『TOWER』3F 小林さんとお客さん

小林さんにとってお客さんとは何か。
 という話を1度書いてみたかった。
ここで「お客さん」というのは、客席に座ってる不特定多数の人たちという意味もあるし、
作品を発信する宛先、という意味もある。
普通、この2つは一致するものなのだが、小林賢太郎の作品においては一致していないのではないか、と俺はずっと思っていた。
なぜなら、作品が発信するテーマ(っぽいもの)が、客が聞いても仕方がないような個人的な心情とかで、しかも心情に共感する糸口も与えられていないからだ。
では、宛先は自分自身か、というと、そうでもないような感じで、というのは、自分自身に対するものにしては客観的に説明されていたりするからだ。

今回の『TOWER』もそんな感じだ。
今回のテーマは「共同作業」であり、共同作業を通じて理解し合うことだ、と前に書いたのだが、そうだとすると、作品の宛先は理解を求めている人であり共同作業をしている当の相手方、ということになる。観客は基本的に関係ない。
・・・いや、関係はある。観客がいなければ、舞台は成立せず、公演完成に向けた共同作業が成立しない。

共同作業をするためには作業内容を決める必要がある。
本当はそれは何だって良いのだが、これを公演を行うこと、と設定した場合、舞台が必要になり、観客が必要となる。
観客に見せるために舞台があり、共同作業を行う、という通常の順番とは逆だ。
しかしそうなると、真の客(作品の宛先)は共同作業の相方であり、観客は舞台という装置を完成させるために必要な大道具の1つ、ということになってしまう。



今回の公演の際に観客に配られたものが3つある。
フライヤーと、片桐手書きのアンケート用紙と、前口上を述べたチラシだ。
この3つ、ものの見事に俺のアンテナに引っかかった。

まずフライヤー。
今回の公演は公演地が多い。
このことは全国の皆様にラーメンズをお届けしたい、という意思の表れととらえられているようだ。
フライヤーもエンボスのスタンプが押され、航空便か宅配の体をとっている。
しかしその一方で、フライヤーのデザイン自体は、黒くて太い素っ気ないロゴが並んでいるだけて、お届けされてありがたいとあまり思わないようなシロモノだ。
ところがよく見ると黒いロゴはキラキラ光っている。縁から金色の線が見えている部分もある。
ロゴは二重に印刷されていたのだ。金で印刷した上に黒で同じロゴを印刷しているのだ。
素っ気ない黒い外見でありながら、中身は黄金ということだ。
ラーメンズらしい。
と言えばそれまでなのだろうが、俺的には全く気に入らなかった。
普通に見ただけではこれには気がつかない。
そんなものを全国の皆様の元にお送りするというのは、どう考えても良い趣味とは言えない。
「この公演は素晴らしいんですよ。ま、あなたは気がつかないでしょうけどね。」
そう言っているように思える。
そこまで言わなくても、すくなくとも、この公演には2重の意味がある、ととっても良さそうだ。

次はアンケート用紙だ。
今回は片桐の手書きによるもので、客にアンケートを書いて欲しいと言うことなのだろうが、ところが、最後に署名しているのは片桐のみ。作品を作った小林の署名はない。
片桐はアンケートを作るとき、年齢欄を作るのを忘れたそうで、それを上演するたびに小林は言い訳していた。
言い訳はするが、アンケートは作り直さないのだ。で、自分は署名もしないのだ。
つまり、アンケートを作ることは、片桐に分担された作業だということだ。
今回の公演は「共同作業」だからだ。


最後の前口上を述べたチラシについては、裏面に記載があることを数日経ってからようやく気がついた。
裏には、
マナーを守って楽しく観劇。
総てのお客様に快適に御覧いただくために。

と書かれていて、それから携帯をオフれに始まり、公演中のおしゃべり、声援禁止、トイレに行くなら静かに席を離れろ、など6項目の注意が書かれていた。
小学生ではあるまいに。
とどめが最後の
ご協力ありがとうございます。後は思い切り楽しむのみです!

あれだけ口やかましく言っておいて挙げ句に思い切り楽しめと命令するとは、もうギャグの域に入っている。

そういえば、ツアー最初の本多劇場では、開演前のマナーを注意する放送がなかった。このチラシだけで済ませるつもりだったのだろう。
しかし、このチラシの注意が必要なほどマナーが悪いお客様の大半は、裏面の注意書きを事前に読むようなデリケートさは持ち合わせていなかったのだろう。
ツアー最後のグローブ座では開演前のマナーを注意する放送は入っていた。

もちろんこれは、要求でも命令でもない。
マナーの注意喚起の文の体裁だ。
しかし、おしゃべりやトイレまで注意する文書というものは他の公演ではお目にかかれない。
事実上、静かにすることを要求された、と感じた人も多いのではないかと思う。
観客席に座るみなさんには
出演者の邪魔をしないで静かにすること、次に思い切り楽しむこと
が要求されている、と。

普通に考えればこれは妙なことだ。
しかし、舞台という装置を理想的に成立させるために、観客は理想的な観客として振る舞うことが要求されるのだ、と考えれば
これは不思議ではない。
実は観客の方が小林賢太郎の共演者なのだ。いや、共演者という自覚を持たされていない点では大道具である黒いブロックと同じだ。
共同作業を理想的に進め、理想的に積み重ねて共同作業によって理解が得られた、と出演者に感じさせるための大道具。

この考えを延長してゆけば、チケットの転売について示された彼の態度などの理由の位置づけもできるのであるが、今回はあくまで『TOWER』の話なので、ここでとどめておく。
別にお客さんのことを内心でどう思っていようと、楽しませてくれさえすればお客さんは気にしないのだが、
小林さんがそーゆー考えでこれからもやっていくとなるといろいろ難儀だろうな、とは思う。

