『TAKE OFF~ライト三兄弟~』 Take2 離陸前夜の出来事についてのサポート

『TAKE OFF』の飛行テスト前夜の出来事について、篠田の心の動きがわからないという意見が散見されている。
実は俺も最初はわからなかったが、コメント欄でのやりとりを通じてやっと理解できた。皆さんに感謝。

とりあえず結論のみ書く。作品の理解の参考にしていただきたい。
突発的なメモなので、散文的だけど、ご了承を。何か質問あったらコメント欄で。
ネタバレがどーのとか文句言う奴は、見るな。

飛行機オタクの篠田はフライヤーを独占したかった。他の2人からフライヤーを奪い取りたかった。だからこっそり盗み出し、「金持ちのバイヤー」に売ろうとした。
ここでの目的は金ではない。フライヤーの独占だ。それを愛と呼べるかどうかはここでは保留しておく。

篠田は「金持ちのバイヤー」が自分の味方だとは思っていない。ただ、フライヤーの運命は自分の手の中にあることを他の人に見せつけたかっただけだ。見せつけるためには、フライヤーを不幸にすることもいとわなかった(ここでのフライヤーの幸福とは、飛ぶことだ。「飛行機は飾るものではなくて飛ばすもの」だから)。
この独占欲が他の2人を裏切るものであることを篠田は十分承知していた。
いや、誰だってそのくらいはわかるだろうけれど、篠田はそれ以上の罪悪感を感じていた。だって、それは愛するフライヤーをも裏切ることだったから。
篠田は既に罪悪感と独占欲(もしくは愛)の板挟みにあった。
欲に目がくらんではいたが、どこかで誰かに自分を止めて欲しかった。
織部が、篠田にあびるが殴りかかるのを止めた後、「仲間に戻るなら今しかない。その気がないなら、俺達に一発ずつ殴らせろ。」と言う。
最後のチャンス。行くか戻るか。
その瞬間、篠田の頭に浮かんだものは、多分仲間の2人の顔ではない。自分の欲でもない。
フライヤーだ。

篠田の「離陸」したい動機。
篠田自身が離陸したかったのではない。
篠田は離陸させたかったのだ。愛するフライヤーを。
愛するフライヤーを離陸させ、幸せにすることこそが、篠田の「TAKE OFF」だったのだ。
フライヤーを手放し、その場に崩れ落ちる篠田の未練を断ち切るように織部は言う。
「飛行機は、卒業だ。」
子離れしろ、という意味だ。

あびるは自転車、織部はスクーター、自分の一番大切な乗り物を差し出した。「離陸」するには金属パイプとエンジンが必要、だからだ。
篠田だけが出していない。
篠田が差し出したものはフライヤーだったのだ。
「離陸」するには「仲間が3人」必要だからだ(フライヤーが必要なのではない)。

この話の真の主役は、フライヤー「HAE」だ。
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Tracked from ペンギンはブログを見ない at 2006-06-25 22:19
タイトル : 『TAKE OFF』Take3 篠田はフライヤーを供出し..
みなさんこんばんは。 ここ1ヶ月、ほとんど社会性が無くなってしまっているブログに顔をしかめている白片吟K氏です。 『TAKE OFF』なんですが、こーゆー解り辛い作品を無理に理解してやる義理も筋合いもない、と知ってはいるのですが、何となくムキになっています。 Take2で示したが、篠田がフライヤーに対する独占欲に支配されている状態から、フライヤーの幸せを考えるという成長をとげたということ、そしてそれはあびると織部が自転車とスクーターを供出したように、フライヤーを供出する、という形で示され...... more
by k_penguin | 2006-06-21 00:26 | エンタ系 | Trackback(1) | Comments(0)

法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


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