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『WALL・E/ウォーリー』

公開は来月だけど、試写会で。軽いネタバレあり。
PIXARがディズニーに買収されてから2作目、かな。前作は『レミーのおいしいレストラン』。
CMとか見た感じ、単純な形状のロボットがいろいろ感情表現するってことで、『カーズ』のリベンジを期待していた。
『カーズ』は車の形状そのままでいろいろ複雑な感情表現に挑戦していて、すげー意欲は買うけど、しかし所詮は車なのでやっぱ無理がある感じだった。
今回は一応人間型のロボットで、手もできて感情移入しやすくなり、表現が楽になった。
ロボット達は機械音声でしか喋らず、ほとんど会話らしい会話をしないけど、キャラが単純だから十分理解できる。
コロコロでおそうじする小さなおそうじロボットのモーがかわいかった。

ただ、世界設定が良く飲み込めない。
ロボットも人間ぽい要素を持っているっていう世界設定なんだって言われれば引き下がるしかないけれど、どーもなんかね。
古いタイプのウォーリーが感情を持つのはわかるけど、最新型のイヴに感情表現する機能つけるって、設計にすげー無駄があるよな。愛玩用ロボットじゃないんだから。
『カーズ』では車型のハチがぶんぶん飛び回る最初のシーンで、あー、そーゆー世界なわけね。了解。って思えたけれど、今回はどうも最後まで世界設定が飲み込めなかった。
宇宙船の中の機械的作業をしているロボット達が、ウォーリーに出会うと、人間ぽい仕草をするようになるのが良かったんだけど、じゃ、それまで何でただのロボットだったんだ?とか考えると、謎。
後から考えると、建物などのデザインがレトロSFっぽいから、その辺から虚構性をかぎ取ってくれ、と言いたかったのかなー。

しかも内容が子供っぽくなった感じが。
700年も怠惰な生活してきて、立つのも大儀になった人類が、今さら大喜びで地球に帰って、農作業なんかしたがるかあ?
宇宙船の乗客達の自立心が芽生える過程をもっと丁寧に描いて欲しい。
あと、ぶっちゃけラストがナウシカ。

『カーズ』『レミーのおいしいレストラン』と、大人っぽい内容が続いたから、そろそろ子供向けを作りたいのもわかるけど、大人の鑑賞にたえられるところがPIXARの良いところだったのに。
・・・やはりネズミに囓られた影響か?おそるべし、ネズミ。

もちろん見せ場は押さえた作りだし(消火器でランデブーのシーンはきれいだった)、演出技術は高度で『カーズ』のリベンジは十分果たせているけれど、テーマの説得力が今ひとつで、とりあえずエコ+他人に頼らず自分の力でやり遂げようってテーマが、教育的な標語みたい。
ディズニー的にはこれで良いんだろうけど、おおきなお友達にはちょっとね。


おまけ
同時上映の短編『PRESTO』はマジシャンとウサギの掛け合いなんだけど、クレジットのデザインが『トライアンフ』のフライヤーと同じ風味だった。
『トライアンフ』はマジックショーをイメージしたフライヤーだったということにやっと気がついた。

ウォーリー [DVD]
Tracked from soramove at 2008-12-10 07:59
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by k_penguin | 2008-11-06 12:39 | エンタ系 | Trackback(2) | Comments(0)

法律事務所勤務。現代アート、NHK教育幼児番組、お笑いが好きな50代。


by k_penguin