シティボーイズミックスPRESENTS『そこで黄金のキッス』

今年も還暦前のおじちゃん達の学芸会の季節になった。

おじちゃん達はあまり台詞を覚える気がないので、公演の頭はなるべく避けたかったのだが、諸般の都合で、2日目を見ることになり、
きっとぐだぐだになるんだろうな、
と覚悟した。

覚悟した以上俺は腹を決め、その辺をかき回して一番バカっぽく見える服を引きずり出し、それを着て新国立劇場(オペラやクラシックをやる劇場だと思っていたが、不景気で宗旨替えしたのだろうか?)に出かけた。
席も後ろの方だったので、オペラグラスを持っていった。
台詞が飛んだりするハプニングのときのおじちゃん達の表情を眺めるためだ。

ぐだぐだ対策をここまで整えて臨んだ俺だったが、現実は期待を上回るぐだぐだっぷりだった!
昨日一度やったんだから、今日はできるだろう、とか思っちゃいけないんだなって
しみじみ思った・・・。

きたろうおじさんがグローバリゼーションを説明する長い台詞を噛みながらもなんとか喋っただけで失笑と拍手が湧いた。
斉木しげるは言うまでもなかった。
特にすごかったのは、オチの「れんたん君」がやってきた後にれんたんに関する前フリを思い出したことだった。
大竹まことは舞台袖からでもつっこみまくってみんなの失敗を笑いに変えるのに大忙し。
ついには、照明さんまで照明チェンジのタイミングを間違えていた。

あーあーあーあー、とか思いながらも、なんか和む感じ。
晩年のジャイアント馬場の試合って、こんな感じなのかなー、とか思ったりして。
シティボーイズの3人が、舞台でバカなことやりながら嬉しそうな、そしてなぜか得意そうな顔をしているのを見るだけで、素直によかったなー、とか思えた。
最後のトークで「お客さんに救われた」と3人とも言っていたけれど、確かにそんな感じがあった。
客がなんというか、優しい目で投げやりになってる感じ。
公演後、アンケートを書いていたら、となりのカップルの男が女に向かってずっとコントのダメ出しをしていた。
嬉しそうににこにこ笑いながら。
女の方もケラケラ笑いながらアンケートを書いていた。

みんな、それなりのスタイルでぐだぐだを楽しんでいるんだなー・・・。


印象に残ったネタは、れんたん君はじめとするゆるキャラ3人組。
あと、ノートに書いたわけわからないキャラが具体化するやつも個人的に好き。
「長い夜」の少年達はビミョー。
俺も魚貝類アレルギーのやつを知っているのだが、本当に大まじめにああいう感じなので、余り笑えなかった。

テレビではできない様な危ないネタっていうのも、売りの1つなのかもしれないけれど、
危ないことを言うだけなら今ではネットでいくらでも見られるから、それほど俺は重視していない。
むしろ、普通であれば、言うだけで終わらせてしまうことをどのくらいコントの形にできるかって方が気になる。
そんな下らないことをそこまで形にするか?!
って方が面白い。


カーテンコールのトークで、物販のTシャツを、「ラーメンズのTシャツと同じ値段で布がずっと厚い」と宣伝していた。
ラーメンズを比較の対象にしたということは多分、ラーメンズは物販の売上が高いんだろうと思うんだけど、
Tシャツの布の品質はおいといて、
少なくとも今のラーメンズとシティボーイズはやってることは全く違うと思う。

大人が子供っぽいことをやっているという点では似ているけれど、
シティボーイズが完全に開き直っているのに対して、
ラーメンズには「俺、こんなことやってる場合ではないのでは・・・」という後ろめたさがある。
率直に言って、ラーメンズは観た後の後味が悪い。
夢中で遊んでいる最中に、ふと
「俺、こんなことやってる場合ではないのでは・・・」と思うとき
それはイヤでも大人になるときなんだと思う。
時間の流れは冷酷で、
なりたくないのに大人になってしまい、それを認めたくないラーメンズと、
大人の仕事と子供の仕事を分けて続けるシティボーイズ。
シティボーイズはずっと子供のままでいられるよね・・・

と、思ってたら、トークで
来年還暦を過ぎても果たして公演を続けるのか、
もし斉木しげるが亡くなったら、きたろうは公演に出るのか、という話をしていて(最初に亡くなるのは斉木しげるに決定しているらしい)、
しかも、家に帰ったら、キヨシローが58歳で亡くなったとかニュースが入って、

そーかー、
永遠に続くことなんて無いんだなー、
と、
変にしみじみしてしまった今回の公演なのでした。
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by k_penguin | 2009-05-04 16:23 | エンタ系2(ライブレビュー) | Trackback | Comments(2)
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Commented by smashige at 2009-05-10 09:18
ラーメンズさんは皆さんまだ若かったですよね?それに、なんかまじめそうですよね、あの人たちは。
シティーボーイズ、お年を召されるとそういう感じになって来るんですかねー。なーんか、楽しそうでいいですねー。
うちの職場のばあちゃん看護師を思い出しました。失敗ばっかりで腹立つんですが、笑えるんですよねー。その方は先日67歳でようやく引退なさいましたが。。
最近は還暦なんてまだまだ若いでしょう。それこそ誰かが亡くならないかぎり、見て笑ってくれる人がいるんだから続けてほしいですよねー。
それにしても、新国立劇場でこんな公演をしているんですね。バレエやオペラしかしてないのかと思ってました。ある意味日本のれっきとした文化的行事なのかもね、シティーボーイズ。
Commented by k_penguin at 2009-05-10 18:21
ラーメンズは
シティボーイズを尊敬している、というような発言をしばしばしているので、
ちょっと比較してみました。

シティボーイズは吉本新喜劇のような
ある意味様式美の世界に入りつつあるのかも。
私が見た日はあまりにひどすぎて、
大竹まことが「今日の公演は他言無用にお願いします!」と叫んでいましたが、
3人が身体いっぱいで
やりたいことやって嬉しそうにしているのを見たってだけで
なんか目的は一応達成されたって気分になるのです。

知らないで見ちゃった人は
確実に怒るでしょうが・・・。