犯罪者は更生しないわけではない

年末駆け込み記事。
刑罰と執行猶予の中間的な制度が導入される見通し。
導入を検討されているのは、「社会奉仕命令」と「一部執行猶予」。
社会奉仕命令は外国では、ウィノナ・ライダーとかのお騒がせなセレブがときどきやらされているアレ。
外国では刑罰の1つに位置づけられているが、日本では、執行猶予の保護観察制度の1つに位置づけられる予定。
保護観察は、更生プログラムである一方、刑罰は「応報」なわけで、相容れないイメージがあるけど、罰としてお掃除っていうのは昔からあることで、「応報」と「更生」は決して両立しない事柄ではない。

あと、このブログは痴漢冤罪についても扱っているわけだけど、
その絡みで、無罪を主張し続けると、無罪か懲役かの二者択一のリスクを負うことになりやすい(反省していない犯罪者とも見られるから)と書いたことがある。
社会奉仕命令が入れば、社会奉仕命令つき執行猶予、という選択肢もできるわけで、そうなれば、リスクの低減になるんじゃないかな、
なんて思ったりして。

もう1つの「一部執行猶予」。
実刑と(多分保護観察付きの)執行猶予を組み合わせたもので、毎日はこの制度を中心に取り上げているが、こちらは今んとこ評判が悪いようだ。
薬物犯や、これまで刑務所に入ったことのない人のように、刑務所入れると、もしかして逆効果かもしんないって人のための制度なのだが、
なぜかネット的には、
更生目的というのは方便で、実体は刑務所の過剰収容対策であろう
という推理が多い。
なんかしんないけど、犯罪者は絶対に更生なんてしないものだという前提でモノを考える方が多いようだ。

まあ、更生した犯罪者は大きなニュースを起こさないけど、更生しない犯罪者は犯罪を重ねた結果大きなニュースになるようなことをするから、
更生しない方の方がずっと目立つという事実はあるが、別に犯罪者がみんな更生しないわけではない。
2ちゃんには犯罪予告や名誉毀損の書き込みばかりあるわけではないが、ふつーの書き込みや真面目な議論はニュースにならない結果、まるでそんなモノがないかのように見えるのと同じだ。

犯罪者の更生について一般の理解はとても低いと思う。
刑務所をゴミ箱か何かのように思っていて、犯罪を犯したなら、ゴミ箱に捨てればよい。刑務所からまた出てくると聞けば、じゃあ死刑にすればよい。
そういう短絡的な意見が目につく(まあ、ネットだからかもしれないが)。
でも、刑事の実務って、そういう考えではなくて、むしろ刑罰の矯正的な側面が重視される。
犯罪者の将来について考えずに判決を下す裁判官はいない(その意味で実務では古典学派的な考えよりも近代学派的な的な考えに近い)。

本物のゴミだってリサイクルする時代なのだ。
犯罪者の処理についても、せめてエコ活動程度には皆様のご理解を得たいものだ。


・・・と、いう感じで、なんとか今年も社会派な記事で終えることができました。よかったよかった。

それでは皆様、良いお年をー。
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by k_penguin | 2008-12-30 23:53 | ニュース・評論 | Trackback | Comments(2)  

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Commented by uneyama_shachyuu at 2009-01-05 14:22
「刑務所に入ったら、犯罪の手口を覚え余計に悪くなる犯罪者が『極めて』多いのに(※犯罪者の犯罪者による犯罪者のための犯罪学校とも)」と知り合いの弁護士たちはよく言っていますねぇ。

…これ、関西だけか??(汗)
Commented by k_penguin at 2009-01-05 20:57
いや、モトケンさんもそう言ってましたよ。
・・・あ、モトケンさんも関西だ^-^;

でも、多分東西問わずそうなんじゃないかなと思います。
特に最近の状況では社会復帰はさらに困難になっていますからねえ・・・。

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