『ポツネン氏の奇妙で平凡な日々』KENTARO KOBAYASHI SOLO PERFORMANCE 2014/2015

小林さんは多分もう40歳くらいだと思うのだが、いまだ自分がやるべきことがよくわからなくて、謎めいた町をさまよって、何かを探している。
しかし、いい加減40くらいになると、ふらふらすることを周囲の環境が許さなくなってくるというものだ。
この前竹熊健太郎がTweetで、
自由業は40過ぎたらだんだん仕事が減る。なんで減るかというと、仕事を発注してくる社員編集者が、だんだん自分より年下になるから。と、いうようなことを言っていて(https://twitter.com/kentaro666/status/520884631885713408)、なるほどと思った。
まあ、仕事の発注自体が減らなかったとしても、新しいことにチャレンジするのは、一緒に面白がってくれる人を見つけやすい若い人方が40過ぎのおっさんより格段に楽だ。
40を過ぎると、流行が2周3周していることを肌で感じるようになって、そうすると、あまり物事に新味も感じなくなるというものだ。
小林さんも最近仕事を頼まれるようになったようだが、そこでは「小林賢太郎っぽいこと」、言い換えれば、ピタゴラスイッチとにほんごであそぼを合わせたようなアレ、しか求められないだろうと思う。
そんな小林さんの変わりつつある環境を、小林さん自身はどう思っているんだろう?

前置きが長くなったが、そんなことを考えながら下北沢に降りたら、駅の様子がめっさ変わっていて、自分が降りるのが北口なのか南口なのかわからなくなり、しかも、駅前も様子が変わっていたので、更に迷ってしまって冷たい雨の中15分くらいかけてようやく本多劇場を見つけた。
かくのごとく、本人が変わらなくても社会のほうが変わっていくのだなあ。などどぶーぶーいいながら席に着く。
今回は、『P』と同じく、海外公演(パリ、ロンドン)の前振りで、日本では東京公演だけだし、てことは、多分、海外公演終わった後、『P+』みたいにリニューアルして「ちゃんとしたやつ」を日本各地でやるんだろうし、それはつまり、今日のこの公演は『P』と同じく、「有料リハーサル」に過ぎないということだ。それでも劇場はちゃんと満員だった。若い人も多い。
舞台上には見事なくらい何もなかった。バミリすら2つくらいしか見えない。奥にスクリーンが1つ。てことは、『P』と同じように映像と絡むやつがメインなのだろう。移動には便利そうだ。
アンケート用紙がないことに気がついた。これは俺が知る限り初めてのことだ。小林さんは、客の反応が大好物だと思っていたが・・・。

そして舞台が始まった。
ポツネン氏は言葉は喋らない。台詞のような説明のような文がときどきスクリーンに文字で出る。
内容は大体『P+』と同じ。ポツネン氏はたくさんの扉をくぐって赤外線をくぐったり引っこ抜いたりして、あげく謎めいた町をさまよい、手男とか、ほとんど同じことをやっていた。

でも、作りは今までとは微妙に違ってきていて、
今までにあった「察して下さいオーラ」がなくなったな、と感じた。
変な説明をしてますます煙に巻いたりすることがなくなって、わからないことはわからないままでどんどん先に進む感じ。
また、笑いを取ろうとする意欲がますますなくなってきた、という感じがした。
面白い部分もあるはあるのだが、それは、客を笑わせよう、というよりは、客の目を引きつけておこう、という意図が感じられた。
自分の気持ちを察してくれなくてもいいし、笑わなくても、飽きずに舞台を1時間ほど観ていてくれれば良い。
作品がこういう物になったので、作品の意図と客の受け取るものがほぼ一致することになった。要するに、破綻のない作品になったのだ。
カーテンコールのときに、小林さんは
コントだかパフォーマンスだか何だかわからないものだけど、これはこういうものなんだ、と言った。また、これだけの人が劇場に来てくれただけで嬉しい。
と、いつも言うようなヒッキー的なことを言っていたけれど、今回初めて俺も
そう思うだろうなって思った。
作品もそう言っていたからだ。
客は来てくれるだけでよくって、もう感想も必要としないんだろう。
小林さんもそろそろ落ち着くところに落ち着くお年頃というわけだ。

次回、深読み編
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by k_penguin | 2014-12-21 01:12 | エンタ系2(ライブレビュー) | Trackback | Comments(0)
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