『小林賢太郎テレビ』

NHKBS-hiでやったライブポツネンのTVバージョンて感じの番組。
BSとはいえ、テレビで小林さんソロを見るのは初めて。
他のチャンネルの賑やかさのなかにあって、シンプルな空間とテンポが独自の存在感を感じさせていた。

やはりライブでやったネタが完成度が高くて面白く、TV用の新ネタは思いつきをそのまま流したようなやっつけ感があったが、
今回初めて小林賢太郎を見る人はそんな違い気にしないだろうし、特番の番組として充実した内容だったと思う。

放映後、このブログの小林さん関連エントリのアクセスも急上昇していることだし、成果は上がっているんじゃないかな。
もしかして番組のシリーズ化も視野に入っているのかも。

番組制作側からお題を与えられた最後の作品は、
自分の作品に他人の思惑が入ることを苦手とする小林賢太郎の弱点が出て
「やっちまったな!(byクールポコ)」感がある。
固定カメラ、編集無し、という与えられた条件を潜脱することに執心しすぎて、話そのものの完成を放棄してしまった。
結局、映る人の方が動いてカメラを動かしたり編集したりしたように見せるのだが、
先日のが~まるちょばのライブで、マイムでカメラの回り込み表現だけでなく、倍速、スローモーションまでやってのけた、ずっと完成度が高いものを見たばかりだったのも、そう感じた理由かもしれない。

今後テレビのお仕事をしていきたいのなら、抜け道を考えるだけでなく、他人とのすりあわせ方も考えなければならないだろうとは思う。




*深読み編*

当ブログでは、小林さんの作品の個人的な楽しみ方として「深読み」をしている。
今回はテレビ版と言うことで舞台よりも「毒気」を抜いているようであるが、それでも少し楽しませていただこう。

今回のキーになるアイテムは、「機関車」。
ポツネン氏は街中で機関車の映像や写真を追いかけ回し、夢であこがれるが、なぜ機関車なのかについては一切の説明がない。
ところで、煙を上げて疾走する機関車のイメージは、『TEXT』銀河鉄道の夜に出てくる。
そこでの機関車は、「人生」を指している。
どこかを目指して一直線に疾走する人生。
ポツネン氏はそんな人生を手に入れたいと願っている。

朝、原稿用紙に1日分の行動が書き付けられていてそれに逆らえない毎日。
書き付けたのは自分のはずなのに、他人に行動を決められているよう。
紙に書かれているのは1日分だけで、その先はわからない。
そんな細切れの日々ではなく、疾走したい。
でも、もしそんな人生になったら、今までの生活は総て崩れてしまうだろう。
機関車は自分の部屋には入らないのだから。
ポツネン氏は自ら走り出すことはできない。
しかし、今の生活を壊してでも新しい人生に走り出す瞬間が来るのを密かに願い、
明日こそはそのときが、と思いながら眠りにつく。
それがポツネン氏の「不思議な」毎日なのだ。

しかし・・・だとすると、それまで見せられた「一日」を全否定ってことか?
・・・これだからバニーはブツブツ


関連記事
『小林賢太郎テレビ K.K.T.V.2 ~ポツネン旅に出る~』




小林賢太郎テレビ 1・2 DVD-BOX
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by k_penguin | 2009-02-18 01:12 | エンタ系 | Trackback | Comments(11)
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Commented by けーぷ at 2009-02-21 12:27 x
139 名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! [sage] Date:2009/02/20(金) 12:06:44 ID:FW6zRvmb0 Be:
KKTVちゃんと見てれば、小林がそんな風に作品を作っているわけじゃ
ないことくらいわかりそうなものなのにw
どう見ても断片のよせあつめ、アイディアの積み木とつじつまあわせでしかないのに
人生だの疾走だのw
ある意味感心する。
Commented by k_penguin at 2009-02-21 21:42
けーぷさん、コメントありがとうございます。
見たとこ、2ちゃんからのコピペのようなので、
けーぷさんはこれについてどう思っているのかを書いていただければありがたいです。
コピペにマジレスになっちゃうので。

で、コピペにマジレスですが、

小林賢太郎がわざわざ自分のHPにポップアップで宣伝したことからすれば、KKTVは、少なくともNAMIKIBASHIくらいには力を入れて作られています。
そして、短い作品を集めた作品をそれなりに真面目に作るのなら、
全体を通した1つのテーマを設定します。
ちょっと表現能力のある人ならば当然だと思います。
それを
「どう見ても断片のよせあつめ、アイディアの積み木とつじつまあわせ」
とは、コバケンもなかなかナメられたものですね。