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by k_penguin | 2009-06-21 14:25 | エンタ系 | Trackback | Comments(50)
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Commented by K☆SAKABE at 2009-06-22 23:55 x
拝読させていただきました。

小林賢太郎は、自身のHPに福岡公演でのスタンディングオベーションを
「積極的なスタンディングオベーション・・・」と表現していましたね。

>実は観客の方が小林賢太郎の共演者なのだ。

気持ちがいいくらいピタリと符合しているように思えます。

だからと言って、彼が客席に降りてくることは絶対に無いのでしょうね。
Commented by k_penguin at 2009-06-23 00:40
K☆SAKABEさん

「共演者」であっても対等の関係ではないですから、
客席には下りてこないでしょうね。
そのへんラーメンズの作り方と似ています。
客は、言いつけられたことをこなしていれば良いと頭ごなしに怒鳴られるだけです。

福岡の「積極的なスタンディングオベーション」は、
「出演者の邪魔をしないで静かにすること、次に思い切り楽しむこと」を2つとも完璧に満たしたので、
バニー先生はお喜びになったのでしょう。
Commented by S bani at 2009-06-23 13:39 x
はじめまして。コメント失礼致します。
大変興味深く読ませていただいています。

ラーメンズその他 小林氏のひねくれっぷりは、私なりに 「共感」をしてきました。

>心情に共感する糸口も与えられていない

おかげで最初はもやもやもやもや…。
その違和感が共感だと気づくまでに時間もかかりましたが、
善いかどうかは別にして、気持ちはわかるなぁと。
半端にわかってしまう分、客観視することもできず
彼が見せる不信感(などなど)に少なからず共鳴してしまっているのが少し悔しいですが。

それでも何となく解せないでいた、「客」の概念。
ようやくクリアになった気がします。
「お客さん役」の自覚のない共演者。
しっくりきました。ありがとうございます。
これでまたいっそう開き直って見られそうです。
これからどう転がるのか楽しみです。
Commented by k_penguin at 2009-06-23 22:52
S baniさん、コメントありがとうございます。

小林さんは、
「わかって欲しい」と「わかった顔するんじゃねーよ」の間を
行ったり来たりしている感じですね。
気持ちはわからなくはないのですが、
こーゆー人を相手にするのは大変だろうなあ、
とかも思ったりします。

「お客さん役」
お客さんは、黙っていなくちゃいけない、集中していなくちゃいけない、自分だけ目立つ動きはしてはいけない。
いま、思いつきましたが、これは
「現代片桐概論」の片桐さんに求められているところと似ていると思います。

これからどうなるんでしょーね・・・
Commented by ふみ at 2009-06-24 00:54 x
彼にとっての観客は刺身のつまのようなものだと私は思っています。
イイ箱、イイ舞台には、観客がいないと「様」にならない。けれど彼が選ぶことが出来ないので、それも携帯がなったり等があったり。TRIUMPHでは本の中に入れ込んでましたけど、お知らせの裏、今見ました(笑。

彼の思い通りに、そこにいてくれればイイ。時々大笑いして、しっかり拍手してさっと帰って欲しい。そんなこと言われなくても、本物の舞台の観客は演者の期待以上の観客です。

お知らせの文章も、なんだかしっくりこないんです。(どこまでもダメ出し。何をいいたいのかわからない。

すみません。今回はTRIUMPHよりも愚痴っぽいかもです。それでも周りは絶賛なんで、そのうち自分が間違ってるのかと思い始めてきそうです。
Commented by K☆SAKABE at 2009-06-24 08:44 x
「評価」と言えるかどうかはわかりませんが、
誰でも書き込める劇評のサイトでは、「二年ぶりのラーメンズをありがとう」とか「こんな田舎にまできてくれて」といった感想がほとんどでした。
って言うか、感想じゃないし。
読みながら、これも小林賢太郎の思い通りなのかな、とも思いましたけどね。

ただ、中にちらほら「昔のネタを彷彿とさせるものがあったけれど、昔の方が解りやすくておもしろかった。」といったものもありました。

「映像でしか見たことがなくて」「本当にラーメンズがそこに居る」「目の当たりにする箱」といった、地方で待っていたファンが手放しで感激している様子は、全国行脚の成果なのかな。
なんとなく、「白やぎ・黒やぎ」?
Commented by k_penguin at 2009-06-24 18:25
>ふみさん
トライアンフのとき、開演前に携帯マナーとかを放送することは小林賢太郎の美意識にそぐわないのだろうと思いました。
公式HPとか、チラシの裏とか読んで「察しろ」ってことなんでしょうね。
本来、良い作品を作りさえすれば自然と良い客になるはずなんですが、
客を「共演者」ととらえれば、逆に、良い客が良い作品の前提になってしまいます。

・・・でも、お客さんに命令してもねえ・・・


>K☆SAKABEさん
演劇ライフは「トライアンフ」ですらほめているコメントが多かったので、あてにならないと判断して見ていません。
一般的には、DVDに対するAmazonのカスタマーレビューが比較的客観的かな、と思ってます。
・・・それもあまり読んでいませんが。
Commented by k_penguin at 2009-06-24 18:33
ラーメンズならば、小林賢太郎ならばそれで良いという方が多いだろうことは確かだし、別に楽しんだ方にケチをつけるつもりはありません。
でも、タワーマニアの話がおかしいことは確かだし、作者に

 お前はそれで良いと思ってるのか?

