国策捜査のいろいろ   

ホリエモンに東京地裁の判決が下った。
この裁判については、公判前整理手続との関連が朝日に載っていて、証拠が事前に集約され、論点が絞られることの影響なんかが書いてあったけど、こちらの毎日の記事は、「国策捜査」を強調した法廷戦術という点に着目して書かれていて、で、ちょっと面白かったのだ。

「国策捜査」といえば、植草さんだ。
いや、普通そーゆー発想にはならないことは知っているのだが、うちのブログ的にはそういうことになるのだ。
さて、この毎日の記事には外務省の佐藤優氏も国策捜査の引き合いに出されている。
佐藤さんと堀江さんと植草さん。
国策捜査の主張があるこの3人について(まあ植草さんは自分で主張していないが、積極的に否定もしていない)、世間一般の印象は、佐藤さんが国策濃度が一番強く、堀江さんがそこそこ国策の香りがして、植草さんは全然。と、ゆーところだと思う。

そもそも、何をもって国策捜査というのかも怪しい。
起訴段階で政策的考慮が働くのは、起訴便宜主義が採用されている制度上、当然予定されていることだ。
ウィニーを使った奴でも、逮捕される奴とされない奴がいる。そして派手にやれば逮捕されやすくなる。
それは別に「あいつ目立ってムカツク」という理由で逮捕されるのではない。
逮捕による犯罪の抑止効果を考えてのことだ。派手にやらかす人を捕まえる方が、犯罪の抑止効果が高いのだ。
それは立派な国の政策で、そういう点で、まあ、国策捜査だ。
だから、犯罪をしたかしないかを棚に上げて、「目立つからって俺だけ捕まえるなんてずるい」という言い分は基本的に通らない。
ホリエモンの主張はこれに似ているが。

この、捜査や訴追を行うときにはたらく政策的考慮が、正当なものではなく、時の権力の恣意によるものじゃないかとの疑いが出て初めていわゆる「国策捜査」の疑いが出る、ということになる。
正当性が薄くなり、恣意の疑いが濃くなるほど「国策捜査」濃度が上がる。
この理屈でいえば、捜査・訴追の可能性皆無の場合、つまり証拠が総てでっちあげの犯罪が純度100%の「国策捜査」というやつになるはずだが、そういうものはまずありえないだろう。
国策がからむような重要人物はたいていなんかきわどいことをやっているからだ。
佐藤さんしかり、堀江さんしかり。
積極的なことをしなければ、重要人物なんかになれっこないもんね。

そーゆー意味で、「痴漢の実行部隊」の記録(( ´,_ゝ`)プッ)がネットに出てるって時点で、植草さんはかなりお気の毒だな、と俺はしみじみ思うのだが、ゆうたまさんの新・植草さん応援ブログに俺はアクセス禁止指定されているので(昨日になってやっと気がついた)、俺が何と書こうと、きっと向こうは向こうで粛々とやってゆくのだろーなあ。
きっと。
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by k_penguin | 2007-03-17 19:40 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(3)

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Commented by uneyama_shachyuu at 2007-03-18 21:15
コメント、あれがとうございました。ええ、小一時間ほど問い詰めるのは自戒の機会に致します(笑)。さて、「国策捜査」という話題でホリエモンを語る新聞も多いのですが(※関西には、『やしきたかじん』という視聴率のお化け的歌手の日曜番組で、全国的な人物が皆さん好き勝手に言っている)、ワタクシが聞いていると、①なぜホリエモン「だけ」が逮捕されたのか?②(東証の決定が)日興と比較し不公平③そもそも判例の量刑に合っていない…という三点に絞られているような気がしました。逮捕、東証の決定、実刑…さてさて?まず、少なくとも構成要件を満たす以上、逮捕・起訴されれば間違いなく有罪で、また、「軽いから量刑不当」と言っても、ティッシュ一枚盗んだ等の可罰的違法性の講学的な事例と比べ、多数の被害と法令違反があり、これも論ずるに足りない。出る釘は打たれるなどというものとも少し違う。アメリカだったら、もう二度と娑婆で活躍できない量刑を食らう。
Commented by uneyama_shachyuu at 2007-03-18 21:19
また、量刑不当というのも、おかしいかも。時代が変われば量刑が変わるのは、刑事裁判の常で、そうでなければ、最近の重罰化など、全ておかしいことになってしまい、国民の処罰感情と真っ向からぶつかる事になる。問題が残るのは、寧ろ東証の今回の裁定の方かもしれない、と思えるんですけど、ねぇ…きっと、株価のみならず、かつてのシテイのような海千山千のファンドが貪りやすくなってしまう、と思えるのはワタクシだけでしょうか?
Commented by k_penguin at 2007-03-19 01:21
やしきたかじんって、あの、訴えられた人ですね。
東京でも東京MXテレビというローカル局で番組が見られ、ときどき眼にすることがあります。

証券取引法とかあーゆー、計算系の経済犯罪ってよくわかんないんですが、量刑については、損失補填の粉飾ではなく、積極的に利益を生み出す粉飾であったという点が重い方向に評価された、というのが説得的に思えました。

日興についてはやはり不公平でしょう。
検察は何らかのアクションを起こすべきだと思います。
東証は、判決前(起訴よりも前だったかな?)のライブドアの上場廃止決定をしたときからいーかげんな奴だとは思っていました。
ぼろいシステム使ってたクセしやがって。( ゚д゚)、ペッ

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