KKTVは、各々のネタを「機関車」のイメージでつなぎ合わせた作品と見るのが自然だと思います(もちろん「テレビ」は除く)。
一見薬瓶などがバラバラに置かれているようで、ある特定の方向から見ると機関車のシルエットになるように計算されて机上に置かれているラストシーンもこれを示唆しています。
Commented by tomo at 2009-03-01 15:44 x
昨日コメントを書いたのに
数時間のうちに削除したモノです。

初めてコメントを残させていただくのに
自分の考えもまとまっておらず
長々と書いてしまって
「これは失礼だよなぁ」と思い消してしまいました。

それなのに、penguinさんから
メッセージが残されていて
本当に本当に嬉しかったです。
ありがとうございます。

ですが、昨日書いたものは残っておらず
何を書いたのか、なんとなくしかわからない状態。
こんなことなら消さなきゃ良かったと
後悔しておりますです。

なので、改めて書かせてください。

今回のKKTVは、舞台よりも
若干わかりやすくなっているようで
「機関車」がテーマな事。
朝のうちに「機関車が手に入る」と
「この部屋に入るかな?」と、
わかりやすくキーワードを残して始まることから
penguinさんの文章をほぼ共感しながら読んでいたのですが
最後だけ、少し、感想が違います。
Commented by tomo at 2009-03-01 15:45 x
机の上に並べられた小物が機関車に見えたところで
一見、「機関車」に対するテーマは終結した感がありますが、
ポツネン氏の1日は前日に自分で書いたレールの上を走る
いわば、自分自身が機関車のようなもの。
そして、その毎日が永遠に続くのかと思ったのですが
彼は、明日のレールを書いている最中にペンが止まります。
そしてハッキリと目を見開いて目覚め、終わります。

これが何を意味するのか。
私はまだ納得いく答えは出せていないのですが
彼が本当の意味での機関車を手に入れたような気がするのです。
目指すモノはなんなのか
終着駅がどこなのか、何もわからない。
一寸先は闇かも、光かもしれない、未来へ
彼は自分自身で道を選び、
疾走していく明日が見える気がします。

私はまだまだいろんな事が見えてなくて
コバケンが好きだから
良い方に捉えすぎてるのかもしれないのですが。。。
そんな風に受け止めました。

長くなって申し訳ありません。
初めましてなのに・・・本当にすみませんです。。。
温かいメッセージも本当にありがとうございました!!
Commented by k_penguin at 2009-03-01 20:01
tomoさん
再度のコメント、どうもありがとうございますm(_ _)m
お願いするのは失礼かとも思ったのですが、
いろいろ考えさせられたコメントを諦めきれなかったので・・・。

ラストシーンの解釈
ポツネン氏が寝入った部屋に機関車の煙らしきものが漂い始めます。
それが夢か現か、いまいち不明です。
ポツネン氏が目を覚ましたのが原稿を書き終わった直後なのか、途中なのかもいまいち不明です。

私は、少し迷ってから、原稿を書き終わった直後と解釈しました。
この解釈だと、機関車の夢はただの夢で、同じ毎日が続くことになります。

これに対し、
tomoさんのおっしゃるように書いている途中なのであれば、機関車が本当にやってきたのです。
ポツネン氏が目を開けたとき、あの状況であれば真っ先に原稿が目に入ります。そこには機関車の到来が告げられている。そして目を上げると
・・・と言うところで小物群による機関車のシルエットにシーンが繋がります。
あのシルエットは、機関車がやってきたことを意味するものになります。
Commented by k_penguin at 2009-03-01 20:02
両方の解釈が可能ですが、作者的には、少なくとも7:3の割合で、tomoさんのように解釈して欲しいと考えているでしょう。
そっちの方が、画的にぴったりはまるからです。

しかし、私はあえて少数派の解釈を選びました。
ラストシーンだけを解釈すれば、機関車が現実化している方がよいのですが、
それまでの日中の行動に機関車を現実に呼びよせることを可能とする要素がないからです。

「イメージに誘われて冒険をし、成長することによって最後にイメージを現実化する」
お話はよく見かけます。この話もその類型のように見られます。
しかし、そうであれば、イメージをきっかけとした事件が起こるたびに、主人公は、イメージを現実化するのに必要なアイテムを手に入れるはずです。
例えば知恵とか友情とか、なんか問題解決の役に立つものです。

