ナイロン100℃ 38th SESSION 「百年の秘密」

ナイロンの久しぶりの新作。チケットを買ったのはナイロンの新作と言うことと、マルケスを意識したタイトルに引かれて。
でもその後、「今回は笑いがない」というケラの言葉にショックを受け、行くかどうか迷った。
最近忙しくてしんどいから笑いたいと思ってたのになあ。
ケラの作品はただでさえ長くて重い。しかも今回の話はメイドの目を通して2人の女性の一生を語るらしいし、登場人物多くて名前と関係把握するのがめんどくさそうだし、そのうえ、笑えないんじゃ・・・。

でも結局行ったし、行って良かったと今では思ってる。
最初に登場人物全員がいきなり出てきて、話をぱぱんと整理した状態にしてくれたのは嬉しかった。それに続くオープニング映像もかっこいい。
オープニング映像は毎回かっこいいのだが、今回は特に力はいっていた。
そんなわけで、開始10分後には楽な気分で舞台に集中できた。

笑いがないといっても別に辛気くさい話というわけではなく、適度に笑うシーンもあったし、泣けるとこも結構あって、
カバンからハンカチを出すのは休憩時間でいいや、と思ってたら、けっこう序盤から必要で、で、そんなときに限ってカバン探ってもハンカチ見つからなくって、で、かわりに見つけたティッシュでグズグズやっていて、
そんな感じでけっこう手の中に丸めたティッシュがたまって、で、舞台では一気に40年くらいとんだり、また20年ぐらい戻ったりしていて、おかげでこっちは大河ドラマ1本見た様な気分になったけど、実はあまり時間経ってなくて、
で、だんだんお尻が痛くなってきて、舞台では主役のティルダ(犬山イヌコ)とコナ(峯村リエ)の息子と娘が白髪の年寄りになって家の真ん中にある、話の象徴的存在の大樹が切られる話になってるから、そろそろ話、終わりかなって思ってたら照明がブラックアウトして・・・

 前半が終わった。ここまで2時間。
(TmT)ウゥゥ・・・  きっついわー。でも樹が切られるのかどうか知りたいから後半も観よう…。

そんなこんなで全部終わったときは3時間40分経っていた。
最後のシーンでは、ティルダとコナは12歳だった。
うーん、スペクタクル。



後から考えると、いろいろ腑に落ちないことが多い。
最も分からないのがポニーの父親をめぐるあれこれで、いくら電撃結婚っていっても、婚約前にやった男と結婚相手と、どっちが父親か分からないって、あるか?とか思う。
あと、カレル(萩原聖人)が結局知ってたのかどうかも分からない。知ってたらコナの裏切りとして手紙の件を上げるのは変だと思うし、知らなかったらコナとフリッツの結婚に反対していた理由が分からない。
それから、話の中心となり、ティルダとコナの友情の核となる「秘密」のことなんだが、まあ、それは手紙の件のわけだけど、そうだとすればカレルへの恋心が関わるはずで、それは2人の最後の言葉「彼にかけられた催眠術をとかなくちゃ」からもそうだと思うんだけど、
そのわりにはティルダとカレルの関わりが薄いように思う。コナがアンナ先生に似ているらしいことからすれば、コナがカレルの催眠術解除担当だったのかしらん。よくわからん。
ティルダのキーマンは兄のエース(大倉孝二)らしいのだが、彼がティルダとコナの友情にどう関わっているかもわからない。

というように、よく考えりゃよくわからんのだが、
それでも、まーいーや、と思えるのは、人間性がいろんな方向からよく出ているので、群像劇として観ればオケになるから。
ケラの作品の特徴なのか、女が胸はって生きてるのに対し、男は(ノ∀`) アチャーってほど幼児性が高い。
カレルなんて、愛を貫いているんだから話によってはもっと素敵に見えて良いはずなのだがただの自己中にしか見えず、コナの裏切りとして手紙の件を上げたときは(#゚Д゚)ハァ? って感じだった。
父親に精神的に追いつめられてしまったエースに万引き癖があるという設定は個人的にツボ。やっぱいいな、大倉孝二。
あとチャド(みのすけ)の貧乏くじっぷりが素敵。