と、言いたいのも確かです。

もしかして自分が間違っているかも、とはしょっちゅう思ってはいますが、
間違っても自分が恥かくだけだし、どーせ匿名のネットだし、まーいーや
とか思っています。

それよりも、ワタシが書いていることが当たっている場合の方がコワイです。
Commented by S bani at 2009-06-24 23:12 x
>「わかって欲しい」と「わかった顔するんじゃねーよ」の間を
>行ったり来たりしている感じですね。

そうなんです、そこに共感を覚えてしまうんです…(笑)
まぁかといって彼の姿勢がどうかというとちょっとツンデレ(ほぼツン)すぎだろうな、とも思うんですけどね。

ラーメンズは好きですが、どちらかというと興味深いという意味で好きです。
以前と様子が変わったのは明らかですし、
すこし大雑把な感じになったような気がします。

小林さんは以前「なりたい自分に早くなりたい」というようなことを言っていたように記憶していますが
彼が目指す姿が、
今回のTOWERが漠然としすぎててなんだかよく分らなくなってしまいました。
最近はよく悶々と考え込んでいます。

周りの絶賛ぷりにはなんだか置いていかれているような気になります。
Commented by ふみ at 2009-06-24 23:13 x
>ワタシが書いていることが当たっている場合の方がコワイ

もうこの最後大笑いしてしまいました。本当ですよね。
でも、それが半分そうかもと思ってしまうところ、正直あります。

特にTRIUMPH以降、どうもやっつけ感が強くて、こちらをバカにしている?とまで感じてしまうことが多かった経緯での今回。
確信になったと言わざるを得ません。

>それでも良いと思ってるのか。

本当にそう問うてみたいです。
Commented by k_penguin at 2009-06-25 01:08
S baniさん

ワタシはバニー兄さんを「キング・オブ・ツンデレ」と呼んでいます。
ツンデレって、結局人間関係のおいしいとこ取りをしたいっていうコドモな発想だと思います。
だからツンデレは作品で扱うモチーフとしては魅力的なんですが、
そういう考えのままでは、現実の人間関係は長持ちしないから、作品と実践を分けて欲しいんだけど、
バニー兄さんはどうも一緒くたにしています。

>「なりたい自分に早くなりたい」

ワタシはあの言葉を「「○○になりたい!」と思う自分に早くなりたい」という意味にとらえました。
つまり、何を目指したいのかがわかっていない今の状態がいやだ、というような意味です。
何をしたいかわからなくて困る、と言われても、客も困ってしまうのですが・・・。
Commented by k_penguin at 2009-06-25 01:25
ふみさん

小林賢太郎の何が「良くない」のか?
一般には知られてないかもしれないけど、一部で絶賛されていて、好きなことやっているように見えて、収支決算も多分やっていける程度には稼いでいて、
それで何で「良くない」って感じてしまうのか?
って、ずーっと悩んできたことなんですが、
結局、作者本人がそれを「良くない」と思っていて、それが作品ににじみ出ている。
だから「良くない」んだ。
という結論になっています。

「Drop」あたりから、その「良くない」が、作品からにじみ出るのを通り越して
だだ漏れになり始め、ふつーに作品として良くないものになってきました。
今回の「TOWER」の評論も比較的ふつーの評論で書くことが出来ました。

ラーメンズには片桐さんのインパクトがあるし、シュールネタなので、KKPなんかよりもうまく隠せてるのですが、
  隠せている今のうちに、早く手を打ちなさいよ
ってこそっと言いたい気分です。
Commented by K☆SAKABE at 2009-06-25 07:53 x
みなさん、おはようございます。

>結局、作者本人がそれを「良くない」と思っていて・・・
小林賢太郎本人が、「こんなはずじゃない」「もっとできるはずだ」と思っていながらそこにたどり着けないで、妥協を繰り返しているあいだに、逃げ道(たいした方法ではないのですが)を見つけてしまったように思います。ここで言うとpenguinさんの言う、ごまかし。
それが言葉遊びに始まり、片桐仁の使い方になり、言わなくても察してくれといったスタンスをこれまで以上に客に押し付けて、客にそれを「ラーメンズの見方」だと思わせること。

でも、ごまかされませんよ。
だって知っているもの、昔朝生で大口叩いていた小林君を。
なりたい自分はあの頃と変わっているのでしょうが、よくも悪くも、あの小林君はもう居ないのでしょうね。
こっち側が買いかぶり過ぎなのかなぁ。
最近そんなふうに感じます。
Commented by K☆SAKABE at 2009-06-25 08:03 x
ただ、ごまかしはごまかし。
それは本人も理解していて、なんとか自分とも片桐仁とも向き合おうとしている感は何となくですが感じなくもありません。
でも、どこかでブレーキがかかる。

今回の全国ツワーじたい、自分探しと言うか、ラーメンズ探しだったのかも、と思わなくもありません。
それがネタに反映されるのは、次回からってことでしょうけど。
Commented by k_penguin at 2009-06-25 12:38
>自分探しと言うか、ラーメンズ探し

共同作業の積み重ね、という体はとってますけど、つまるところ、それって自分探しの旅ですよねー。
『TAKEOFF』でアビルがやっていて、シノダにキツイ嫌み言われていたあの「自分探しの旅」。
そういえばアビルも最終的に自分のやりたいことを見つけたわけではなかった。
旅は止めたけど、それは自転車とられたからだしね。

自分が見つけていないから、話の上のキャラも見つけていない。ストーリーとしての収まりは無視。
それがバニークオリティ。
Commented by K☆SAKABE at 2009-06-26 01:41 x
>それがバニークオリティ

小林賢太郎の目指しているものはわかりませんが、今創れるものは「これ」なのでしょう。

収まってなくて良いのです。その先に何があるのかきちんと言っていなくても、きっと前向きな明るい未来があるのだと思えれば。
「マリコ・マリオ」など、二人の今後(ものすごく近い未来)は何も語られていません。けれど、「二人でマンガを描くこと(二人で居ること)は楽しい」という雰囲気だけで、見ているこちらは安心できる。
「え、これでおしまい?」と思うけれど、決して不快じゃない。