ポツネン氏は写真屋の親父と仲良くなっただけで、後は何も変わっていません。
その写真屋とも、どーも話がかみ合っていない様子。
これでは夢を現実化することはできないと思います。

つまり、ポツネン氏は、気合いだけで夢を現実化しようとしているのです。

いや、それは無理だって、バニー。
私はそう思ったのです。
Commented by k_penguin at 2009-03-01 20:06
このように考えたことを今まで意識していませんでしたが、tomoさんのコメントではっきり思い出しました。
どうもありがとうございます。

あと、これとは別にちょっと思ったのですが、

>いわば、自分自身が機関車のようなもの。

 機関車「のようなもの」だけれど、機関車ではないわけですよね。
「自転車」がここに当てはまるのではないでしょうか。
彼は移動に自転車を使っています。
自転車が機関車にあこがれる、というのは、
TAKEOFF的な発想になじみます。
 もちろん画的な効果もあっての上でしょうが。

ポツネン氏は「腑におちないもの」を売って生計を立てているようですが、
そういう生活が自転車な生活なんでしょうね、多分。
Commented by fumi at 2009-03-18 01:44 x
お久しぶりです。

コメントも含めてニヤニヤしてしまいました。
たぶんご本人はかなりご満悦なんじゃないかと、私は感じています。まだまだだとはいいながら、いつものように。

憧れっぱなしと言ったところだけ本音を感じましたけど、他はいつもと変わらずいい感じに出来たと、まだやっぱりビクついてる感じはあったと思います。

友人は彼の作品を初めて観て、良かったと言っていました。

自分は自転車に乗っているけど、最後には憧れの機関車を手に入れる。現在進行形の願望でしょうか。でも、その状況が彼の石炭になればいいのかな。
Commented by k_penguin at 2009-03-18 12:14
fumiさんお久しぶりです。

小林賢太郎を知らない方へのご紹介という意味では十分魅力を伝えられていたのでTV番組としては十分の出来だったと思います。
ただ、作品「テレビ」だけはまずかったと思いますが。

>現在進行形の願望でしょうか。

 多分そうなのだと思います。トライアンフもShine!でやった作品も、
 気合いだけで願望が叶えばいいな
という内容ですから。
願望の内容が相変わらず不明なんですけど。

自転車は「自転車操業」というイメージも持つな、と後から思いました。
仕事がルーティンワーク化してきていて、情熱を忘れかけているので、情熱を取り戻したい
という意味にも取れそうです。
(ただし、そう考えることは、機関車が部屋を壊すこととミスマッチ)
なんにせよ、次回の舞台『Tower』で何かわかるだろうと
ワタシはのんきに構えています。
Commented by fumi at 2009-03-18 23:23 x
>自転車操業

私もそう思いました。きっと冷静に見てる自分もどこかにはいるんですね。けれどここまでもう走り続けてきてしまっているし、走っているし、それがいいのか悪いのか、立ち止まって熟慮する時間はないと言うところでしょうか。

相変わらず「願望」を追いかける夢見る夢子ちゃんは、次の舞台でどう表現してくれるか楽しみですね。penguinさんはチケット取れましたでしょうか?

ハードル上がってるのでしょうか。これが続くと諦めも出てきてしまって、でも以前penguinさんが言ってたいい意味で化けるを期待してしまうのは、連チャンを信じて投資するパチンコみたいなものでしょうか。
Commented by k_penguin at 2009-03-19 00:48
>「願望」を追いかける夢見る夢子ちゃん

 笑えますね~、それ。まさにそんな感じですね。

 チケットは後半戦を確保していますが、席がどこだかわからないのが不安です。
今回はネットで当日券が取れるので、
前半戦で試してみようかと思っています。

>ハードル上がってる

 本人もそんなこと言ってますよね。
でもなんとかこなしきれるだろうと思っているようですが。

でもKKTVのポツネン氏が小林賢太郎自身であると仮定すれば、
彼は今自分が作っているものが「腑におちない」と思っているってことなんですよね。
(つか、腑に落ちてないものを人に見せるなっつーの)

ワタシとしては、しばらくは膠着状態だと思います。
長期戦を覚悟して、まったり見守るのが吉かと。


法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


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