NYLON100℃『ナイス・エイジ』

2000年に初演した作品の再演であるこの作品を見に行ったのは、この前見た『噂の男』(演出がケラ)が面白かったからだ。
ケラリーノ・サンドロヴィッチは名前は昔から知っていたが、作品は見たことがなかったし。

間に休憩を挟んで3時間30分の大作。出演者数も多いし、場面転換も多い。
だって、一家4人が全員別の時代にとばされて、そこでそれぞれのドラマが進行するのだ。そりゃもう大騒ぎ。
ちょいちょい同じ場所で2つのシーンが同時進行することすらある。
最初はとまどったが、空間の使い方がうまいから、混乱はしなかった。

で、一家4人がそれぞれとばされた時代でがんばるのだが(マッドサイエンチストな時次君(大倉孝二)、姉ちゃんまでかってに改造して大活躍!)、結局何も変わらないのだ。
長女が、後に御簾鷹山に墜落する飛行機に乗るのは止められないし、特攻に行くおじさんは結局交通事故で死んじゃうし、時雄はダメ芸人神田正にいれあげる。バラバラだった家族の心も、何かが変わりそうになったときに、司令部のプランBの発動でみんな記憶を失ってしまうのだ。

一般にお話って、最初と最後で何かが変わらなくてはいけない、とされている。
主人公は成長するし、考え方が変わったりとかする。
何も変わらないんじゃ、お話を見るだけムダってことになっちゃうからだ。
じゃあ、この3時間30分、ムダだったかっていうと、やっぱそうは思えないのだ。
聖子ちゃんカットの長女は本当は大阪に恋人がいることを告白し、1つ自由になる。時雄は若いときの母親と幸せなひとときを過ごす。
まあ、どーせ死んじゃったり、忘れちゃったりするわけだけれど、考えてみれば、人間はみんないずれ死んじゃって忘れられる存在なのだ。その事実が提示されるとされないとで人生の価値ある一瞬の輝きが色褪せるわけではない。

ラストの、堺井夫妻が、プランBが発動しても、互いが愛しあっていることを忘れないようにと手をしっかりつないで眠りにつくシーンは、まるで若い恋人たちの誓う永遠の愛の約束のようにはかなくて美しい。
その一瞬は間違いなく本物なのだ。

・・・たとえ寝相が悪くて忘れてしまってもね。


面白いから時間の長さは気にならない。が、やはりヘビィだ。
ヘビィなだけの価値はあるけど。




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記事をUPした瞬間に多量につく迷惑トラバをはずしていたら、こうなった。
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トラックバック欄を開いている間に1つ新しいのがついたらしい。
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by k_penguin | 2006-12-14 12:16 | エンタ系2(ライブレビュー) | Trackback | Comments(0)
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