NYLON100℃ 『犬は鎖につなぐべからず』

ケラの関わる作品は今まで2作ほど見てきたが、今回は見ないつもりだった。
彼の作品は面白いけれど、長いし、内容がヘビィでしんどいからだ。
しかし、最近不満が残る舞台観覧が続いたので、少々しんどくても、確実に「元がとれる」ものを観たいと思い、この作品を見ることにした。
だから今回の俺的テーマは「元を取ること」。

公演も終わりに近づいていて、チケットはオークションでは手に入りにくい状況だったが、念のためにチケットぴあにあたってみたら、意外と少し残っていた。しかも最前列。
ちょっとお得。

舞台美術が古賀春江の絵みたいな雰囲気で良かった。
豆千代が監修した着物もモダン。
良いデザインのものを見ると、やっぱ、得した気分になれる。
ここもお得。

今回は岸田國士の作品7つを1つにまとめたもの。
元作品を読む暇なかったけど、話が分からなくなることはなかった。
7つ(実質5つか?)を一度に見られたのだから、これもやっぱお得ポイントかな。

青山円形劇場はその名の通り丸い舞台で、客席も扇形に広がっている。
上手下手のソデというやつが無く、花道を使わなくてはならない場面チェンジに特別の工夫が必要そうだったが、面白くこなしていた。
たくさんの話が進行するわけだから、当然場面チェンジが多くなるが、そのうちのいくつかを俳優達が総出で行うところがあって、そこの動きが良かった(振付、井出茂太)。
うーん、お得。

俳優さん達はみんな着物を着たときの立ち居振る舞いがきれいだった。
特に緒川たまきが、びゅーちほー。
手を伸ばせば着物にさわれそうな最前列でじっくり見られて、これもお得。

もちろん笑えて楽しい舞台だった。
これは確実なお得ポイント。


内容なんだけど、「夫婦のあり方」がたくさんの話を1つにつなげるテーマぽかった。
そのテーマについて、何かはっきりした主張が見えたわけではなかったけれど、夫婦なんて「かくあるべし」なんてものもないから、別にそれで無問題だし、それよりも、何気ない会話の中に見え隠れする人間のビミョーな何かが面白いって感じ。
『隣の花』の目木が、自分の家内を賞めた隣の奥さんに、
「しーっ、そういうこと(家内に)聞かれると、利用されますから。」
と言ったのが印象に残っている。
夫婦の口喧嘩になったときに女房が、隣の奥さんが自分を評価していたという事実を、自分を優位にするために利用する、という意味だ。
恋人同士のときは決してこんなことはないのに、夫婦になるとなぜ「勝ち負け」の問題になってしまうのだろう。
俺は以前から不思議だった。
今も理由は分からないままだけれど、昔からそういうものだったらしい。
多分これからもそうなんだろう。


ま、とにかく、元は十分に取れた舞台だった。
休憩はさむ3時間は長くてやっぱり疲れたけれど、ばっちり、満足。
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by k_penguin | 2007-06-03 18:52 | エンタ系2(ライブレビュー) | Trackback | Comments(0)  

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