痴漢事件3題   

2009年 04月 14日

痴漢事件(強制わいせつ)で逆転無罪判決が最高裁で出たという珍しい事例。
判決の分析をするには情報が足りないので、報告にとどめるけど、
最高裁で逆転無罪という点でも、有罪を無罪にするという二審判断と事実認定で大きく違う結論でありながら、差し戻しをせずに自判した点でも珍しい例。
自判したのは、なるべく早く被告人を裁判から解放するためと思われる。

毎日
小法廷は満員電車の痴漢について「特に慎重な判断が求められる」と初判断を示し、理由として「客観証拠が得られにくく被害者の証言が唯一の証拠である場合も多い。被害者の思い込みなどで犯人とされた場合、有効な防御は容易でない」と述べた。被害証言を補強する他の証拠を求める内容と言え、捜査や公判に大きな影響を与えそうだ。


被害証言を補強する他の証拠を吟味することを要求するという点では、民事ではあるが、最判H20.11.7がある。
今後そーゆー流れになる可能性はあり。

追記 判決文(pdf)

さて、大学教授の痴漢事件と言えば、当ブログとしては植草さんに言及せざるをえないのだが(植草さんも多分最高裁に上告中だったと思う)、
事例的に植草さんのケースと違うことは明らかとしても、
植草さんとの比較で興味を持ったのは、植草さんが、逮捕の時点でさっさとクビにされてしまったのに対し、この防衛医大教授が休職中という扱いになっていること。
裁判で決着つくまで大学は処分を保留してくれていたのね。
否認事件である場合、これがあるべき対応だと思う。
まあ、植草さんはそれほど重要な人材と思われていなかっただけなのかもしれないが。

痴漢事件つながりで、最近見つけたけど特にブログで取り上げていなかったものを2つ紹介しておく。

ONE OK ROCKメンバー痴漢で逮捕
・米国出身のファッションモデルでミュージシャンのALEX(アレク、本名・鬼澤アレクサンダー礼門
 =21)が5日午前8時ごろ、川崎市内を走っていた東急田園都市線の電車内で女性(21)の
 足を触ったとして、神奈川県迷惑防止条例違反の容疑で県警に逮捕された。

この結果全国ツアーは中止になり(ギターが逮捕されちゃ仕方ないが)、新曲発売も中止、ドラマの主題歌はおろされる
というさんざんな目に遭っているわけですが、
本人が痴漢を認めているか否認しているかについて全く報道されていない。
痴漢で逮捕ってだけでは、情報として足りないと思う。
せめて認めているか否認しているかの情報が欲しいとこ。
否認していたとしたら、ずいぶんかわいそうだという気がしたが、
テレビは時間が勝負だから、判決を待っているわけにはいかない。
正義よりもイメージ重視の世界だからってことで納得することにする。

キングオブコメディの高橋健一(今野じゃない方)

2007年7月、逮捕のみで釈放。
その後半年間活動自粛(どーもテレビで見かけなくなったと思っていたら・・・)。
本人が痴漢を否定し、相方がつっこんでるインタビューあり。

酔っているケースの場合、真実はますます藪の中。
[PR]

by k_penguin | 2009-04-14 21:23 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(3)

トラックバックURL : http://shiropenk.exblog.jp/tb/11326765
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by uneyama_shachyuu at 2009-04-15 01:14
最高裁の判断は、本来の裁判所の姿で、本当は驚いてはいけないものなんでしょうね(笑)。

とはいえ、痴漢事件は、訴えられたらもう終わりという現実に対して、最高裁が一定の態度を示した、と考えて良いのかもしれません。

ええことですわ~ということに素直にしておきましょう(笑)。
Commented by smashige at 2009-04-15 10:26
saka_hamaです。
お久しぶりです。この判決にはびっくりしました。早く自判してあげたとはいえ、教授にとってのこの3年は何だったのだろうと考えてしまいました。
後のニュースで、防衛医科大学が、復職に向けた手続きを始めたということでちょっと救われた思いです。
しかし、植草氏がさっさと首にされたのは、それなりに前科があったからなんでしょうが、今、植草さんのコメントを見たら、そーゆーことには一切触れておらず、自分の方が「証拠の構造などは、今回、無罪判決が出された事件以上に、「合理的な疑いが残る」ものだと言える」と吠えておられる。
酔ってて覚えてないんでしょうかねー??

ところで私ですが、ぼちぼちとやっておりますが、最近ちょっと休みがちです。またのぞきに来させて下さいね。
Commented by k_penguin at 2009-04-15 11:49
>畝山さん
そうですね、これが本来の裁判の姿のはずですよね。
ところがこの方、
「控訴審判決後、裁判長から「まだ最高裁がありますから」とまで言われた。」そうで
http://www.kobe-np.co.jp/knews/0001825347.shtml

これからすると、どうも控訴審の裁判長は有罪を出しながら
無罪と思っていたんじゃないかと。
そして、最高裁なら無罪を出すかもしれない、と思っていたんじゃないかと。

やはり、無罪を出しにくい構造っていうのが裁判にあるんじゃないかと思います。


>saka_hamaさん、お久しぶりです。
またきれいな写真を見ることが出来て嬉しいです。

>教授にとってのこの3年は何だったのだろう
 
全くその通りですね。
それと同時に、被害者にとっても何だったのだろう、と思います。
(これについてはまた記事を書こうかと思います)
大学の対応はすばらしいですね。
そしてその対応が無駄ではなくなったことも心から良かったと思います。

植草さんは、相変わらず引きこもってますねーw
そもそも植草さんのケースでは目撃者がいるという点で
今回の事件と「証拠の構造」が違うんですが・・・ま、いーや。
元気ならそれでいいよね~。

<< 調書漏出事件裁判のいろんな勝ち負け ラーメンズ第17回公演『TOWER』 >>