうが、もう祭りは終わっちゃったもんね。
それよりも、今、各弁護士会の中の人達が涙目で懲戒請求者の一人一人に、配達証明郵便等で「懲戒に相当する事実」の詳細について問い合わせを行ない、懲戒請求の再確認や追加資料の提出を求めている。
こっちの方がよっぽど取り下げに対する動機付けになる。

それでもなお、「違法かどうか」を論ずる声があちこちにあるわけで、その大体は要するに相手を非難するまっとうな理由が欲しい、というものに過ぎないわけだし、そーゆーのと一緒にされたら、やだなあ、なんてぶつぶつ言いながらも、一応これを書くのは、「違法」と「過失」の違いについて書いてみたかったから。
だから、先に結論を言っておきます。

「違法だけれど、大して責任はない」

長くてめんどくさい
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by k_penguin | 2007-09-17 02:18 | ニュース・評論 | Trackback(1) | Comments(10)

4000人の懲戒請求は不法行為を構成するか・その1 橋下弁護士の言い分を叩く   

まずはじめに言っておくが、今回の光母子事件弁護団への懲戒請求が不法行為を構成するか、ということを問う現実的な意味というものはない。
現実問題として訴えられる可能性が非常に低いからだ。
訴えるのであれば、実際に弁護団がやったように、橋下弁護士を相手にするか、または、橋下弁護士と、番組の編集権を持つテレビ局の両方を相手にするか(実際、検討されたらしい)、だ。

だから、今から書くことは、「もしも恐竜が絶滅しなかったら?」というお題に似た、Ifものの法律クイズだと思って欲しい。

9月24日に追記あり
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by k_penguin | 2007-09-11 22:30 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(9)

橋下弁護士は、なぜ自分で懲戒請求しないのか   

光母子殺害事件弁護団から提訴された橋下センセイ、全面的に争うと記者会見。

やや詳しい記者会見はやはりJ-CASTニュースのもの

ネット上では、橋下センセイの賛成派の理由というのは、光母子殺害事件弁護団が嫌いだから、というものが多くて(むしろ、「懲戒請求上等派」と呼ぶべきか)、だから、あまり橋下センセイご自身の意見というものには耳は傾けられていない。お気の毒。

ところで、今回の騒動で、橋下弁護士自身は懲戒請求していない。
人には勧めといて自分ではやらないのは、ぶっちゃけ、みんなが本当にやるとは思っていなかったからだと俺はにらんでいる。
本来赤の他人である者は懲戒請求できる立場にはないし、請求するに足りるだけの証拠をそろえられる立場にもない。
これを押してあえて請求しようというのは、よほど腹が据わっているか、もしくは何も知らないか、のどっちかだ。
そして、センセイは、懲戒請求はジャンプの読者アンケートではないことくらいは承知しているし、また、これを押してあえて請求して、光母子殺害事件弁護団に対して社会的に異議申し立てをしようと、いう程には腹は据わっていないのだ。
どういう経緯でこうなったのかは知らないが、スタジオの雰囲気で言い過ぎて、引っ込みがつかなくなったという面はあろう。
小島義男がネタの導入部分に使っていた
「下手こいた~っ!_| ̄|○」
って感じ(知ってる?)

記者会見も、何か言ってることが散漫で中途半端という気がする。
各社の記事のまとめ方にばらつきが見られるのも、言っていることが散漫なせいがあると思う。
マスコミに対しては、自分の主張を短く明確に打ち出さなくてはならない、というのは基本だと思うのだが(弁護団に対してマスコミへの対応がなってないとブログで怒ってたくせに)。
内容も、弁護団に対して怒ったかと思えば、
「刑事弁護人は世間に迎合して刑事裁判をしてはならない」
と、弁護団寄りのことを言ったり、かと思えば、
「品位を失うべき非行」という規定についても「品位の中身を決めるのはできないし、馬鹿げた規定で、弁護士会はバカ」
と、なぜか弁護士会(弁護士法の規定自体を作ったのは国会で、規定を解釈するのは最終的には裁判所なのに)を怒ったり(しかもどこの弁護士会を指してるのか不明)。