グズグズ泣いてスッキリできる。
でも3時間半。
これをどう評価するか、だな。
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by k_penguin | 2012-05-12 02:11 | エンタ系2(ライブレビュー) | Trackback | Comments(13)  

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Commented by ぽんたろう at 2012-05-12 11:22 x
笑いを封印したということで、私も今回はスルーしようかと思ったのですが、
チケが余ったという友人に誘われ、初日に観てきました。

・・・で、泣けなかったです(笑)
演劇に「泣き」を求めない(求めたくない)性分のせいでもありますが、
二人の友情にグッと来なかったのが一番の理由かな。
ケラが描く女性は、強くて自分勝手でドライで黒いところが魅力だと思っていますから、
私は主役の二人より、コナをいじめてた同級生(名前忘れちゃった)の方が心に残りました。
Commented by ぽんたろう at 2012-05-12 11:23 x
笑いはともかく、女の友情のドス黒さまで封印したのは、どういうことなのかなあ。
あと大樹はもっと支配的であってよかったし、最後に屋敷ごと燃えてしまえばいいのに…
なんて思う、私の心が真っ黒ですね(笑)

オープニング映像は最高にカッコよかったですねー。セットも見応えがありました。
あとは、みのちゃんの真骨頂「イノセント馬鹿」が存分に楽しめたので、その点は大満足です。
Commented by k_penguin at 2012-05-12 12:41
確かに、いつものケラのような展開を求める方には
食い足りないかも知れなかったかもしれませんね。
一人一人は人間としての魅力がそこそこあるから、つまらないお芝居だとは思わないんだけど、
特にぐっと来る人やぐっと来るシーンがなかったのが残念でした。
ワタシの涙腺は比較的ゆるいので、ずーっとグズグズやっていたんですけど、
特にこのシーンは泣けるぞ!というお勧めを記事に挙げることが出来ませんでした。
主役の2人も主役!と言うほどにはアクが強くないし、ワタシの印象に残ったのは、やっぱエースかな。
Commented by k_penguin at 2012-05-12 12:41
>女の友情のドス黒さ
多分「ドス黒さ」は手紙を埋めたことに集約されているのではないかと思います。
ドス黒い物の上に友情が育つことと、手紙の上に大樹が伸びているのをなぞらえたのではないかと。
コナの浮気なんて、確実に親友の持ってる物を取ってみたいという感情が混じっていて、そこはやろうと思えばもっとドス黒く描けたと思うのですが、
その辺曖昧にしているあたり、手紙の秘密の方が大切なんだなって思いました。
だから最後に、手紙を渡さなかったことを後悔しかけているコナにボケかかってるティルダが、
「あんな手紙破いて捨ててしまえばいい」と言ったのはやっぱ救いでしたね。

大樹はグランダールボよりましな大樹だったのでw
それだけでいいかな、とw
屋敷ごと燃える最後の方が演劇的には(ケラ的には)普通なんでしょうが
あえてしなかったのは、震災の影響っつーか
もうそーゆー死んじゃったり壊れちゃったりするのが
イヤんなったんだろーな、と思いました。
Commented by ぽんたろう at 2012-05-12 14:07 x
ええ、つまらない芝居では全然なかったです。

>ドス黒い物の上に友情が育つこと

そうですね。大樹がその象徴というのは納得です。
が、だからこそもっと束縛感(大樹の禍禍しさ)が出てもよかったんじゃないかなーと。


>震災の影響

こういう方向に出たのは、正直なところ残念でした。
笑いだけでなく、ブラックまで捨ててしまったら、ケラを観る意味は私にはないなあ。
Commented by ぽんたろう at 2012-05-12 14:19 x
こういう「ケラっぽさ」を求めるオールドファンも嫌なんでしょうね(笑)

