『間宮兄弟』

お正月だよ!ツタヤレンタル半額。森田芳光監督作品。
DVDに80年代の作品である『の、ようなもの』の宣伝がついていたが、なるほど、現代版『の、ようなもの』という感じがする。
『の、ようなもの』はあわあわとした時代の空気が伝わる佳作であった、ような気がする。観たのかなり昔だし。

・・・しかし、時代は変わったのだ。

最近の邦画で見かける技に、話の最初にいきなり説明抜きでクライマックスシーンを持ってきてしまう、というのがある。乱暴だが、つかみとしては効果的な技だ。
で、この作品も、この「いきなりクライマックス」パターンだ。
でも、クライマックスが静かなシーンだったので、つかまれなかった。
後から分かってみれば、良いシーンなのだが、説明抜きで見せられても、「?」ってだけだった。

兄弟を中心とする特別な空気感が良く伝わってこない。
兄弟は俺の目には、ただの内気なマニアさんとしか映らなかった。
部屋はいい部屋だが、本棚の本の内容も、コレクションも多彩すぎて、何のマニアなのかがいまいちぴんとこない。何のマニアなのかは人柄を知るのに重要だ。

間宮兄弟は、よく、「モノ」に仮託して自分の心情を表現する。
無理矢理友人の離婚の話し合いの場に引きずり出された兄は、食べられないまま捨てられるであろうお総菜の運命に言及することによって、自己中な夫婦を暗に批判し、弟の、好きな人への気持ちを伝え方は、自分で編集したMDを渡すことだ。
この作品に限らず、『家族ゲーム』でのSPACE WARPなど、森田監督の作品には、モノによって微妙な雰囲気などを伝えることが多い。
しかし、時代は変わった。
モノが多すぎるのだ。しかもモデルチェンジも激しく、マニアックに細分化されている。モノが持つイメージが希薄になっていて、どのような意味を表現したいのかを考えるのに手間がかかる。
弟の好意を拒絶するとき、大垣さおりはiPodを見せる。MDというメディア自体を使わないことを示して、弟の気持ちの伝わらないことを表現しているのだ。
しかし、弟は、MDプレーヤー(抗菌イヤホン付き)ごと曲を渡しているから、iPodを使用していること自体は拒否の理由にならない。
俺にはさおりのやったことはただの嫌味にしか見えない。

モノに囲まれ、日々の暮らしを丁寧に生きている兄弟。
決して悪くはないはずなのに、「うーん、これでいいのか?」って感じがしてしまう。
女性陣も、ビデオ屋の店員の妹、夕美以外は、あまり魅力的ではなかった。ふつーの恋愛をしていて、ふつーの打算をしているふつーの人だ。
兄弟はいわゆる「いい人」なだけに、なんか、女性になめられているだけ、という感じがする。
モノの多さが、逆に心の弱さを示しているような気がして仕方がないのだ。

つまり、結局、やっぱり、時代は変わったなあって思ったのだった。
これからも変わるんだろうな。
今年はいい年になりますよーに、と。
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by k_penguin | 2007-01-04 17:29 | エンタ系 | Trackback | Comments(2)
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Commented by uneyama_shachyuu at 2007-01-04 19:10
沢尻エリカは、どうにも「今半歩、突き抜けてこない」女優ですねぇ(汗)。ワタクシも、この作品を拝見しましたが、一番印象が無い…全く無い女優でした。他の作品でも、「代替が利いてしまう」と思いました。ご本人は、若手No,1と思っている節がありますが、彼女の出演作は、テレビも映画もコケ続け。強すぎる強敵たち、特に彼女がライバル視している長澤まさみなどと比べると、印象度の違いが一目瞭然。蒼井優や、まして「のだめ」上野樹里などとは、個性の濃さでは比較の対象にすらならない程だと、この作品で強く思いました。
…しかし、昨日の「明智光秀」での長澤は、最近のプリンターのCMでも思いましたが、余りの激太りに大変ショックを受けました(汗)。
Commented by k_penguin at 2007-01-04 23:15
沢尻エリカ、第一印象はかわいくてgoodなんですがねえ。
喋って動き出すと、何かぱっとしないんですよね。
名前もいつまでたっても沼尻エリカと間違えるし・・・。
ある意味、「ビデオ屋のちょっとカワイイだけの店員」として適役ですが。

あ、そーいえば、ドランクドラゴン鈴木はいかにも「カワイイ店員が辞めた後にきた新人店員」ぽくて、適役でしたな。