NYLON100℃ 『2番目、或いは3番目』

今回のナイロンは初めはパスしようと思っていた。
でも、新聞に『神様とその他の変種』と同じくらい良いと書いてあったので、急遽、行くことにした。
『神様とその他の変種』はかっこよくて好きだった。

で、今回は結論から言って、そこまで良くはないと思った。
まあ、大倉弘二と犬山イヌコが出れば十分笑えるのは保証されているし、その保証は裏切られなかったので気分良く本多劇場を出られたのだが、
なんか話が平板な感じがして、テーマに入りこむとっかかりがないままに話が終わってしまった感じがした。
開始から1時間30分ほど経った1幕の最後の方には、横と前の席の客が船をこぎ始めていたから、多分そう思ったのは俺だけではないのだろう。
白くてうにゅろうにゅろしたでっかい変な動物が出てくるんだけど、こいつが何を体現したものなのかも感覚的にもよくつかめないままだった。

後から考えてみると、
娘の記憶にとらわれているダーラ(峯村リエ)や、自分の不幸な記憶から逃れるために他人の不幸にどん欲なフラスカ(緒川たまき)から、好きな人をつい死んだ女房の名前で呼んでしまうヤートンさん(三宅弘城)、「デリカシーのある」惚れっぽい会長さん(マギー)まで(1度は声に出して言ってみよう「ガルゴロジム・ドントローフ」)
みんな「思い出」をキーワードに動いている。
そして、今は廃墟と化し、椎名誠の近未来SF的な怪し怪しの動物たちが跋扈しているらしい、昔は賑わったアーケード街だった街。
つまりこれは「思い出」をテーマにすえた話で、そう考えた上で思い返してみるといろいろしみじみしたりするし、
白にゅろにゅろも何となくこの町の「思い」的なものなのだな、だから政府の男(喜安浩平)がナイフで殺したのだな、と合点がいくし、
ラストの、この街も思い出に変わっていくシーンももっと味わい深くなるのだけど。
(いつもながらセットに映像を投影する手法が美しい)

で、その上で気になるのが、唯一「思い出」を拒否して生きているジョゼッペ(小出恵介)の今後や(多分「政府」の人間としてやっていくのだろうけど)、彼を殺そうとして思いとどまるトビーアス(伊予顕二)の心中だったりする。
…つか、あれで殺すの思いとどまるかなあ?ふつー。
単にジョゼッペに勝てそうにないから引き下がったみたいに見えたんだよね。
今から考えると、この辺、もう少し説明が欲しかったかなあ。


細かいけど、政府の男のドナー契約書に署名させようとするやり方はあまり「政府」っぽくないなあ、なんてことが気になったりした。
政府なら別に騙して契約させる必要ないじゃん?
強制的に契約させるか契約したものとみなす法律でも作れば良いんだから。NHKの受信契約みたくさあ。

…まあおもしろけりゃ何でもいーけど。

と、ゆーわけで今回の収穫は、

 ガルゴロジム・ドントローフと連呼すると楽しくなってくるよ。

…でした。
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by k_penguin | 2010-07-12 23:06 | エンタ系2(ライブレビュー) | Trackback | Comments(2)
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Commented by K☆SAKABE at 2010-07-15 19:31 x
最後にナイロン見たのは何年前だろう・・・
カラフルメリー見たのは確かまだ20世紀だったはず。
フローズンビーチが最後だったような・・・
中年真っ盛りのケラ作品が、どんな風に進化したのか気にならないではないですけどね。
て言うか、中年真っ盛りなのはケラだけじゃないですけど。

今年は再演ものを数本見る予定(1公演済み)なんですけど、
新作見る努力(新作は情報がないので疲れるんです)もしなきゃですかね。
Commented by k_penguin at 2010-07-15 21:17
ワタシは逆にフローズンビーチを偶然TVで観たのが最初かな・・・
「あ、ニャースの声だ」って思って観てたら
話も面白くて引き込まれたのを覚えてます。

今も基本的に無機質なギャグの連続だけど、
最近はあまり人が死ななくなったように思います。