G2プロデュース 『ツグノフの森』
2007年 05月 25日
見ようと思ったのは、G2と片桐仁の2つで合わせ技、といったところ。
G2の作品でいままでに見たのは『ダブリンの鐘つきカビ人間』のみ。
チラシに「ファンタジック・コメディー」と書いてあるのだが、どーもチラシのデザイン及びストーリー紹介からは信じがたい。むーん、ホントに笑えるんだろうか。
と、首をかしげつつ向かった三鷹市芸術文化センター、星のホール。
中ホールかと思っていたら、小ホールだった。でもほぼ満席。
で、見た結果は、
そこそこ笑えるし、「つかみ」は一通りそろえているが、惜しむらくは、よく分からない。
後ろの席の人も、わかんねーって言ってました。
謎が多いのって、好きな人は好きなんだろうけれど、「謎を解きたい、知りたい」っていう気分になれないと、「わかんねーよ」で終了してしまう。
孤独で悲しい森の雰囲気は全体的には出ていたし、「ツグノフ」が「償う」の古語から来ていることからして、罪と償いがテーマなんだろうなとは思うんだけど(マルケスの『百年の孤独』みたいな雰囲気を目指したんだと思う)、個々の登場人物がもつエピソードが今ひとつ理解できなかったのでそこで考えるのがストップしてしまった。
特に、ヒロインのミシオが、何に対して罪悪感を抱いているのがはっきり分からなかったのが大きい(母親に対してなのか父親に対してなのか?)。
全体的に台詞を噛むのが散見されて、主にそこで笑いを取っちゃってるあたりが残念。
久ヶ沢徹は噛んだときの処理がうまかった。
片桐仁は役にはまってたが、主役というほどには何かするわけではなかった。
ラーメンズ以外でのこの人はいつも、もうちょっと出来そうなのにって感じがする。
福田転球が「深かった」。
二次元の世界からきた「ぺらぺら」の持ち込んだ二次元パワーにより、日本全土が数字パズル状態になり、首相官邸は行方不明、三鷹の森は謎のジャングルになり、三鷹市は武蔵野市と戦争を始め、三鷹新市長は、三鷹の森を夕張市に売る計画を立てる。
って、楽しい設定なんだから、もうちょっと盛り上がっても良さそうなものなのに、どうも今ひとつなのは、あちこちわからないから。
まず、二次元が何の比喩かが分からない。
二次元人間「ぺらぺら」には表しかなく、裏がない。
この形状は、3Dソフトをいじったことがある人ならすぐにイメージできる。板ポリ一枚(両面レンダリング無し)がそれだ。
また、二次元パワーの1つである、平面である絵から立体を作出する方法もCG技術としては開発されている(『マトリックス』などに使われていて、実写合成に威力を発揮する)。ただし、立体を作るには、少なくとも2方向からの投影図が必要だ。
ツグノフで「二次元」は単なる比喩で使われているっぽいので、この辺の設定に文句を言ってもしょーもないとわかっているのだが、何の比喩なのかが分からないので、しょーもないことに文句を言い出してしまう。
だいたい、「ぺら」ってなった時点で三次元の動きしてるしねぶつぶつ。
つぎに、姉弟の家庭環境がよくわからない。
あまり貞操概念が無さそうな一家だということだけは分かるが。
母親は、自殺したのではなく、知的好奇心から二次元の世界に一人旅立ってしまったのだと思うが(見えないけれども人に襲いかかったりできるバークレイは二次元の生物と考えるのが、最もすんなりいく)、そうだとすると、一番悪いのは、家族に一言も言い残さずに自分のやりたいことやるために出て行ってしまった、母親ってことになるんじゃないかと思うのだが。
また、ミシオの父親はキーマン(キードクロ)なのに、説明が足りなさすぎる。てっきり死体は母親のものと思っていた。
てゆーか、母子家庭で大変だったんだなー、だから母娘の精神的つながりが密なのかなー、とか思ってたのに・・・。
えー、家庭内のことに口を挟むのは失礼なのですが、もう少し家族で話し合ってから、バークレイをなでなでした方が良いと思う・・・。
あと1つ、ぺらぺらはどうやって画家にミナヅキの顔を想像させることが出来たのかの説明が欲しい。面白く説明してね。
とりあえず、以上のことが分かれば、ずっと面白く見られると思う。
G2の作品でいままでに見たのは『ダブリンの鐘つきカビ人間』のみ。