そういえば三谷幸喜も『90ミニッツ』で笑いを封印しましたね。
二人とも、震災後すぐは敢えて笑える芝居を作っていたけど、
ここからが本分ということなのかなあ。

あー単純に楽しみたいー。
Commented by k_penguin at 2012-05-12 19:03
つまらない芝居ではない、となると、
やはり3時間半の長さがネックですねー。

>束縛感(大樹の禍禍しさ)
 あー、そっちを考えましたか。
ワタシは、腐葉土の上に樹が育つようなもんで、
根っこにドス黒い物があるくらいが逆にほどよく強い友情が育つ、ってことかなー、と。
ま、「そうであればいいな」という期待込みですが(^-^;

>ブラックまで捨ててしまったら、
 捨てた、というよりか、今はそーゆー気分じゃない、
という程度のものかと。三谷幸喜にせよ。
ケラなら、そのうち改訂版作って派手に屋敷燃やしたりするかもしれないって気もするし。

単純に楽しむ、ってことなら、
今はTVのバラエティのお笑いの方々のほうがプロ根性あるって気がします。
私生活も何もかも仕事に変えてるんだもん。
あいつら。
Commented by ぽんたろう at 2012-05-12 21:59 x
たしかに長かった・・・歳のせいか、長い芝居は辛いです(^_^;)


>逆にほどよく強い友情が育つ

あー。
そう思って観られたら違ったなあ・・・。

私は「守るべきもの」は 「束縛」としか思えなくて。
友も、家も、樹も。
守るものは縛りでしかない、と。

だから壊してほしい。
舞台上だけでも壊してほしいと願ってしまうわけです(^-^;
Commented by k_penguin at 2012-05-12 22:49
長い芝居は辛いですね~。
最近の映画も長いから辛い。
映画は100分を超えたら、そのシーンにその長さが必要かどうか
もっとよく吟味して欲しいって思う。

>守るものは縛りでしかない
なるほどー。いろんな見方がありますね。
あの話では女性は縛られてる感が余り無くって、自らすすんで守ってる風でしたから
それではぽんたろうさんが感情移入できなかったのも分かります。

それに比べて男性陣は、父親に縛られてるエースにしろ、アンナ先生に(嬉々として)縛られてるカレルにしろ
縛られ感満点でしたが、その代わり自滅してしまいますね。
…「イノセント馬鹿」もある意味縛られてるのかな?あの人はちょっと違うような気もするが…
Commented by ぽんたろう at 2012-05-13 01:26 x
>自らすすんで守ってる風
>縛られ感満点

そういう意味では、女二人の方が父的なんですね。
ケラ流フェミニズムの重点はそこかな。

「イノセント馬鹿」は妖精みたいでしたねー。
赤塚漫画におけるハタ坊のようなポジション。
あの程よく存在を否定されてる感じがたまりません(笑)
Commented by k_penguin at 2012-05-13 12:49
ケラの描く女性は男性的で、でも肩肘張ったとこがないとこが素敵です。
犬山イヌコはイメージぴったりですね。(つか,ニャースのイメージ?)
男性は、ワタシはひそかに小林さんのイメージを重ねて
ほくそ笑んでます(* ̄m ̄)プッ

>「イノセント馬鹿」
>あの程よく存在を否定されてる感じ
 そうそうw
いじめられてるわけじゃなくて,
ただ,何の役にも立たない妖精みたいな存在。
いいですねw
Commented by ぽんたろう at 2012-05-13 21:08 x
>ひそかに小林さんのイメージ

ヤダ、もう一度観たくなってしまったじゃないですかw

息子と父親。
小林さんの心を読み解く鍵は、やはりそこにあるんですねえ。
Commented by k_penguin at 2012-05-13 23:47
エースだけじゃなくて,カレルにも小林さんのイメージ持ってます。
あまり詳しくは書かないけど。
アンナ先生のことあんなに愛してるって言って,もちろんほんとに愛してるんだろうけど,
それは,コナやポニーを人としてないがしろにする言葉にしか聞こえなくって,
力説するほどに虚ろにしか響かなくて,カレルも疲れていって…
そういう感じが
なんだかね。

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