『華氏911』   

2005年 07月 26日

言わずと知れたマイケル・ムーアの問題作。
俺が聞いた範囲ではあまり評価は高くなかったので、後回しになっていた。

見ていてふと気になったのは、監督自身を映しているシーンが 「ボウリング・フォー・コロンバイン」と比較してかなり少ないこと。
「ボウリング・フォー・コロンバイン」はつかみ所のない社会の闇に対して個人がこつこつと考え、推測し、それを検証していく過程が面白かった。主張それ自体より、むしろ、何かに対して誠実に向かい合う姿勢に好感が持てるのだ。これはある意味ブログ的な手法といえる。
そこでは、考えながら歩く監督の姿が何度も映されていた。

しかし「華氏911」では検証の要素は少なく、主張の要素が強い。監督自身は引っ込んで、論だけが前面に出てくる。
そーするとどーなるかというと、ブログではなく、2ちゃんになるのだ。
なんつーか、勢いだけで、ものを言っているような、「それ、どっかあやすぃ」って印象になるのだ。
これはちょいとした発見だった。
個人が何かやるには、誠実さだけが武器なのだ。

また、こういう、個人の視点で取り扱うには適さない題材だという気もした。
「ボウリング・フォー・コロンバイン」のような、社会と個人の関わりとかを題材にするならばよいけれど、国際戦争並みのでかい政治問題になると、なんつーか、それなりの俯瞰的視点が必要なんじゃないかという気がする。
サウジアラビアとの癒着なんて「お友達でーす」じゃすまないくらいいろいろ複雑な事情があることくらい簡単に推測できるしね。
戦死した兵士の家族の取材とかに限定すれば、個人的視点でも行けたと思うけれど、でもそれだけじゃ、既存のものと変わらないしなあ。

まあ、でもいろいろお勉強にはなりましたので、いいかなっと。
そーそー、ショートムービー集「10ミニッツ・オールダー」に入っているスパイク・リー監督の「ゴアvsブッシュ」はまた別の表現方法で、比較してみると面白いぞ。
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by k_penguin | 2005-07-26 02:22 | エンタ系 | Trackback | Comments(0)

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