ああいう創り方、もうできないのでしょうか。

彼らが楽しそうにラーメンズとして存在し、その状況が心地よいと客が感じられる「コント」は、望むだけ無駄なのでしょうか。

現在、作品群を網羅しています。苦手なとこから重点的に。
なので、変な時間に書き込みしてます。
頭、おかしくなりそうです。
Commented by k_penguin at 2009-06-26 13:00
K☆SAKABEさん
おやおや、はまってますねー。あまり無理をなさらないでください。
考えすぎると小さな論点で煮詰まっちゃったりしますから。

小林作品は常に「現時点での自分の状態」の話ですから、
作品をたくさん見るなら、時系列に沿って見るのが一番いいと思います。

>収まってなくて良いのです。

私はむしろ逆に考えています。
自分の問題が収まっていないから、話の結末も収まりがつかない。
ならば逆に、話に結末をつれけば、自分の問題も収まるはずだ。と。
K☆SAKABEさんは、
>彼らが楽しそうにラーメンズとして存在
することを望んでおられるようですが、
私はそれはもう望めないと思っているし、また、それを望みもしません。
ワタシは、それよりもより面白いことがあるのではないかと思っています。
Commented by K☆SAKABE at 2009-06-26 14:29 x
penguinさん

はい、セオリーどおり時系列ではあります。オンバトからですから。
この時期に見ると、当時純粋に「こいつらおもしろ~い」と見えていたネタでさえ、突っ込みどころ満載です。そこから突っ込んでいるときりがないので、すっ飛ばしてはいますが。

>自分の問題が収まっていないから、話の結末も収まりがつかない。
収まる=決着をつける
何と?自分と、相方と、ラーメンズと・・・
明るい未来が見えないのはそこのところでしょうか。

>私はそれはもう望めないと思っているし、また、それを望みもしません。
そっかぁ、無理かぁ。30過ぎたおっさんだもんなぁ。
古いネタ見て癒されてる感があるもので、ついつい望んでしまうのですよ。

>それよりもより面白いことがあるのではないかと思っています。
すみません、想像がつきません。
Commented by k_penguin at 2009-06-27 00:55
>収まる=決着をつける

ラーメンズにおいては、小林=片桐として扱われていますので、自分との決着も相方との決着もラーメンズとの決着も、総て同じものです。
おかげで傍目から見ていてごちゃごちゃになってわけわからなくなったりします。

>古いネタ見て癒されてる感があるもので、ついつい望んでしまうのですよ。

それはわかります。
また、多分小林さんも心の底でそれを望んでいるんじゃないかという感じもします。
今のとこ小林さんはそれ以外の何にも価値を感じることができないようだし、
他に面白いことを探せ(視野を広げろ)と言われても、感じないものは仕方がないと思います。

でも、覆水盆に返らずと言いますから。
ただ昔を嘆かれても、観客が困るんですよ。
次が見つからないなら、せめて過去に決着を付けてほしいと思っています。
Commented by ビター at 2009-06-29 22:49 x
やっとTOWERを見てきて、こちらをじっくり読ませていただきました。
やはり、集まってますね、キケン分子が。(笑)
そして、「TOWER」より面白かったりします。

今回の公演の感想ですが・・・
おもしろくねーな。この2年の「待ち」は何だったんだろう。

片桐仁の力によって(こういうのをジンリキと言うのでしょう)、所々は笑ったし、KKPのように「不快」とまでは思いませんでしたが。
アリスやTEXTまでは、私としては十分楽しめたし、感心したし、満足でした。
それ以降はどうもぱっとしない。
ということは、KKPやポツネンがつまらないというより、むしろ小林賢太郎が、もう面白くないのかもしれません。←個人的にという意味で。

こんなふうに感じてしまったら、「見てください。」「見せてください。」という関係性の中に入っていけなくなったということでしょうかね。

今回、新しいものは何もなかった。全部、過去の作品の焼き直しみたいな。
以前のような、おもしろいストーリーもなくて、むしろ、寒い感じさえしました。

論争?が終結した、今ごろになって失礼しました。
Commented by k_penguin at 2009-06-29 23:51
ビターさん、お久しぶりー。
「キケン分子」に、笑っちゃいました。うちのブログはさしずめ、小林ヲタブログ・武闘派ってとこでしょうか。
小林さんは、舞台がつまらなくても、ブログのコメント欄での活発なやりとりで、チケット代をまかなえるほど楽しめてしまったりします。
ふつーだったら、とっくに見るの止めている程度の出来なんだけどなあ。

今回の公演は、過去の作品の焼き直しと「ジンリキ」で乗り切っただけ、
という評価は比較的多いですね(当ブログでは)。
新しいものが見あたらなかったのは、小林さん自身が停滞してしまっているからだと思います。
今回の長ーいツアーも、停滞から抜け出そうとしてもがいたものなんだろうな、とか思うと、バニー君が気の毒になります。
変なかっこつけてないでもっと正直にもがけば
もっと面白くなれる人だとは思うのですが。

>「見てください。」「見せてください。」という関係性
 ふと思ったのですが、作品から「見てください。」っていう気持ちが薄くなってきているような。
そういう状態でも、ツアー自体は経済的に成功なんだろうなとか思うと、複雑ですね。
Commented by K☆SAKABE at 2009-06-30 17:22 x
大いに煮詰まってます。
最近ラーメンズを見ていて(DVD及びインタビュー記事等々)、疑問の矛先が変わってきたんですよね。
片桐仁曰く、「賢太郎の書くコントが面白くないわけがない。」
巷では、お互いがお互いを褒め称えるこの様子を「コンビ愛」等と呼んでいますが、「?」。
片桐仁が「面白くない。」と言わない(言えない)この関係って、正解なんでしょうか。
「全てにおいて賢太郎が上。」と言ってはいますが、客演してテレビやってそれで見えてきたことって、ここで私たちが吼えてること以上に片桐仁には厳しい現実として見えてるはずだと思うんです。
で、「ジンリキ」ですよ。(これお気に入りです。)
汗かいて笑いを取りにいくこの方法って、台本がつまらないときに達者な役者がよくやる「手法」です。
思いたくはないけれど、既に片桐仁は小林賢太郎のネタでは笑いを生み出せないことをわかっているんじゃないでしょうか。
思考が止まっているのでも、洗脳されているのでもなくて、必死で天才を天才として存在させ続けようと、健気な努力をしているのかもしれません。
でもそれは決してラーメンズの為にも、相方の為にもならないんだけどなぁ。
Commented by k_penguin at 2009-06-30 22:03
おー、煮詰まってますか。小林さんも罪作りですねえ。

