『道元の冒険』

1971年初演の井上ひさしの初期戯曲。演出蜷川。
俺は役者目当てで観るってことはないのだが、今回は別。
だって、栗山千明様がご出演なさるんだもーん。

と、いうわけでいそいそとシアターコクーンへ。
作品自体は3時間半の長さと、脚本自体が古いものだと言うことで、期待は多少割り引いておいた。・・・井上ひさしって、まだ生きてたっけか?


日本曹洞宗の開祖・道元の半生を紹介する劇中劇がメインなんだけど、10人の俳優が47役で大忙し。しかも随所に歌がはいり、それもブルースからオペラまで。
歌は皆決して完璧ではないが、これだけたくさんやることがあるのだから仕方がない。みんな芸達者だし、よく頑張っていると思う。
千明様も走り回って頑張っておられた。ありがたや。
道元の青年期をやった北村有起哉がはじけていて面白かった。

しかしみんなドタドタやって、歌いまくっているのを聞いているうちに、このままテーマがよくわからないままドタバタ進んじゃうのかなーって心配になってきた。
心棒無しで3時間半はちょっとヤバイ。
開幕直前まで熱心に『ハリーポッターと死の秘宝』を読んでいた隣のおばさんもうつむいて目を閉じ始めた。
しかし、さすがは井上ひさし。
聞き流して見て楽しんでいるうちに、何となーく、禅宗の目指すところとか、悟りとは何か、道元が目指したものは何かが理解できるような気分になってくる。
『私家版日本語文法』みたいな感じたなと思った。
貴族でなくても、特別な人でなくても、座禅を組んだり念仏を唱えたりする暇が無い人でも悟りを得ることはできる、という道元の考え方に一般大衆が共鳴した、というのもわかる。
悟りを得るための苦悩と狂気は似ていて、時代と場所が変われば、狂人扱い、ということもわかる。
うーん、でもね・・・悟りって、そこまでして欲しいものかな?
何でもかんでも悟れば一件落着みたいな感じだけど、それは現実逃避してるだけの場合があるんじゃない?(現に比叡山の僧兵の前に道元はピンチにある)
現代を生きるのほほんとした俺のそーゆーテーマに対する距離感の差が、結局伝わりにくさとして残ったように思う。
『ハリーポッターと死の秘宝』おばさんも寝たり起きたりしていた。
そりゃハリーポッターの方が入り込みやすいもんね。


脚本は現代に合わせて手が入っていたので時代錯誤で引くようなギャグは無かった(井上ひさしはまだ生きていた)。
ただ、ロボトミー手術の下りは時代を感じたし、実は精神病院でしたのオチも、当時としてはアリだけど、今となっては「夢オチ」と同じくらいピンとこない(でも、リアルタイムで放映中のテレビ画面を使ったのはインパクトがあった)。

基本的に面白いが、やはり長くてしんどい。
結局、時代が変わったってことなのかねえ・・・。
[PR]
by k_penguin | 2008-07-26 22:01 | エンタ系2(ライブレビュー) | Trackback(1) | Comments(2)
トラックバックURL : http://shiropenk.exblog.jp/tb/9303311
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Tracked from 栗山千明さん応援blog.. at 2008-08-03 18:32
タイトル : 「道元の冒険」大阪公演
今日から「道元の冒険」大阪公演がシアターBRAVA!で始まりますね。 なんと!まだ楽日までチケット買えるようです!! チケットぴあですと今日現在8/5(火)からなんと楽日まで入手が可能エッ?(?_?)エッ? 京阪神の皆さん。 これは見逃す手はありませんよ! ちなみに東京公演での評判は下記blogの如くでした。 tb(敬称略) ☆旅メモ観劇メモ☆:楽日の模様をレポ!完成度一段と上がったんですね!すっげぇ!楽日に高橋一生クン来てたんですか!彼は栗山千明さんとの共演多いんですよ! 静流の小...... more
Commented by バイダール二世 at 2008-07-28 19:52 x
千明さまのファンだったのですねっ!
実は、誰が好きなのかなぁ~って、すこぉ~し気になってました。
井上ひさしさんと言えば、学生時代、ひよこの選別のお話を電車で読んでて、まだ恥じらいのある?時代だったので、必死で笑い堪えた記憶が鮮明に残っております。
あ、とりあえず、自己的趣味復帰、第一弾としてmacからwinにしました。ペンギンさんの所、美しく見えております。。。。
Commented by k_penguin at 2008-07-28 21:20
千明様は御年11歳の頃の写真集『神話少女』(ヌードが載っているので今や伝説)から好きです。
実に絵になるお方です。
でも『バトルロワイヤル』は観てなかったりして、まあ、そんな感じ。
今回初めて生千明様を、前から5列目で拝むことが出来ました。

Mac
アクセス解析をみると、Macでこのブログを見る人は結構多いです。
小林賢太郎関係の記事を見る人にMacの人が多いみたいです。