橋下センセイは多分(懲戒請求受けたとき以外で)弁護士会に関わったことはほとんどないのだと思う。そーゆーのは若い人では珍しくないし。
そういう人にとっては、お金にならない弁護士会の役員がまわってきたり、高い会費払ったり(大阪はどうか知らんが、東京は霞ヶ関の弁護士会館が建った余波がいまだに続き、研修所出たばかりなのに借金しなればならないような額の会費が課せられる)、弁護士会なんて、
( ゚д゚)、ペッ
と、いう存在だろうが(しかも橋下センセイ自身懲戒請求受けたことがあるしね)、だからって、ここで悪口言うのは筋違いだと思う。
ついでに余計なことを言えば、弁護士会も筋違いの悪口を言われていつまでも鷹揚にしていてくれるかは分からない。

「(弁護士は)免許業であるにもかかわらず国の監督権限を受けない。この言いわけのために『懲戒請求』の制度がある。いわば『弁明の具』だった」

というのは、説明の仕方が悪い、というか、ほぼ間違い、と言っていいと思う。
弁護士が国の監督権限を受けないのは、職業柄、司法に深く関わるので、司法の独立の趣旨が及ぼされ、時の政府の政治的な影響を受けないように弁護士自治の原則が認められているためだ(ちなみに大日本帝国憲法下では司法省の管轄下にあった)。
懲戒請求の制度は弁護士自治の表れでもある。
懲戒請求の濫用によって制度自体を機能不全にすることは、弁護士自治の原則を脅かすことになる。

まーでも、引っ込みがつかなくなって先も見えない橋下センセイにとっては
「そんなのかんけーねえ」
だろうけどな。


関連エントリ
橋下センセイvs光母子殺害事件弁護団の場外乱闘


追記 9月9日

弁護士のため息
光市母子殺害事件の弁護団の一人で、橋下弁護士を懲戒請求煽動の件で提訴した原告の一人である今枝仁弁護士がブログにコメントしたものをまとめたもの。

弁護団の弁護士の直の話という点で貴重だと思うので、あくまでも参考として載せます。
特に彼の話に強く賛成するとか、そーゆーのではないです。

ちょっと思ったことは、
弁護人のマスコミ対策については、やはりまだ方法が全く手探りの状態なんだなーと思いました(弁護士会内で冊子とか出ているのも見るけど)。
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by k_penguin | 2007-09-05 23:07 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(22)

痴漢(冤罪だったりそうでなかったり)の敵は国家権力か、被害女性か   

電車内で痴漢をしたとして逮捕された後、不起訴となった人が、都と国、被害申告した女性に民事の賠償請求したら、痴漢行為を認定されて請求棄却された、
という事件。


地裁判決時にはそこそこの反応があった事件だが、高裁段階では、もう余り反応は薄く、エキブロのトラバも3つほど、某SNSのニュースには取り上げられてもいない、だって小池栄子の結婚の方がずっとでかいニュースだから。
という感じなのだが、エキブロ内をぶらぶらしていたら、裁判に関わったらしい方の記事に行き当たった。
(この事件は一部で「沖田事件」と呼ばれているらしい)

こちらは原告男性側に関わっていたので、事件は携帯電話を注意したら逆ギレされ、痴漢のぬれぎぬを着せられたものという視点で記事が書かれているが、実際はもちろんどうだか分からない。それを知る立場に俺はない。
興味を持ったのは、この記事から、原告が警察、検察よりも被害女性を敵視していること、が分かったことだ。


刑事事件の痴漢に関する否認事件で、冤罪を主張する場合、被害者を非難するのは御法度だ。
敵はあくまでも無辜の者を罰しようとする国家権力。巨悪の前では、被害者は、「ちょっと間違えちゃっただけの人」だ。
痴漢冤罪を支援するグループだって、何で支援してくれるかって言えば、個人が巨悪に立ち向かうからだ。女の子をいぢめるためには支援してくれない。
仮に被害申告が女性の狂言だったとしても、小娘の狂言を見抜けなかった捜査機関が悪い、と考えるべきということになる。

でも、でも、だよ。
ぶっちゃけ、あの女が騒ぎ立てたりしなければ、こんな目には遭わなかったのだ。逮捕だって、勾留だってされなかったのだ。
冤罪とかそーゆーことはどーでもいいのだ。そんな大ごと、関わりたくねーし、そんな難しい話とも思えない。女が騒ぎさえしなければ済んだ話なのに。
一番悪いのは、女なんじゃないの?