片桐さんの作品とかコメントとかあまり見ていませんので、片桐さんが何考えているかは、私はよくわからないです。
読んだ範囲では、正直だけど言葉足らずな方だという印象を持っています。
小林さんの作品の中では、言葉を使わずに心が通じ合える人、ととらえられることも多いですが、同時に、
全く何も考えていない人、ととらえられることも多く、
DVD見ながら「そこまでひどく言うことないだろお・・・」と独り言を言ったことがあります。

上のコメントで、小林さんが変にかっこつけてるって書いたんですが、
それは、小林は天才であれと望む、片桐さんの目を気にしているというのはあるんじゃないか、と、ワタシはふんでいます。

朝生とかで、小林さんが言葉に詰まってしまうと、片桐さんが「賢太郎をいじめるなあっ!」ってやるでしょ。
(何か今は「お約束ギャグ」みたいになっているようですが)
あれって、良くないなあって、思っていました。
Commented by k_penguin at 2009-06-30 22:04
ラーメンズがテレビを止めるときとか、関係者達(いわゆるオトナ達)が納得するように小林さんが喋れなかったときに、
小林さんを守ろうとして片桐さんが編み出した戦法なんだろうとは思うのですが、
ちゃんと問題に向かい合わなくてはならないときに
「賢太郎をいじめるなあっ!」で逃げさせてしまうって、結局良くないと思います。
おかげで小林さんは、大事な問題から逃げ続けることが出来てしまいました。

片桐さんは彼なりに、小林さんを支えていると思ってやったんでしょうし、
今も小林さんを信じることによって、彼を支えているつもりのようですが、
彼がやるべきことは別のことだと思います。

でも、そう片桐さんに言えるのは、小林さんだけで
その小林さんは、片桐さんの期待に縛られて、言いたいことが言えない。
期待に添えないという自責の念が定期的に自虐ネタとして噴出し、それがガス抜きになってしまっている。

こういう状態は良くないですが、何かイベントが起きない限り
流れは変わらないんじゃないかと思います。
Commented by K☆SAKABE at 2009-07-03 15:41 x
助けてください。
案の定、「小さな論点」で躓いてしまいました。
私には小さくないんですが・・・

「ATOM」冒頭の「上下関係」。
わからない。何がわからないのかさえわからない。
「それ以下だ。」と罵られているのは、いったい誰なんですか?
ラーメンズ以外の誰かなのか、小林賢太郎本人なのか。
どっちにしても、冒頭このネタで何かに踏ん切りをつけて、エンジンかけてる感じがあるもので、何に踏ん切りつけてるのか・・・。
「ATOM」じたい、「ここじゃない何処かへ」といった広がり(penguinさんがおっしゃってませんでしたっけ)や、未来への希望(青臭い言い方ですけど)みたいなものが感じられるので、好きなんですけどね。
「採集」は「賢太郎オンステージ」だと思って見てます。
Commented by K☆SAKABE at 2009-07-03 16:04 x
話は戻ります。

最初のリーダーは、反省し改心した上でリーダーの座を明け渡しています。
確かに、謝ったからといって常に許されるわけではありませんが、他のネタでは許されてきたことが、ここでは許されない。
と言うことは、これは小林賢太郎の内面世界じゃない、ということになるんでしょうか。
「蒲田の行進曲」で近藤さんは許されました。
もしかしたらその続きなのかとも思いましたが、それはもう既に、「エアメールの嘘」で終了していて、やはり許されています。
改心しても許されない誰か。
単純に、「上に立つものの驕り」として書き下ろしたと見て取れなくはないのでしょうが、公演冒頭のネタで作者が曲者なわけですよ、引っかからないわけがない。
とりあえず、自分なりに解釈しないとその後のDVDに臨めないので、「ラーメンズ以外の誰か」なのだろうということにしてはいますが、「改心しても許されない誰か」っていったいどうゆうことなんでしょうか。
penguinさんの意見をお伺いしたいです。
Commented by k_penguin at 2009-07-04 14:20
K☆SAKABEさん

わからないものはとりあえず「わからないから留保」でいいと思います。
無理にわかろうとすると、「逃げ水」のように逃げてしまうのが小林賢太郎です。
私の解釈も決して「正解」ではありませんがご参考までに。

「ATOM」は確かに新しい方向を探ろうとした感じがあります。
昔の評論では、それを肯定的にとらえてシメた覚えがありますが、正直、希望を語るにしては声が細く、脆弱な感じも否めませんでした。

「上下関係」はラーメンズの2人の関係を表現したものととらえています。
例の「小林=片桐」として表現されるややこしさのおかげで、途中で切り替わりが入っています。
最初は片桐さんが演ずる人が小林さんですが、小林さんが小林さんを演じている部分もあるし(電話するシーンなど)、2人に共通する要素を演じている場合もあると思われます。
誰が何を演じている、という固定的な役割を振り分けない方がよいと思います。
「上の立場でいる人間」であることから出る悩みや、もうこんなこと止めたいという気持ちや、いろいろの気持ちが絡まっている心の中をそのまま作品に結晶させたもの、
というように、ふわっととらえています。
Commented by k_penguin at 2009-07-04 14:33