チラシに「ファンタジック・コメディー」と書いてあるのだが、どーもチラシのデザイン及びストーリー紹介からは信じがたい。むーん、ホントに笑えるんだろうか。
と、首をかしげつつ向かった三鷹市芸術文化センター、星のホール。
中ホールかと思っていたら、小ホールだった。でもほぼ満席。
で、見た結果は、
そこそこ笑えるし、「つかみ」は一通りそろえているが、惜しむらくは、よく分からない。
後ろの席の人も、わかんねーって言ってました。
謎が多いのって、好きな人は好きなんだろうけれど、「謎を解きたい、知りたい」っていう気分になれないと、「わかんねーよ」で終了してしまう。
孤独で悲しい森の雰囲気は全体的には出ていたし、「ツグノフ」が「償う」の古語から来ていることからして、罪と償いがテーマなんだろうなとは思うんだけど(マルケスの『百年の孤独』みたいな雰囲気を目指したんだと思う)、個々の登場人物がもつエピソードが今ひとつ理解できなかったのでそこで考えるのがストップしてしまった。
特に、ヒロインのミシオが、何に対して罪悪感を抱いているのがはっきり分からなかったのが大きい(母親に対してなのか父親に対してなのか?)。
全体的に台詞を噛むのが散見されて、主にそこで笑いを取っちゃってるあたりが残念。
久ヶ沢徹は噛んだときの処理がうまかった。
片桐仁は役にはまってたが、主役というほどには何かするわけではなかった。
ラーメンズ以外でのこの人はいつも、もうちょっと出来そうなのにって感じがする。
福田転球が「深かった」。
二次元の世界からきた「ぺらぺら」の持ち込んだ二次元パワーにより、日本全土が数字パズル状態になり、首相官邸は行方不明、三鷹の森は謎のジャングルになり、三鷹市は武蔵野市と戦争を始め、三鷹新市長は、三鷹の森を夕張市に売る計画を立てる。
って、楽しい設定なんだから、もうちょっと盛り上がっても良さそうなものなのに、どうも今ひとつなのは、あちこちわからないから。
まず、二次元が何の比喩かが分からない。
二次元人間「ぺらぺら」には表しかなく、裏がない。
この形状は、3Dソフトをいじったことがある人ならすぐにイメージできる。板ポリ一枚(両面レンダリング無し)がそれだ。
また、二次元パワーの1つである、平面である絵から立体を作出する方法もCG技術としては開発されている(『マトリックス』などに使われていて、実写合成に威力を発揮する)。ただし、立体を作るには、少なくとも2方向からの投影図が必要だ。
ツグノフで「二次元」は単なる比喩で使われているっぽいので、この辺の設定に文句を言ってもしょーもないとわかっているのだが、何の比喩なのかが分からないので、しょーもないことに文句を言い出してしまう。
だいたい、「ぺら」ってなった時点で三次元の動きしてるしねぶつぶつ。
つぎに、姉弟の家庭環境がよくわからない。
あまり貞操概念が無さそうな一家だということだけは分かるが。
母親は、自殺したのではなく、知的好奇心から二次元の世界に一人旅立ってしまったのだと思うが(見えないけれども人に襲いかかったりできるバークレイは二次元の生物と考えるのが、最もすんなりいく)、そうだとすると、一番悪いのは、家族に一言も言い残さずに自分のやりたいことやるために出て行ってしまった、母親ってことになるんじゃないかと思うのだが。
また、ミシオの父親はキーマン(キードクロ)なのに、説明が足りなさすぎる。てっきり死体は母親のものと思っていた。
てゆーか、母子家庭で大変だったんだなー、だから母娘の精神的つながりが密なのかなー、とか思ってたのに・・・。
えー、家庭内のことに口を挟むのは失礼なのですが、もう少し家族で話し合ってから、バークレイをなでなでした方が良いと思う・・・。
あと1つ、ぺらぺらはどうやって画家にミナヅキの顔を想像させることが出来たのかの説明が欲しい。面白く説明してね。
とりあえず、以上のことが分かれば、ずっと面白く見られると思う。
by k_penguin
| 2007-05-25 23:13
| エンタ系2(ライブレビュー)
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