捕まった痴漢被疑者のホンネだろう。これは冤罪かどうかに関わりない。
そのホンネを貫いた、という意味でこれは面白かった。

このホンネを刑事事件に載せることは難しい。
自分の痴漢の刑事裁判において、被害者は当事者ではないので、その過失等を裁判で直接責めることはできない。無実の立証を通して自分の有利に使えるだけだ。
責めることが出来るのは捜査手続きの過誤だ。
だから捜査機関を非難せざるをえない。

被害者を虚偽告訴罪で告発する、という手があるが、これは虚偽である旨の故意が認められなければならないので、まず起訴には至らない(今回これをやったのかどうかはわからないが)。
計画的な痴漢の言いがかりを付けてやる恐喝でもない限り、刑事事件にはのりにくい。
そこで、民事訴訟、ということになる。

ところが、民事訴訟は刑事訴訟と性質が違う。
一番でかいのは、刑事訴訟では「おまえ、やっただろ」と、いちゃもんを付けられる側の人が、
民事では、「金払え」と、いちゃもんをつける側に回る、ということだ。
いちゃもんをつける側がそれ相応の証拠を用意するのが公平なルールというものだ。
この事件の地裁の判決に目を通してみたが、どうも、いちゃもんをつけるには証拠が薄すぎる。
目撃者無し、第三者っぽいのは女性が携帯で話していた相手だけ。あとは当事者の証言のみ。しかも原告は事件当時酔っていた。記憶はあやふや。行動もただでさえアヤスイ。
判決を読んだ感想は、正直、ケンカを売るには手持ちの武器が足りなすぎる。
裁判官は、少ない証拠をやりくりして、それなりによく認定していると思った。

事実上も、民事の原告、つまり自分が言い出しっぺ、というのは、被告人になった場合よりどうしても「可哀想度」に劣る。裁判にしないと言われたものをわざわざ民事で自分から蒸し返したのだ。
当人にすれば、逮捕されて、勾留されて、自分が被害者だ、ということだろうが、普通の被告人は逮捕・勾留だけではなく、その上勾留延長食らったあげく公判廷にひきだされるわけだしね。

結局、女性を「合法的にやっつける」のは難しい、と言うことになる。


車内でのちょいとしたいざこざが、警察が出てきて、手続が進むと、「国家の犯罪」にシフトする。
でも、そんなご立派なことを急に言われてもピンとは来ない。
人間は、自分の周りのことを見るので手一杯。
「いざこざ感覚」からすれば、あくまでも騒いだ女性が敵になる。
ただ、その感覚のまま、訴訟制度にのせようとするとうまくはいかない。
訴訟は車内のいざこざという紛争を解決するのには不向きの制度だから。

映画「それでもボクはやってない」で、勾留中の主人公が、事件当時の車内の位置関係を思い出すためにメモを取っていて、被害者の女子中学生のうえに何度も強く抹消の線を引くシーンがある。
憎むべきではない相手を憎んでしまう人間の弱さを良く描写していると思う。
さすが映画だけあって、主人公は最終的にかなり人間がでかくなっていて、解脱の域に入っていたが、実際は、そうはいかないよね。

いわゆる痴漢冤罪事件で、一番難しいのは、自分に起こった出来事を完全に視点を変えてとらえ直すことを迫られること、つまり、無理矢理人間としてでかくなれって迫られることなんじゃないかなって思うときがある。


追記 09年6月11日
現在この事件は男性側が上告した最高裁で、「事件当時、姉ちゃんと携帯で話をしていた相手の証言について調べ直すよーに」と差し戻されている。
これは必ずしも男性が勝ったことを意味するものではなく、
この携帯で喋っていた相手というのが唯一の第三者なので、裁判の公正のために証拠をよく吟味するように、という意味と思われる。

追記 10年5月6日
差し戻し審 東京高裁 H21.11.26
痴漢行為の存否について明確な判断を示さず、立証責任により男性側請求棄却。

男性側は痴漢行為の存否にこだわったらしいが、
この判決のような立証責任による処理が妥当な線だと思う。
この判決はマスコミに取り上げられなかったので、ブログの掲載が遅れた。
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by k_penguin | 2007-09-02 11:26 | ニュース・評論 | Trackback(1) | Comments(2)