私が問題に思うのはむしろ、
2人いれば必ずどちらかが上に立ち、もう片方が下になるものだ、という前提で、
2人が対等、という関係はありえない世界だと言うことです。

>リーダーは、反省し改心した上でリーダーの座を明け渡しています。

私は反省も改心もしていないと思います。
彼は「俺は不完全で不謹慎でry不衛生だから」明け渡しただけで、要するに、責任の重圧に耐えかねて投げてしまっただけです。
「謝る話」に近いものは「採集」ととらえています。
プリマは謝罪の代わりに死ぬのです。
「殺される」体をとっていますが、
プリマは確かに殺されたいと望んでいる、と感じました。
謝罪のために死ぬ、という殉教者のような自己憐憫が、
「賢太郎オンステージ」にさせたと思っています。

だから結局私としては、
「それ以下だ。」と罵られているのは「ラーメンズ以外の誰か」ではなく
やはり小林賢太郎だと言うことになりますね
Commented by K☆SAKABE at 2009-07-04 23:52 x
penguinさん

ありがとうございます。
心して拝読させていただきました。(正座です。この姿をお届けできないのが残念です。)

>わからないものはとりあえず「わからないから留保」でいいと思います。
わかる必要なんかないんですよ。でも、わかりたい。わるはずなんてないのに、わかった気になりたいんです。

>「小林=片桐」として表現されるややこしさのおかげで
このややこしさに私がついていけないんですよね。
penguinさんに返事をいただいたあと、台詞書き出して何度も見ました。
見ながら「・・・うん?今どっちだ?」(by「TEXT」透明人間)状態。

私の場合、単純に外の人間の「嫉妬」とか「否定」に対して、揶揄していると捉えたんです。
Commented by K☆SAKABE at 2009-07-05 00:35 x
「大丈夫です。がんばります。」って、自分を鼓舞しながら、自分と他人に向かって言う言葉だと思うんですね。
その覚悟って言うか、意地みたいなものをこの台詞に感じたんです。(2回言ってるし)
そのうえで、他人を罵るのはいかがなものかとは思いますが・・・

何でも聞いてすみません。
本当は戯曲を買って読めばいいんでしょうけど、感情の乗った「言葉」として聞いてもカタルシスを得られない台詞を、活字で読めるほど私の心は強くありません。
基本的に頭が良くないので、penguinさんに噛み砕いて説明していただけることは、とてもありがたいです。
ただ、どんどん深みへはまっていくのを感じないではないですが。

お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
Commented by k_penguin at 2009-07-05 01:26
いえいえ、どういたしまして。
(正座で読むような立派なものじゃありませんよ^-^; 姿をお届けされなくて逆に良かったです。恥ずかしいから)
私の方もK☆SAKABEさんのコメントからいろいろ考えたりしています。
こちらこそありがとうございます。

あまりのめり込まずにほどほどに・・・
と言いたいけど、自分が「毒食わば皿まで」とか煽っちゃったし、
うーん、ま、ご飯はちゃんと食べて下さいねー。

作品の中の小林要素と片桐要素を分離することは、おそらく不可能だし、
作者の意思にも沿わないことだと思います。
2人が融合してしまっていることは、観客としては理解がしづらくなるし(ふつーの意味でも)、
また、事実を客観的にとらえていないという点で本人にとっても良くないような気がするのですが、
私としてはとりあえず、作者の意思を尊重しておいています。
Commented by k_penguin at 2009-07-05 01:26

「大丈夫です。がんばります。」を私は、
「謙虚攻撃」の手段ととらえました(ただ「下の人」は意識していない。多分)
戯曲には、作品のタイトルのあとに内容説明みたいなことが書いてあるのですが、
(私はふつーに戯曲見てます。ブログ記事用資料として買いました)。
そこには「上の立場の人間は、下の立場の人間に負けまいと必死に取り繕う。」
と、書かれています。
また、片桐さんが演じてるキャラが主役なのは確かなので、
それが誰を指しているのかはおいといても、この話は
「上」と「下」がルールのよくわからない「勝ち負け」を争う話、
ととらえるのが、ラーメンズ的でいいんじゃないかと思います。
台詞、要素はなるべくテーマに関連づけて理解した方が作者の意思にそうと思います。

少なくとも後期のラーメンズにおいて、ラーメンズ以外の第三者に直接語りかけるってことは、まず無い、と
とらえています。
Commented by yuma at 2009-07-08 21:24 x
初めまして、いつも興味深く拝見してます。
最近「ATOM」を見返して色々思うところあったので便乗させてください。
私はプリマがジャックに殺されるのはプリマがジャックより「上」だったからだろうと思ってたんですが、ペンギンさんは「謝罪のため」に殺されていると捉えてらっしゃるんですね。読解力がなくて今ひとつピンときてないんですが、プリマは何に対して(関して)謝罪してるんでしょうか?

ちなみに私は「上下関係」は単純に、「上」から降りたら攻撃されるに違いない!という彼の不安を描いた話かなと思っていました。
Commented by k_penguin at 2009-07-08 22:55
yumaさん初めまして。

>プリマは何に対して(関して)謝罪してるんでしょうか?

