裁判員制度は冤罪を減らすか

植草さんの冤罪祭りからみでチョト考えたこと。

裁判員制度について俺は決して肯定的ではないのだが、唯一、期待できる点としては、冤罪が減るのではないかと思っていた。
冤罪の原因は多岐にわたるが、1度起訴されたものがなかなか無罪にはならない理由の1つとしては、裁判官と検察官の馴れ合いっつーか、同業者意識っつーか、そんなやつがある。
無罪判決は、検察官の成績に影響し、裁判官の成績にも影響する(らしい)。
憲法に無罪推定原則があるくせに、無罪が出たら検察官が責任問われるっつーのも変な話な様な気がするが、裁判のやり方がまずかったと評価されるということなんだろう。
まー詳しくは知らないが、そんなこんなで、殺人のようなでかいヤマならばともかく、しょぼい話で無罪判決出して、知り合いが左遷されるっつーのも嫌なものなので、ついつい無罪は出しにくくなる。
そ こ で 、そーゆーしがらみがない裁判員ですよ。
と、ゆーわけ(ま、裁判員はでかいヤマしかやらないわけだが)。

ところが、前の記事に書いたブログに目を通していたら、そこのブロガーは、冤罪の原因に裁判所と検察の「癒着」を挙げているにもかかわらず、裁判員制度については危機感を表明している。
一般人はマスコミや検察の情報に左右されやすく公正さが期待できないということらしい。
裁判員をとりまとめるのは裁判官であって検察ではないし、検察の主張だけでなく弁護側の主張も裁判員は聞くわけだが、それはともかく、一般人は一般人で裁判官とはまた別の不信を呼ぶ原因、すなわち「真面目に判断しない(orできない)だろおまいら」がある、という感覚を皆持つことは確かだと思う。

「真面目に判断するがしがらみには勝てないプロ」vs「しがらみはないが真面目に判断するかどうかは風まかせパンピー」
うーん。ある意味面白い試合だぞ。
野次馬で見るぶんにはな。


追記
捜査担当の検察官と、公判担当の検察官は原則違う人だ。
だから、捜査担当がへぼでまともな証拠を集められなかったくせに起訴をして、その結果無罪判決が出たら、責任をかぶるのは公判担当だ。
と、いうわけで、やっぱり無罪判決は出しづらい。

追記2 8月17日
ネットサーフで気が付いたのだが、コメントしてくれたヒロコさんが、この記事に「つっこみたいから」と、検察官に質疑応答する機会のあった方に、「無罪の判決がでた場合、検察官の方の評価に影響するか。」という質問を頼んだらしい(ヒロコさんもそういう有意義な質問をしたのなら、こっちに直接教えてくれればいいのにい)。
で、その答え。(Q2のとこ)
答えは「それはない。仕事の評価は数字であらわれるものでない。」である。
検察官の言ったことが正しいか、俺の聞いたことが正しいか(ソースはボス弁)、はもちろん俺にはわからない。
ただ、確実に言えるのは、仮に無罪判決が成績に影響するものであっても、検察官に公式に尋ねれば「それはない」と答えるに決まっているということだ。
無罪推定原則がある建前上、それはあってはならないことだからだ。
一応その旨、追記しておく。

追記3 11月20日
モトケンさんが関連エントリー書いてくれました。
[PR]

by k_penguin | 2005-04-12 01:27 | ニュース・評論 | Trackback(3) | Comments(7)  

