「ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー」

朝日新聞がやたらと押してるので見に行った。
押してるのは朝日新聞が主催者だからだと知ってはいたがオペラシティアートギャラリーであれば、外れと言うことはないはずだ。1000円だし(後から気がついたが、小田急のクレカを提示すればオペラシティアートギャラリーは団体料金に割引される。ちっ)。

ホンマタカシの名前は知っていたが、どうかするとタナカカツキと間違えてしまう程度のもんだった。やってること全然違うのに。

で、会場に入ってしょっぱなの作品、「Tokyo and My Daughter」シリーズの1枚目の写真の構図が、
思いっきりエリオット・アーウィットと同じだった。
俺はバカにされたような気分になった。
大体「Tokyo and My Daughter」シリーズ自体が、
タイトルを直訳すると「東京と私の娘」となりますが、実はこの少女はホンマの友人の子供で自身の子供ではありません。 (公式HPより)

という、人を食ったものなのだ。
おまけにホンマが撮った写真と少女の家族のファミリーアルバムからホンマが複写した写真が混ぜて展示されている。
そのあげくに構図がパロディと来た日には、

・・・どーゆー構えで見ろっちゅうねん!

と、帽子を床にたたきつけたくなる。

どうしても、2,3歩引いた地点から作品を眺めることになる。
まあ、それが作者の意図なんだろうけど、何かそーゆー仕掛けがめんどくさい奴だなあって思うのだ。

2,3歩引いて見ても被写体の少女は魅力的なので、鑑賞は続けられる。
少女が中心となって、背景だけがめまぐるしく変わり、時間もランダムに前後する感覚。
コマ撮りを使った実験的アニメに、いろんな場所にある同じものを撮った写真を連続してみせる物があるが、そんな感じ。
でも、それを見せるために、わざわざ「私の娘」って嘘つく必要あるのかなあ。
ホンマの娘だろうと、その友人の娘だろうと、どっちでも俺にとっては同じなのに。

「Toghether」は、野生のマウンテンライオンが見たであろう風景を撮影した写真をリポートテキストとともに展示したもの。
同じ風景を人間の目線とライオンの目線、2つの視点で眺めることができる。
野生動物と人間の共生の1つの試みのレポートとしても面白かった。
でもリポートの目線が人間=悪みたいな目線でグリーンピースっぽい。
郊外の住宅地近くでなぜ、人間も襲うマウンテンライオンを保護する必要があるのかについて書かれていない。
一方、最後の方に、風に吹かれた木の枝が砂の上につけたワイパーみたいな痕跡が動物の足跡の写真があり、写真家の興味はそっちの方にあるのでは、と思わせた。

そういえば、ホンマタカシの目線は、都会に住む野生のカラスとかが人間を見る目に似ている。
興味の対象や価値観が全く違うものの乾いた目線。
そう考えると「Trails」もわかってくる。
鹿を追うものと、それを2,3歩引いた地点から眺める者。

総合して
見せ方はうまいと思うけど、好みではない。
何をどう見るかはワタシが決めることであって、他人に指図される筋合いはない。
と、俺は考えているからだ。
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by k_penguin | 2011-05-05 22:50 | エンタ系 | Trackback | Comments(0)

法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


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