自分だけ東京で楽しくやっていること、つまり「勝ち負けの問題」で勝っているからです。
プリマの名前はブリマハムからきていると思われるので、この時点でもうプリマは「豚」であり、殺されるべき人です。
彼は勝つべきではない人、楽しくやってたりしちゃいけない人、だったのです。

yumaさんの「プリマがジャックより「上」だったから」というのも同じことを別の方向からとらえたものだと思います。
ただ、yumaさんのとらえ方だと、ジャックがプリマに嫉妬した、という解釈も成り立ちますが、
ジャックは単に自分のコレクションを完成させるために「人間」が必要だっただけで、それは誰でも良かった、ただプリマが一番ばれ難いというだけなので、
嫉妬は殺人の主要な動機にはならない、と考えました。
あくまでもプリマが自分のことを「勝っちゃいけない人」ととらえたのです。
プリマは憎しみとか嫉妬とかの人間の感情の対象になるほどの価値もないまま、豚のように殺されるべきキャラなのです。
Commented by k_penguin at 2009-07-08 23:01
「採集」は私もよくわからないんですが、
プリマの殺されるかもしれないという恐怖を演じる部分が妙に甘い香りがすること(一瞬ですが磔のキリストのポーズをとるあたり、自分に酔ってる感)は注目すべきだと思います。

>「上」から降りたら攻撃されるに違いない!
 確かにそうなんですが、「小林=片桐」からすれば、上も下も結局同じ人なんですよね。
つまり、自分で自分を責めているだけなんじゃないかなって感じがするんです。
Commented by yuma at 2009-07-09 00:15 x
あぁ、なるほど、よく分かりました。「ボクなんかが上にいてごめんなさい」という意味での「謝罪」な訳ですね。
私は「ATOM」の1つのテーマは「一人相撲」だと思ってます。ジャックは実利的に行動してて情緒的理由はあんまりないのかもしれませんが、プリマ的には「在学中も卒業後もオレが上にいるから」(嫉妬とか恨みから)殺されるんだ、と思ってるのかなぁと。

> プリマの殺されるかもしれないという恐怖を演じる部分が妙に甘い香りがする
確かに「妙に甘い」ですよね。「丸の人」のラストにも通じる甘さな気がします、異性受けが良さそうというか(笑)。あと、体育館で一人妄想するプリマが「今際の際」を「カッコイイもの」として演じてる辺りからも「死に至るオレ」への陶酔は強く感じます。ただ、それが故に私にはあれが「死による贖罪」というより死に至る過程を「演じる」ことへの陶酔(つまり真には死なないことが前提)に見えちゃうんですけどね・・・

> 「小林=片桐」からすれば、上も下も結局同じ人
> 自分で自分を責めているだけ
私もそう思います。悶々とする彼の脳内一人相撲に、便宜的に2人の人間を当てはめただけかな、と。そうだとしたら相当切ないですけど。
Commented by k_penguin at 2009-07-09 01:25
>「一人相撲」
 私個人としては、TVを止めたことの動機の1つには
片桐さんが、片桐さん自身は意識しない形で関わっていると推測しているので(つまり小林さんが勝手に1人で悩んで決めてしまった)、
「一人相撲」というのは興味深いです。

>プリマ的には(中略)(嫉妬とか恨みから)殺されるんだ、と思ってるのかなぁと。

わたし的にはプリマが何を考えていたのかな、自分だったらどう思うかな、と想像すると、
腑に落ちないことだらけなんです。
私だったら、包丁振り回してないで絶対逃げます。
人の剥製を作るとかいうサイコ野郎(しかも自分より「下」の奴)に殺されるのは絶対御免です。
外が寒いとか言っている場合じゃないです。裸足でだって逃げます。学校なら近くに人家はあるでしょう。
彼女がいる身なら、マドンナにもそれほど思い入れはないし。
そんな私からはどうしても、
プリマは、そこにいたかったから居続けた、つまり、殺されたかった、
という気がしてしまうのです。
いわば究極の「自虐プレイ」です。
自虐プレイとしては、このシチュエーションはこれ以上ないほど完璧な設定です。
甘い香りはそのあたりからただようのではないか、と思っています。
Commented by k_penguin at 2009-07-09 01:33
・・・しかし「死に至る過程を「演じる」ことへの陶酔」を「自虐プレイ」っていうと、なんか身もフタもないですねー・・・。
ただ、演じて疑似体験することによって、彼が現実の死を免れている、という作用も否定できないと思います。

プリマの妄想プレイが「死による贖罪」にならないのも、「上下関係」が一人相撲なのも、
「責任」という概念がどこにもないからだと思います。
上下関係で、上の地位をあのような形で放棄してしまった人は、周囲から非難、攻撃されるでしょうが、
それは「上」から降りたからではなくて、無責任な放棄の点にあるはずです。
でも、あの作品には、責任という概念がない。
「責任」がなければ、それを前提とする「罪の償い」もないはずです。

「無責任」は本人にとっても辛い状態だと思います。
Commented by yuma at 2009-07-10 00:01 x
確かに責任という視点はないですね。ただ、責任が描かれないのと独り相撲に見えるのと、どっちが先かは微妙なところという気がします。

プリマがプリマハムというのは意外でした(笑)。てっきりマドンナと対になって「プリマドンナ」=「主役」かと思っていました。プリマドンナは普通女性に使う形容詞ですけどね。

>プリマが逃げなかった理由
よく言われてる「寒さ説」も「裸足説」もさりげなく否定されていたので思わず笑ってしまいました(笑
私なら・・・逃げないかもですね、下手に外に出たら闇に乗じて襲われるかも、とか考えてしまいそうです。携帯があれば警察に連絡しますけど・・・

プリマが体育館に留まった理由をゲンジツ的な線で解釈するなら「睡眠薬+アルコール」で判断力が落ちていたから、が妥当な気がしますが、深読みするなら色々考えられそうですね。個人的には、「自分は『上』だ」というプリマのプライドが、「下」相手に逃げることを躊躇わせた、とか。あるいは、「ジャックが自分を殺そうとしている」という事実を受け入れきれなかった(対峙できなかった)、とかも考えました。後者だと、淡い期待を徹底的に裏切られるジャックの絶望が際立つ気もします。
Commented by yuma at 2009-07-10 00:03 x
逆にごく浅く考えれば、コントというよりミステリー寄りな作品なので、コントならあまり目立たない“ご都合主義”の粗が見えやすかっただけという気もしますが(それこそ身もフタもないですが

