『古墳ギャルのコフィー~12人と怒れる古墳たち~』   

DVD『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE Ⅱ~私を愛した黒烏龍茶~』の併映作品。
なぜ併映の方を取り上げるかっていうと、これが裁判員制度の解説として優れていると思ったから。冗談抜きで。いやちょっと冗談で。

古墳ギャルのコフィーシリーズは、前方後円墳コフィちゃんの大活躍と、四隅突出型墳丘墓ダニエルの受難の日々を描くゆるーいflash作品で、いくつかネットでみられる。

お話は、題名からわかるように『12人の怒れる男たち』のパロディなんだけど、それにしてはよく裁判員制度についても調べてある。侮りがたし。

コフィーちゃんが犯した盆栽の器物損壊罪のぬれぎぬを着せられたダニエル。
人間よりも早くに裁判員制度が取り入れられた古墳犯罪の刑事裁判において、なぜか裁判員の1人になったコフィーぢゃんは、ダニエルを有罪にして早く帰りたがる裁判員達の中、ただ一人事件に疑問を示すのであった。

裁判員制度と陪審員制度との違いも説明されているし、古墳犯罪については、「3名の裁判官を含む計12人の裁判員」という人間とは違う裁判員制度であるという解説までなされている。
無実を主張するダニエルに弁護人が耳を貸さないのは当然として(ダニエルのいうことは無視されるのがお約束)、その理由が「どうせ罰金なんだから、証拠がない事実誤認を主張せず、罪を認めた方が得だ」と、かなり弁護士的にリアルなあたりも感心した。
そして、一番感心したのは、裁判員制度の広報などに使われる「裁判員は国民の義務ではなく、権利です」という、ふつーに考えて無理がある論をコフィーちゃんが熱弁し、感覚的に納得させてしまうところ。
司法関係者があまり具体的に語りたがらない「司法の閉鎖化」「一般の感覚を取り入れバランス感覚を正常化する」を通じて「国民の権利」まで、一気にイラスト(「司法」は「シホ」という暗いねーちゃん)で語ってしまう。
裁判員制度の広報にもこのくらいの説得力があればなあ。

裁判員が新聞の切り抜き記事の情報からダニエルの殺意を推測してしまったりするミスはあるが(法廷に出た証拠以外の情報から心証形成してはいけない)、
いや、そんなこといったら、器物損壊罪で起訴されたダニエルが最終的にテロを認定されて死刑を宣告されていることはどうなるって感じだが、
ま、そーゆーことは、こっちに置いといてえ、
裁判員制度の意義をどの宣伝よりも説得的に説明できている作品だと思う。
裁判所も金ばかりかけていないで、こーゆー宣伝すればいいのになあ。

・・・絶対無理だけどね。


そうそう、本編の『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE Ⅱ~私を愛した黒烏龍茶~』はもちろん面白かった。
前作の予算ゲージが今回もあったのが嬉しかった。


秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE II ~私を愛した黒烏龍茶~ スタンダード・エディション [DVD]
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by k_penguin | 2009-01-26 01:48 | エンタ系 | Trackback | Comments(0)

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