トラックバックURL : http://shiropenk.exblog.jp/tb/1460054
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Tracked from ++ wayward v.. at 2005-04-18 00:07
タイトル : 裁判員制度
 以前から言われていることであるが、2009年から裁判員制度が公布されるらしい。たぶんアメリカの陪審員制度のようなものと思っていたが、陪審員制度は判決を裁判官が加わらず、陪審員のみで判断する。しかし、裁判員制度は裁判官が加わって判決が行われるらしく、大分制...... more
Tracked from ペンギンはブログを見ない at 2005-04-18 23:11
タイトル : NHKスペシャル「裁判員制度」
まず1言。「被告人」と表記すべきところを全て「被告」としていた。「被告」は民事裁判で使う。 「行列・・・」の裏の時間帯でやったことはいいのか悪いのかわからん。 裁判官代表の人が陪審制度を前提とした発言しかしていなかったのがちょっと面白かった。 番組中にもあったように、裁判員制度は参審制度で、事実認定のみ一般人が関わる陪審制度とは違う。日本の法制度は一応陪審制は予定した作りになっているが、参審制を予定した作りにはなっていない。憲法32条、76条3項、憲法上の問題も多い。 司法改革も初めは陪審...... more
Tracked from 千の天使がバスケットボー.. at 2005-08-17 21:04
タイトル : 法と正義の守り手-検察官
検察審査会の最終日検察庁を見学し、ビデオで仕事の内容と簡単な組織の知識をえ、庁内を見学し、最後に現職検察審査官の方達と質疑応答してきた。この間、かかった時間が2時間半。予定より1時間オーバーだった。検察審査員という役割を強制的だが与えられ、ほんのわずかな時間だが、被疑者・申立人にとっては重要なミッションを行う司法にふれることが、民間人から多くの関心をひきだすということだ。 簡単に、時系列にその模様を報告したい。 ビデオで紹介された ■検察官のお仕事 1.事件について捜査を行い、裁判所に起訴するか...... more
Commented by t2_questioning at 2005-04-30 01:54
始めまして。TBすんませんでした。自分は、裁判官と直で話した経験というのが非常に少ないのですが、ま、判検交流なんかをみてると、そもそもがあっちの人ばかりなんでないかとか思ってます。この認識が正しいかどうか分かりませんけど、裁判官ももっと世間に出てほしいなとは思ってます。世間は「しがらみ」なんて分からないし、まだまだ裁判官は公正だと認識しているような着がします。世間に出れば、良くも悪くも、実像が知れてきますから。
 99%の有罪率という現実では、起訴=真犯人と認識されるし、そんなとこでは無罪は人が犬を噛む状態なんでニュースになるわけですが、そういう前提を崩さないとダメかなとか考えました。逆に、検察の裁量で起訴猶予にされると、裁判を受ける権利を失うわけなんで、どうしたいいものか、とか
ところで、自分も裁判員にはなりたくないなぁ、と正直思ってしまいます。
 すんません、何が言いたいのかよく分からなくて。今後ともよろしくです。
Commented by k_penguin at 2005-04-30 13:09
いえどーもこちらもよろしく。
そちらのブログは内容も濃いし、文章も読みやすいですね。
やっぱプロは違うなあ。

あー、裁判官も民間に出向とかしてるんですけどねえ。
公正と認識されなければ裁判制度の信頼に関わりますから、「雲の上」イメージを守らなくてはいけないのですね。
これは裁判官自身にとっても負担なことなのですが。
Commented by ヒロコ at 2005-07-24 16:25 x
2・3日前に新聞で読みましたけど、裁判員制を円滑に進めるために、これからは検察官が捜査段階から出動する(表現オカシイ?)ように決めたそうですが、もともと、違うひとが担当していたんですか。こういう「しがらみ」があるとは知りませんでした。ところで、警察による取調べの「可視化」はまだ、実現していませんが、検察官が取り調べする際も「可視化」はしないんでしょうか。そこらへん、ご存知ではありませんか。
Commented by k_penguin at 2005-07-24 21:20
検察官一体の原則とゆーのがあるので、捜査担当と公判担当が違っても別に問題なしなんですねー。

取調べの可視化については、録画とか録音とかもそこそこされているようです。ときどき判決に証拠として出てきますから。でもどのくらいの割合でやっているのかはよく知りません。
あと、取調べをするのが警察官と一応司法研修をすませている検察官では、人権侵害の危険がかなり違うというのが、司法関係者の一応の認識です。
警察官が被疑者をひっぱたくのは日常茶飯事ですが、検察官がそれをやったとなるとビクーリです(やった人いるけどね)。
だから検察官取調べの可視化よりも警察の取調べの可視化の方が問題的にはずっとでかいので、検察官限定の取調べの可視化についてはまだ聞いたことがありません。あしからず。
Commented by ヒロコ at 2005-07-25 08:51 x
大変よくわかりました、裁判員制度には興味があるのですが、細かいところはサッパリ知らないもので・・・
ありがとうございました
ずっと読ませてもらってましたが、時々はこんな質問をさせていただきとうございます
Commented by k_penguin at 2005-07-25 10:53
私も時々そちらのブログを拝見しております。
これからもよろしくー。
Commented by at 2007-02-14 09:32 x
教育基本法改正の発端、それに向かって提案制定されたすべての法は矛盾と汚点だらけでした。その中に裁判員制度があります。
裁判員制度、他権力を固めるものです。
詳細はホームページをごらんください

<< 国籍法違憲判断に関するプチうんちく 冤罪は何に対する罪なのか >>