つまるところ結局あの作品も、根底にあるのは「殺されるほど恨まれていたらどうしよう」という「上」としての不安なんでしょうかね?ちなみに個人的には「死に至る過程」を演じる陶酔感は、刑事ドラマの殉職シーンと似たようなもんかなと思っています(割と普遍的で俗なもの、という意味で)。

・・・うーん、長くなった挙句、なんか違う次元の話がごちゃまぜになってて分かりにくいですね、ごめんなさい。色々考えていると、どうしても「登場人物」の思考と「書き手」の思考が入り混じって見えてしまってなかなかすっきりいきません。
Commented by k_penguin at 2009-07-10 12:03
>プリマが逃げなかった理由
現実を考えだすと、そもそも、体育館でちゃんとした剥製は作れないので、
(動物だって数ヶ月かかるのに人間の剥製なんてどうやって隠し通すんだ。雑菌が入ると腐るので、それなりの衛生設備も必要だし・・・)
現実的な理由付けっていうのは全部放棄するのが1番かもしれません。
作者は明らかに「逃げようとしても逃げられない状況」に設定しようとしているので、その意図を察してあげるってことで・・・。
ジャックが体育館に鍵をかけていくのがベストなんですが、そうすると外にある剥製を見る機会が無くなりますから、そうしなかったんでしょう。

でも、薬きいた状態で包丁をふりまわすくらいなら、寒い中裸足で逃げるけどな・・・ブツブツ。
Commented by k_penguin at 2009-07-10 12:03
この話は、最初に出てきた卓球台とかのアイテムの持つ意味が、話の流れによって変わってくる、というところに主眼があるわけで、
昔なつかしい学校の体育館が、自分を殺すためにお膳立てされた部屋に変貌していく様が見所のわけです。
でもそれなら、プリマは恐怖に打ち震えるべきであって(cf.「注文の多い料理店」客のリアクション)自己陶酔するのは、作品のあり方として間違っています。
ここから私の「深読み」がスタートします。
「死ぬ自分に陶酔している」を出発点にして作品を逆に読んでいくと、
「プリマは殺されたいのだ」となり、さらにあの部屋は「自殺のために用意した部屋だ」となります。
ここにいたって、プリマはもうプリマではなく、作者と読むしかなくなります。
作者がなぜ逃げられない状況に設定したかったのかも「実は殺されたいから」で理由がついてしまいます。
この話は、自殺の方法として、古い友人に、人間ではない扱いで死ぬこと、採集されることを選ぶ、という話である。
これで筋が通っちゃうんですね。
あとは、「なぜ死にたいのか?」です。
Commented by k_penguin at 2009-07-10 12:04
>「殺されるほど恨まれていたらどうしよう」という「上」としての不安なんでしょうかね?

ただ、ジャックは特に恨んではいません。
うらやましがってはいましたが、彼がやったことはあくまで人間の「採集」です。
プリマが死にたいとしたら、その動機らしいものは、
故郷の友人を差しおいて「勝っている」ことしか作品内に提示されていません。
ここから後は私にはわかりません。
でもポツネンの白やぎ黒やぎの話も設定が似ているので、この解釈路線でも完全な間違いとは言えないと思っています。
Commented by yuma at 2009-07-10 22:05 x
現実は一切勘案しないという観かたは賛成です☆
ただ、「プリマが死にたがっている」というのに混乱してきました(笑
色々考えてはみたんですが、エントリと全く関係ない話を引っ張るのもアレなので自粛しておきます・・・

これに限らず、彼らの作品は読み解こうと考えを進めていくと全てが「彼」の内面に繋がってしまって、そこから「作品」でなく「彼自身」の深読みみたいになってしまうのが、面白さでもありやりにくさでもある気がします。
Commented by k_penguin at 2009-07-11 01:56
「採集」用の新エントリを立てたほうが良いですか?

実は立てようと思ったのですが、なんかタイミングがつかめないまま、ずるずるとコメント重ねちゃってます。
対話の形で書く方が、書きやすいんですよー。

プリマが実は死にたがっている、という解釈が飛躍しているのは認めます。
この飛躍を論理的にうまく説明するのが難しいので、「採集」の記事が書けずじまいなのです。

yumaさんに限らず、「採集」の話を続けたいという方がいらっしゃいましたら、
新エントリ立てます。
Commented by K☆SAKABE at 2009-07-11 10:50 x
おはようございます。

yumaさんとのやりとり、興味深く拝見しました。

現在「採集」については、妄想が妄想を呼んで、大変なことになってます。

「賛成票1」です。
Commented by yuma at 2009-07-11 11:21 x
正直 米でのやり取りだと物足りないところもあるので(!)
いっそメール差し上げようかと思っていたところでした(笑
エントリ立てて頂くのは嬉しいです♪
Commented by k_penguin at 2009-07-11 13:14
語り合うためのエントリを立てました。
以降はこちらに
http://shiropenk.exblog.jp/11922514/
Commented at 2009-08-22 23:05 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by k_penguin at 2009-08-22 23:43
非公開コメントさん
ワタシは別にあげあしをとっているわけではないし、
作品を批判しているのであって、失礼なことをしているとは思っていません。

私が問題にしていることをあなたは「とるにたりないこと」と評価されていますが、
なぜそれがとるに足りないことなのか、
そしてあなたにとっては何が「とるにたりること」なのかが書かれていないので
あなたの結論も「皆目分かりません。」
というしかないです。

あなたも私の意見が皆目分からないというし、
私もあなたの意見が皆目わからないのでは
つまらないじゃないですか。
何が理解できて、何が取るに足りないことなのか
書いていただけないでしょうか。(できれば公開コメントを希望)


法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


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